6月5日

金市場パート2

 昨夜のNYダウが512ドル安となって5カ月ぶりの大幅高を記録しましたが、それでも昨夜のNY金が2.7ドル高となり、金相場の地合いの強さが感じられました。金相場の地合いが悪ければ、NYダウが昨夜ほどの大幅高となってリスクオンの流れが強まれば、リスクヘッジ志向のNY金が大幅下落となってもおかしくありませんでした。こうした「材料に反した値動き」を示した時は、本当の地合いが垣間見られるようです。「強材料で上昇した」という反応はごく自然な反応ですが、「強材料で下落した」や「弱材料で上昇した」などの「材料に反した値動き」は、特に注目するべきでしょう。そうしたマーケットの反応の分析は、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を凌駕することもあります。

 米10年債利回りは、3月4日時点で2.76ポインント付近、4月17日時点で2.60ポイント付近でしたが、5月上旬から下落基調に転じ、特に5月22日以降は急落しました。そして、6月3日時点で2.07%まで低下しましたが、昨夜は2.12%まで上昇しました。昨夜の米国株が大幅高となった事を受けて、米国債を売って米国株を買う動きが加速しました。それでもリスクヘッジ志向のNY金が小幅高となり、金相場の地合いの強さを感じます。

 NYダウが5月1日から6月3日にかけて1900ドルほど下落しただけに、スピード調整による自立修正高局面を迎えたようです。NYダウは、昨夜の大幅高を受けて、5月1日からの下落幅の「4分の1戻し」となりました。しかし、NYダウがあと120ドルほど上昇すれば、「3分の1戻し」となり、あと450ドルほど上昇すれば「半値戻し」となります。そして、NYダウがあと100ドルほど上昇すれば、5月上旬から続く「右肩下がりの上値抵抗線」に触れることになります。NYダウの戻り一杯を探して、金相場を買い乗せのタイミングを探すことも一考かもしれません。
NYダウの日足
NYダウの週足

 

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