6月28日

金市場&原油市場

習近平国家主席は本日、アフリカ諸国の首相らと会談し、「自らの利益を最優先し、他者の利益を損ねるいかなる試みも支持を集めることはないだろう。」と述べ、米国の保護主義を非難する発言をしております。更に習近平国家主席は本日、BRICSの首脳会議に参加し、「一部の先進国が通商摩擦と経済封鎖へとつながる保護主義的措置を取っている。このすべてが世界の貿易秩序を破壊している。これはまた、われわれの国々の共通の利益に影響を及ぼし、世界規模で平和と安定に影を投げかけている。」と述べ、米国の保護主義を非難する発言をしております。一方、インドのモディ首相も、BRICSの首脳会議に参加し、米国の保護主義を非難する発言をしておりました。

 明日の米中首脳会談を前にして習近平国家主席が米国の保護主義を非難する発言を繰り返していることからも、明日の米中首脳会談で通商協議が決裂する可能性は高そうです。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、近平国家主席がファーウェイへの米国技術売却禁止を米国政府が撤回するよう主張し、中国製品に対する制裁関税の全面撤廃を要求する見通しであり、中国の米国製品購入拡大についても、昨年12月の米中首脳会談で中国側が表明した規模からの上積み要求の取り下げも求める見通しだそうです。このウォール・ストリート・ジャーナル通りの内容となれば、明日の米中首脳会談での通商協議は、決裂する可能性が高そうです。

本日の習近平国家主席のコメントは、米国の保護主義に対する怒りがかなり感じられる内容でした。5月9~10日に開催された前回の米中通商協議が決裂しただけに、今回も決裂することになれば、「米中貿易戦争」に対する警戒感が一気に増すことになりそうです。ここは、来週からのリスクヘッジの流れを警戒して、「リスクヘッジ志向」の金相場を強気し、「リスク志向の原油相場」を弱気することも一考かもしれません。