6月19日

トウモロコシ市場「売り参入も一考か?」

 今年の米国産トウモロコシの作付け作業は、洪水の影響により作付け序盤で大幅に遅れました。作付け進捗率は、5月5日時点で平年を23%も下回り、5月12日時点で平年を36%も下回りました。しかし、6月2日時点で平年を12%下回り、6月16日時点で平年を8%下回るまで作付け進捗率が回復しました。

 ACCUウエザーによるシカゴの天気予報では、今月下旬から7月末にかけて晴れがちな天気が続く見通しです。今年は、度重なる洪水で土壌水分が豊富なだけに、6月下旬から7月末にかけての晴れがちな天候を受けて豊作見通しに転じる可能性は高そうです。

 米国産トウモロコシは、7月上旬から8月中旬にかけてシルキング(受粉期)を迎え、天候に最も過敏に動く時期となります。受粉期は、乾燥した天候が望ましく、この時期に気温が38℃を超えると受粉障害が発生し、受粉率が低下します。受粉期までどれだけ育成状態が良好でも、受粉期に高温による受粉障害が発生すれば、単収が大きく低下します。それだけに受粉期の天候は最も重要視されます。しかし、今年は、エルニーニョ現象が発生しているので、受粉期の高温警戒は不要となりそうです。

 気象庁の説明では、エルニーニョ現象が6~8月に発生していれば、米中西部穀倉地帯は低温となる傾向が強まります。夏場の低温ですから、涼しくて育成が進展します。一方、ラニーニャ現象が6~8月に発生していれば、米中西部穀倉地帯はホット&ドライとなる傾向が強まります。それにより高温による受粉障害が発生して受粉率が大きく低下する可能性も高まります。

現在はエルニーニョ現象が発生しており、エルニーニョ現象が夏場まで続く確率は80%となっております。エルニーニョ現象により米国産トウモロコシの天候で最も需要視される「受粉期の高温による受粉障害」への警戒が不要となれば、今月末頃で早くも今年の米国産トウモロコシの天候への注目が低下し、それと共にシカゴコーンが下落する可能性も高まります。しかも、今月下旬から来月末にかけて晴れがちな天候が続く見通しですから、その時期に米国産トウモロコシの作柄が大幅に改善する可能性は高そうです。

米農務省が今月発表した需給報告では、シカゴコーンの単収予想を前回の176ブッシェルから172.4ブッシェルに下方修正しました。それにより1ブッシュエル当たりの生産コストが396セントまで上昇しました。現在のトウモロコシ市場では、歴史的な作付け遅れを受けて不作への期待が高まっているようですが、2012年のように不作になるには、現在の単収見通し(172.4ブッシェル)が2012年の123.4ブッシェルまで49ブッシェルも悪化する必要があります。その反面、現在の単収見通し(172.4ブッシェル)があと7.4ブッシェル上昇するだけで、大豊作となった昨年の単収と並ぶこととなります。それにより、不作になるより大豊作となる可能性の方が圧倒的に高そうです。そして、今来月の天候見通しを考えれば、大豊作見通しに備えて東京トウモロコシに対する売り参入も一考かもしれません。
米国産トウモロコシの作付け進展