5月22日

トウモロコシ市場「天候相場への期待は避けるべきか?」

 今年の米中西部穀倉地帯でのトウモロコシの作付け作業が、雨がちな天気で遅れております。米農務省が発表した週間作柄・育成進展では、5月19日時点での米国産トウモロコシの作付け進展は、前週比19%上昇の49%となり、平年の80%をかなり下回っております。発芽は、前週比9%上昇の19%となり、平年の49%をかなり下回っております。

 5月19日時点での米国産大豆の作付け進展は、前週比10%上昇の19%となり、平年の47%からかなり下回っております。発芽は5%となり、平年の17%を下回っております。

 米国産トウモロコシの作付け遅れは、イリノイが平年の89%に対して24%、インディアナが平年の73%に対して14%と遅れが目立ちます。アイオアやケンタッキー、ミネソタ、カンザスも少し遅れ気味です。天候が正常であれば、米国のトウモロコシ栽培期間は4月に始まり、6月まで続きます。そして、収穫期は10月に始まり、11月に終わります。米国農務省気象学者のバード・リピューイ氏は、「米中部では、過去30年間で3番目に遅いトウモロコシの作付け進展となっている。この天候の混乱は、平均的なトウモロコシの植え付けを5月末まで残すでしょう。」と指摘しております。トウモロコシの作付け遅れを受けて、トウモロコシより後から作付けする大豆の作付けが増加するとの観測が高まりました。

 米国は、中国の米国産大豆への関税引き下げの影響を受けて大量の大豆在庫を抱えております。それに対して米国大豆輸出協議会(USSEC)のトップエグゼクティブは、「米国は中国での大豆輸出の市場シェアを恒久的に失い、米国と中国の貿易交渉が長期化する可能性があります。」と指摘しております。米中貿易問題や10年ぶりの安値に苦しむ大豆より、小麦やコーンの作付面積を増やしたいと考える米国農家は多そうです。

 ACCCUウエザーによるシカゴの天気予報では、5月23日~6月7日が「晴れ~曇り」の予報であり、降雨があっても「にわか雨」程度の予報です。6月中は、8日と14日が雨の予報ですが、それ以外は「晴れ~曇り」の予報であり、降雨があっても「にわか雨」程度の予報です。この気象予報を見る限りでは、米国産トウモロコシと米国産大豆の今後の作付けは、加速度的に速まることが予想されます。

 今年の米中西部穀倉地帯の天候は、エルニーニョ現象の影響を受けて夏場は気温が低めとなる見通しです。そして、エルニーニョ現象の影響を受けてカリブ海付近から米国へ北上するハリケーンの件数がかなり少なくなる見通しです。米国産トウモロコシの育成で警戒すべき主な気象状況は、「夏場の高温障害による受粉率低下」や「夏~秋のハリケーン上陸による洪水」などです。しかし、今年は、「夏場の高温障害による受粉率低下」への心配は、エルニーニョ現象の影響により必要ないのかもしれません。更に、「夏~秋のハリケーン上陸による洪水」への心配も、エルニーニョ現象の影響により必要ないのかもしれません。米中西部穀倉地帯では、ラニーニャ現象が発生すれば、「夏場のホット&ドライ」の傾向が強まって干ばつ被害が多発し、ハリケーンが多発して洪水被害も多発する傾向が強まるとされております。しかし、現在発生しているエルニーニョ現象が夏場まで続く確率は80%、秋まで続く確率は60%と気象庁が指摘しているだけに、今年の米国産トウモロコシに対する天候相場期待はあまりしないほうが良いのかもしれません。そして、これから6月下旬かけての天候が作付けを加速させる可能性も高まってきただけに、必要以上に米国産トウモロコシの作付遅れに期待することは避けるべきかもしれません。