2月4日

後場市況1

NYダウ先物は、13:50時点で165ドル高です。上海総合株価指数は、昨日は7.7%安と暴落しましたが、本日は0.2%高で前場を終えました。また、深セン成分指数が1.6%高、FTS中国A50株価先指数が1.78%高、中国A50株価先物が2.6%高となり、昨日と一変して中国株が上昇に転じております。中国人民銀行が2日連続して大規模レポによる資金注入を行った効果が出始めたようです。中国人民銀行は3~4日のリバースレポで合計1兆7000億元(約26兆3500億円)の大規模オペを実施しました。

中国国家衛生健康委員会は本日、新型コロナウイルスの感染者数が累計で2万438件、死者数が425人、重症者数が2788人となった事を発表しました。累計感染者数の約66%にあたる1万3522人が湖北省による感染者となっております。

日本のインフルエンザによる死者数は、2017年が2596人、2018年が3325人でした。世界全体でのインフルエンザの被害は、感染者数が年間300万~500万人であり、死者数が年間20万~65万人ですが、毎年1~2月に集中するインフルエンザによる被害は、「毎年の事」となるので、インフルエンザが流行する1~2月に操業停止する企業はほとんどありません。

 2002年に世界的に流行したSARSコロナウイルスでは、感染者数が8069人、死者数が775人となり、致死率が9.6%でした。2009年に世界的に流行した新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)では、死者数が2185人に達し、ブラジルで577人、米国で522人が死亡し、その時の致死率は2~9%でした。2013年に中国で流行した新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ)では、感染者数が367人、死者数が66人となり、致死率が23%でした。

 今回の新型コロナウイルスは、中国の春節前に流行が始まったことにより、春節による世界最大の帰省ラッシュにより、中国全土で感染拡大が加速するとの観測が高まりました。今年の中国の交通機関の春節ダイヤルは、1月10日~2月19日であり、その間にのべ30億人が移動すると予想されております。また、春節中に中国人の海外旅行者が急増することも、世界的に感染拡大を加速させるとの観測が高まりました。そして春節による10連休明けの昨日の中国市場では、中国株が暴落し、中国商品先物市場の工業品銘柄も暴落しました。しかし、本日の中国株は上昇に転じ、中国の工業品銘柄の多くが上昇に転じております。今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて1月20日頃から多くの工業品銘柄が暴落してきただけに、ここからは、これまでの暴落に対する反発に注目する局面かもしれません。