6月19日

天然ゴム市場パート2

 東京ゴムRSS3における当限と先限の価格差は、5月1日時点では「ほぼ同さや(ほぼ同値)」ですが、昨日時点で「40円ほどの逆さや(当限より先限が安いさや)」にまで大きく変化しました。当限と先限との価格差が1カ月間強で「ほぼ変変わらず」から「40円ほどの差」にまで大きき変化した理由は、「産地現物価格の上昇に伴う期近限月の上昇」と、「米中通商協議の決裂による期先限月への売り圧力」のようです。

 タイ・バンコクのRSS3現物価格が過去23営業日中20営業日で年初来高値を更新しているので、納会受け渡しを意識する東京ゴムRSS3の期近限月も買われ続けました。一方、5月9日~10日の米中通商協議が決裂したことを受けて、東京ゴムRSS3の先限への売り圧力が強まりました。その後も米国が2500億ドル相当の中国製品に対する追加関税を実施し、3000億ドル相当の中国製品に対する更なる追加関税を検討していることが公表され、そうした米中貿易摩擦の高まりが期先限月への更なる売り圧力となりました。こうした、「産地現物価格に反応して上昇する期先限月」と、「期先限月への投機的な売り人気の高まり」を受けて当限と先限との価格差が1カ月半強で「ほぼ同値」から「40円ほどの逆さや」にまで急変したようです。しかし、ここにきて、米中通商協議が前進するとの観測が高まってきたので、これまでの当限と先限との「価格差拡大傾向」から「価格差縮小傾向」に変化し始めたようです。

 東京ゴムRSS3の投資家ポジションは、6月6日から売り越しを続けていましたが、昨日時点で買い越しに転じました。さすがに先限が200円の大台を割り込むと、投資家による値ごろ買いが急増したようです。それにより、200円割はしばらく難しそうです。

添付している「東京ゴムRSS3における当限と先限の価格差グラフ」を見ると、当限と先限との価格差拡大期間や価格差縮小期間が1~2カ月ほどのスパンで変化していることがわかります。この2カ月間で「10円ほどの順さや」から「40円ほどの逆さや」にまで大きく変化しましたが、本日から価格差縮小傾向に転じ始めたようです。さすがに昨日の「40円幅ほどの逆さや」は限界だったのかもしれません。今後は、価格差縮小に伴う期先限月の上昇に注目するべきかもしれません。
東京ゴムの当限と先限の価格差グラフ