6月14日

金市場 

 NYダウは、6月11日が14ドル安、12日が43ドル安、13日が101ドル高となり、本日12時半時点のNYダウ先物が10ドル高です。昨日の米国市場では、中東の地政学的リスクの高まりを受けて原油価格が上昇し、それを受けてエネルギー関連銘柄も上昇してNYダウが小幅高となりました。しかし、NYダウは、11日から小動きを続けており、先週末までの急反発で上値警戒感が高まったようです。一方、NY金は2日続伸となり、月初から続く上値抵抗線付近まで上昇しました。

NY金は今月4日より1325~1350ドル付近でのボックス圏相場を続けており、1350ドル付近が上値抵抗線となっているようです。そして、NY金の電子取引が本日12時半時点で1351ドルまで上昇し、月初から続く上値抵抗線にまで上昇しました。

NY金は、2月20日の高値(1344ドル)と6月7の高値(1347ドル)でダブルトップも意識される展開となっておりますが、本日のNY金の電子取引が先ほど1351ドルまで上昇しており、月初からのボックス圏相場に対する「保合い上放れ」が意識される展開となってきました。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は昨夜、月末の米中通商協議に対して、「トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式には準備されていない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。」と述べております。中国側は、G20開催中に行う米中通商協議への出席を正式に回答していない状態です。更に同氏は、中国がバランスのとれた合意を目指している点について、「いわゆるバランスのとれた合意があり得ないのは、米中関係が非常にバランスを欠いているからだ。われわれは既存のアンバランスに対する是正や改善を求めている。」と述べております。こうした発言からも、今後の米中通商協議の難航が予想されます。

中国政府がこれまでの米国との合意内容7項目すべてに修正案を提示したことを受けて、5月9~10日に開催された米中通商協議が決裂しました。そして、トランプ大統領は、ファーウェイへの圧力を強め、「3000億ドル規模の中国製品に対する関税引き上げ」の検討を始めたことを公表しました。それに対して中国政府は6月4日、供給確保のための措置を概説した商務省報告書の公表し、レアアースの輸出規制案を検討していることを公表しました。それを受けてトランプ大統領は6月12日「中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品への関税率を引き上げる。中国からの輸入品3000億ドル相当に25%もしくは25%よりはるかに高い関税を賦課する可能性がある。」と述べ、中国への通商協議に向けた圧力をさらに強めました。ここにきて米中貿易戦争がヒートアップしてきただけに、今月28~29日のG20に向けてリスクオフの流れが強まる可能性は高そうです。それにより、「リスクヘッジの金投資」への注目を今後も続ける必要がありそうです。