6月13日

原油市場パート2

 NY原油は、4月23日の高値(66.6ドル)から6月5日の安値(50.6ドル)にかけて16ドルも急落しました。しかし、6月5日の安値(50.6ドル)と昨夜の安値(50.72ドル)で短期的なダブルボトムも少し意識されそうです。NY原油の過去8営業日の値動きが50.6~54.8ドル付近でのボックス相場となっているので、55ドルを突破して上昇基調に転じるのか、50ドル台を割り込んで下落基調に転じるのかといったところでしょうか。

 一方、東京ドバイ原油は、4月下旬の高値(4万9340円)から6月7日の安値(3万6840円)まで1万2500円も下落しました。東京ドバイ原油が1万2500円動けば、1枚の証拠金に対して62万5000円もの値洗いが動く計算となるので、4月下旬からの下落がいかに凄まじかったかが伺えます。そして、月初からの値動きは、3万6840円~3万9770円の範囲内の値動きとなって、ボックス圏相場となっております。

 NY原油のNYダウに対する追随性の強さを考慮すれば、NYダウが上昇基調に転じると予想するのであれば東京ドバイ原油を強気し、NYダウが下落基調に転じると予想するのであれば東京ドバイ原油を弱気することも一考かもしれません。NYダウは、4月下旬の高値から6月3日の安値にかけて2000ドルほど下落しましたが、6月3日の安値から6月11日の高値にかけて1500ドルほど上昇し、4月下旬からの下落基調に対する「4分の3戻し」を完了させております。

NYダウが4月23日に記録した年初来高値から2000ドル下落する間に、NY原油も4月23日に記録した年初来高値から16ドルも下落しました。しかし、NYダウが6月3日の安値から1500ドルほど上昇する間に、NY原油はほとんど上昇しませんでした。こうしたNY原油の反発力の鈍さからも、「原油市場の地合いの悪さ」が感じられます。しかも、ここにきてトランプ大統領が中国に対して通商協議に関する圧力をかなり強めてきたので、今月28~29日のG20での米中通商協議に向けてリスクオフの流れが強まる可能性も高まってきました。それによりNYダウの下落の可能性に注目して、原油市場に対する弱気な見方を継続することも一考かもしれません。