3月18日

トウモロコシ市場&天然ゴム市場「蝗害に警戒」

ローコック国連事務次長は2月10日、「3カ国で1300万人が深刻な食糧不足に直面している。これは異常気象がもたらす新たな側面だ。緊急対策をしなければ、春以降の耕作期を経て被害はより一層甚大になる。」と指摘しております。そして、中国国家林業草原局は2月27日、緊急通知を発表し、各部門に蝗害拡大防止体制を整備するよう求めました。同局がウェブサイトに掲載した緊急通知では、「中国は、東アフリカで発生しインドやパキスタンに広まったサバクトビバッタの大群の進入リスクにさらされている。サバクトビバッタがいったん中国に襲来すれば、生態法則が不明で監視・観測技術の不足、防止・コントロール困難など多くの不確実性に直面するだろう。サバクトビバッタの数は今年6月までに現在の500倍に急増する恐れがある。」と警告しております。この緊急告知では、「気候の条件によっては、バッタの大群が3つのルートから中国に入ると予測される。1つ目はインドやパキスタンを経由しチベットに進入するルート、2つ目はミャンマーから雲南省へのルート、3つ目はカザフスタンから新疆ウイグル自治区に入るルートだ。」とも指摘しております。

中国は、世界第2位のトウモロコシ生産国です。バッタの大群がチベット自治区に進入するルートや新疆ウイグル自治区に侵入するルートとなれば、トウモロコシ価格が高騰する可能性も高まります。そして、雲南省に侵入するルートとなれば、中国最大の天然ゴム生産地が雲南州なので、天然ゴムが高騰する可能性も高まります。サバクトビバッタが中国に侵入する3つの予想ルートの1つである雲南省では、15万5000トンの殺虫剤と162個の殺虫剤散布機、20基のロドーン、460人の専門家チームをそろえて、蝗害に備えているそうです。こうした雲南省の対策からも、中国がいかに今回の蝗害に対して警戒しているかが伺われます。

国連の発表では、サバクトビバッタが過去1年半で6400万倍となり、4000億匹にまで増加したそうです。そして、降雨予想を受けて6月までに現在の500倍にまで増加することが予想されるそうです。サバクトビバッタの最大高度は900メートルとされており、航空機による殺虫剤散布も危険が伴うそうです。1平方メートルの地域を覆うサバクトビバッタの大群は、1日に3万5000食分を食べることが出来るそうです。そのようなバッタの群れが幅40㎞、長さ60㎞に及ぶ大群となって偏西風の影響で東に進行中であり、中国の国境近くにまで迫ってきました。

バッタは蝗害を起こす前の普段の「孤独相」と呼ばれる体から、世代交代時に「群生相」と呼ばれる移動に適した体に変化することがあります。サバクトビバッタは、個体が密集すると、世代交代の時に色が青色から茶色に変化し、足が短くなり、羽が長くなり、頭が大きくなり、気性も荒くなって共食いもするようになります。集団生活している親からは、集団の密度が高いほど、より群生相が強いバッタが産まれるとされております。そうなして群生相の遺伝子を受け継いだバッタは、10~16世代にわたって群生相を続けるとされております。前回のサバクトビバッタによる蝗害は、2003年10月から1年8カ月続きました。しかし、今回は、昨年5月から蝗害が始まり、まだ10カ月しか経過していないので、「あと1年間ほど蝗害が続く」と予想されます。すでにサバクトビバッタの大群が中国国境近くにまで迫っております。しかも、東アフリカから偏西風の影響で東に進軍し続けてきたので、「中国への侵入は時間の問題」となってきました。現在4000億匹のサバクトビバッタが6月までに200兆匹にまで増加することも予想されているだけに、「中国での蝗害」を警戒し、東京トウモロコシや東京ゴムRSS3に対する強気な見方も一考かもしれません。