9月25日

金市場

 昨夜のNY金は、トランプ大統領に対する弾劾の動きや米中関係悪化などが圧迫材料となり、前日比8.4ドル高と小幅高となりました。昨夜のNY市場では、原油価格が大幅下落となりましたが、それでもNYダウが142ドル安と小幅安に留まりました。本日のNYダウ先物は、9:45時点で30ドル高です。ドル円は、昨日15:15比で45銭ほど円高です。

 ペロシ米下院議長は24日、米下院がトランプ大統領の正式な弾劾調査を開始することを発表しました。それにより6つの委員会がトランプ大統領の就任後の行動に関して調査を開始することになりました。ペシロ米下院議長は、これまでトランプ大統領への弾効を抑える姿勢を続けていましたが、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に対して、民主党の米大統領候補争いでトップに立っているバイデン前副大統領に関する調査を求めたとの疑惑を受けて立場を変えました。

トランプ大統領は昨夜の国連総会の演説で、「改革を実施するとした確約を反故にしただけでなく、大規模な市場障壁、手厚い政府補助、為替操作、強制的な技術移転、知的財産権の侵害などに依存する経済モデルを構築した。」と述べ、中国の通商問題を巡る慣行を改めて非難し、米中通商協議で望ましくない合意は容認しないとの考えを示しました。この発言により10月上旬の閣僚級の米中通商交渉で暫定合意となる可能性が後退しました。

 トランプ大統領に対する弾劾の動きや米中関係悪化などインパクトが強い材料が連発しましたが、それでもNY金が小幅高となり、NYダウが小幅安となるなど、意外にもマーケットはあまり反応しませんでした。トランプ大統領の昨夜の国連総会の演説は、「毎度恒例の交渉前の中国へのプレッシャー」と受け止められたのかもしれません。また、トランプ大統領への弾劾の動きに関しても、下院で可決しても、共和党が過半数議席を占める上院で否決されることが予想されるだけに、昨夜のマーケット全体の反応が小さかったのかもしれません。また、トランプ大統領に対する弾劾の動きや米中関係悪化などインパクトが強い材料が連発しても小幅高しか出来なかったNY金の上値の重さに注目するべきかもしれません。