6月19日

原油市場

 昨夜のNYダウは、米中通商協議の前進期待の高まりを受けて353ドル高の2万6465ドルまで上昇し、史上最高値まであと486ドル(約1.8%)に迫りました。また、S&P500種株価指数も史上最高値まであと37ポイント(約1.3%)に迫りました。そうした米国株高を中心としたリスクオンの流れを好感して昨夜の原油市場が大きく上昇しました。

 トランプ米大統領は昨夜、自身のツイッターで「習主席と非常に良い電話会談を行った。来週に日本で開催されるG20首脳会議の際に引き続き会談を行う。これに先立ち、われわれの代表団は通商問題を巡る事前協議を実施する。」とコメントしました。また、記者団に対して、「習主席との会談はうまくいくだろう。中国は合意を望んでいる。ほぼ私の予想通りに進んでいる。」と述べました。一方、中国の国営中央テレビは昨夜、「電話会談で習主席は首脳会談の実施に合意した上で、経済、通商上の問題は対話を通して解決する必要があるとの姿勢を強調した。」と報じております。また、習主席が、「相手の正統な懸念に配慮を示すことが重要だ。われわれは米国が中国企業を公平に扱うことも願っている。見解の相違の解消に向け、米中両国の経済、通商チームが対話を継続することに合意する。」と述べたことも報じております。

 これまでは習主席が米中首脳会談に出席しない可能性も指摘され、今回の米中首脳会談での通商協議が決裂する可能性が指摘されておりました。しかし、ここにきて米中通商協議が前進するとの観測が高まり、リスクオンの流れが強まってきました。NY原油は、6月5日の安値(50.6ドル)と6月12日の安値(50.7ドル)で短期的なダブルボトムを形成していただけに、昨夜の米国市場で上げ足が強まりました。そして、本日のNY原油の電子取引が9時半時点で54.5ドルまで上昇しております。NY原油は、6月3日より50.6ドル~54.8ドルの範囲内でのボックス圏相場を続けているだけに、このボックス圏相場の上値抵抗線となっている54.8ドルを突破して更に上昇出来るかに注目でしょう。

 今朝発表されたAPI週間石油在庫統計は、原油が110万バレル減予想に対して81万バレル減、ガソリンが93万バレル増予想に対して150万バレル増、ディスティレートが71万バレル増予想に対して5万バレル減となりました。