6月18日

原油市場

 昨夜のNY原油は、米経済指標の悪化を受けて下落しました。6月のニューヨーク連銀製造業景況指数が統計開始以来で最大下落となりました。そして、米新規受注が3年ぶりの低水準となり、米受注残が2015年以降で最低となりました。更に米雇用指数が2年ぶりのマイナスとなり、米週平均労働時間もマイナスとなりました。それらの米国経済指標の悪化を受けて昨夜の米国商品市場が全体的に下落しました。一方、昨夜のNYダウは、複数の米経済指標の悪化は嫌気されたものの、経済指標の悪化を受けた利下げ観測の高まりは好感され、22ドル高で取引を終えました。

 NYダウは、6月7日まで4連騰となりましたが、翌10日から2万6000~2万6200ドル付近での小動きを6営業部も続けております。一方、NY原油は、6月5日の安値(50.6ドル)と6月12日の安値(50.7ドル)で短期的なダブルボトムを形成し、6月3日からの11営業日は50.6ドル~54.8ドルの範囲内での小動きを続けており、現在のNY原油の電子取引は51.8ドル付近で推移しております。

 イラン原子力庁の報道官は昨日、「われわれは濃縮率を4倍にし、このところそれをさらに引き上げており、10日後には300キロの上限を超過するだろう。欧州各国が行動すれば、まだ時間はある。」と述べ、イランの経済的利益を保証するように欧州各国に行動を促しました。低濃縮ウランの国内貯蔵が制限量を上回れば、イランの核合意違反となります。一方、シャナハン米国防長官代行は昨夜、「イランによる最近の攻撃は、中東地域における米国の関係者や権益を脅かすイラン軍やイラン系勢力による敵対的な行動についてわれわれが入手した信頼の置ける情報を裏付けるものだ。」と述べ、中東に約1000人の米兵を追加派遣することを発表しました。 

こうした中東の地政学的リスクの上昇は原油市場の強材料ですが、NY原油とブレント原油が弱気相場入りした直後であり、こうした強材料に反応出来ないほど昨夜の原油市場の地合いが悪化していたと考えるべきかもしれません。また、昨夜の米国株式市場では、「米国経済指標の悪化による利下げ観測」が好感されたものの、原油市場にとっては米国経済指標の悪化自体が弱材料となります。そして、米原油在庫が例年に反して3月から増加傾向を強めており、しかも米原油在庫が2年ぶりの高水準在庫となっているので、ここでの「米国経済指標の悪化」は、更なる米国原油在庫の増加観測を高めてしまいます。。。。。。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。
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