5月23日

天然ゴム市場パート3

 本日の上海ゴムは3.1%安で取引を終え、2日間で計5.7%安となりました。「中国最大の天然ゴムプランテーションがタッピング停止」というニュースを受けて16日の上海ゴムが5.2%高となり、その翌日も上昇しました。しかし、この2日間で5.7%も下落し、15日時点の水準まで下落しました。それでも本日の東京ゴムRSS3の日中取引では、先限(10月限)が0.7円安に留まり、6月限や8月限、9月限などは上昇に転じました。ここまで両市場の温度差が大きくなっていることは注目でしょう。

 タイのRSS3の天然ゴムオフィシャル価格は、昨日時点で年初来高値を更新し、本日は前日比変わらずでした。この2日間で上海ゴムが5.7%も下落しましたが、それでも産地現物価格が堅調地合いを続けております。タイ・バンコクのRSS3現物価格は、本日価格はまだ入電されておりませんが、昨日価格は年初来高値を更新しました。

 ムニューシン米財務長官は昨夜、3000億ドル相当の中国製品に対する追加関税措置について、「いかなる決定も30~45日先になる」と述べております。6月28~29日に開催されるG20開催中にトランプ大統領と習近平国家主席との米中通商交渉に関するトップ会談が行われます。それに向けて米国が追加関税などの圧力をかけ続けることが予想され、米中貿易戦争の長期化懸念が上海ゴムを圧迫しております。その反面、生産地の天候悪化や主生産国による輸出削減策などを背景に産地現物価格が高値追いを強めております。それにより産地現物価格と上海ゴムの価格差の乖離が拡大を続けております。

 一方、東京ゴムRSS3は、5月限~8月限が輸入採算価格付近まで上昇しておりますが、9月限と10月限は輸入採算価格をかなり下回っております。それにより7月限と10月限との価格差が16時半時点で19円ほどにまで拡大しております。ここは、他限月や輸入採算価格に対して大幅割安となっている東京ゴムRSS3の先限への値ごろ買いも一考かもしれません。