6月11日

金相場パート2

NYダウ先物は、今朝から50ドル高付近で小動きを続けております。ドル円は、今朝から25銭ほど円安に進みましたが、10時頃から小動きです。今朝からのマーケットからは、あまり方向性が感じられません。

 NYダウが4月23日の高値(2万6695ドル)から6月3日の安値(2万4680ドル)まで2015ドル下落した間にNY金は、1269ドルから1322ドルまで53ドルも上昇しました。そして、NYダウが6月3日の安値から昨夜の引け値までで1530ドルも上昇した間にNY金は、7日に一時1347ドルまで上昇し、翌10日は急落したものの、3日の水準を下回る場面はありません。NYダウが1530ドルも上昇しても下落しなかった金相場の地合いの強さは注目でしょう。

 NYダウが4月23日から2015ドル下落し、その後、6月3日の安値から1530ドル上昇したことにより、4月下旬からの下落幅の「4分の3戻し」となりました。現在の米中関係を考えれば、NYダウの4月下旬からの下落に対する全値戻しは難しそうです。それにより、NYダウが再び下落する可能性に注目し、金相場に対する押し目買いも一考かもしれません。

メキシコへの追加関税を撤回したことでリスクオンの流れが強まり、米国株の連騰に繋がりました。しかし、今回のメキシコへの関税引き上げは、過去最大となる1036人が一気に不法入国して拘束されたことに激怒したトランプ大統領が間髪入れずに関税引き下を表明しました。そのような経緯があったので、メキシコ政府が国境を超える移民への対策を整えれば、トランプ大統領がメキシコ製品への関税引き上げを取りやめる可能性は高いと見られていました。ただ、NYダウが4月23日の安値から2015ドルも下落した直後なだけに、関税引き上げの撤回が必要以上にNYダウを上昇させたと考えるべきかもしれません。

それに対して米国と中国との貿易摩擦の高まりは根の深い問題です。中国としても、ハイテク産業が今後の中国経済を担う役割があり、米国としてもそれは同じことです。米国と中国という世界最大の経済大国が、ハイテク分野の派遣を争っているだけに、米中貿易摩擦は今後更に過熱する可能性は高そうです。そのような問題が今月末の米中首脳会談で解決することは難しそうです。それに加えて、NYダウが6月3日の安値から1530ドルも戻したタイミングなだけに、東京金に対する押し目買いも一考かもしれません。