12月24日

金市場&原油市場パート2

 S&P500種株価指数は、201年3月の安値(666ポインント)から昨夜の高値(3224ポイント)まで11年間で5倍近くにまで上昇し、2013年3月頃から最高値を更新し続けております。そうした中でも2009年3月より「右肩上がりの上値抵抗線と下値抵抗線」を形成しながら上昇基調を続けております。

 S&P500種株価指数の現在値が「2009年3月より続く右肩上がりの上値抵抗線」にまで上昇してきたので、来年1月中に下落に転じる可能性も高まってきました。そうした「2009年3月より続く右肩上がりの上値抵抗線」に前回触れたのは、2018年1月下旬であり、その後のS&P500種株価指数は、1カ月間で18%ほどの調整安を迎えました。

 2018年相場では、クリスマスイブにS&P500種株価指数が年初来安値を記録しましたが、2019年相場では、今夜のクリスマスイブにS&P500種株価指数が年初来高値を記録する勢いですから、2018年相場と2019年相場は正反対の値動きです。一方、2017年相場は、S&P500種株価指数が年初から上昇を続け、年末に年初来高値を記録するパターンとなっており、2017年相場と2019年相場はかなり類似しております。しかも、2017年相場では、翌年の1月下旬にS&P500種株価指数が、「2009年3月より続く右肩上がりの上値抵抗線」にまで上昇し、その後急落しました。しかし、2019年相場では、現在のS&P500種株価指数がすでに「2009年3月より続く右肩上がりの上値抵抗線」に触れるまで上昇しているだけに、年明け早々から調整安局面を迎える可能性もあります。特に現在の相場が、「米中通商協議における第1段階の合意」に近づいていることが好感されて上昇力を強めているだけに、来月早々に予定されている「米中通商協議における第1段階の合意の調印」で「噂で買って、事実で売れ」という展開となることは十分考えられます。

 S&P500種株価指数は、2018年9月にも「2009年3月より続く右肩上がりの上値抵抗線」にかなり迫る場面がありました。その時は、その後の3カ月間でS&P500種株価指数が600ポイント近く暴落し、「2009年3月より続く右肩上がりの下値抵抗線」にまで下落した経緯があります。S&P500種株価指数の11年間に及ぶ長期上昇トレンドでは、S&P500種株価指数の月足を見れば、いかに「2009年3月より続く右肩上がりの上値抵抗線と下値抵抗線」が有効に作用しているかがわかります。そして、S&P500種株価指数が大きく下落した2018年1月~2月と2018年10~12月は、NY原油も大きく下落しておりますが、NY金は上昇しております。しかし、現在のNY金の

ファンドの買い越し枚数がかなり高水準であることや、現在のNY金が6年ぶりの高水準にまで上昇していることなどを考えると、金相場への高値警戒は必要となります。S&P500種株価指数が大きく下落した2018年10の「NY金におけるファンドポジション」は、「2万枚ほどの売り越し」であり、現在のNY金におけるファンドポジションは「約29万枚の買い越し」ですから、ここで米国株が下落すれば、NY金も追随して下落することは十分考えられます。しかし、米国株の来年1月からの下落を見込むのであれば、金相場より原油相場を弱気する方が得策かもしれません。

S&P500種株価指数の日足
S&P500種株価指数の月足

 

 

※チャートの情報提供元は(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドです。チャートの著作権は、(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)ミンカブ・ジ・インフォノイドは一切の責任を負いません。