メール情報会員に本日配信しましたコメントの一部をご紹介します。参考にどうぞ。

3月23日

原油市場

 NY原油の安値は、3月18日が20.06ドル、19日が21.36ドル、20日が19.46ドルとなり、20日は22.48ドルで取引を終えました。それにより3日連続で20ドル付近が下値抵抗線となっております。

 NY原油の電子取引は、トランプ米大統領がサウジアラビアとロシアの価格競争に対して適切な時期に介入する可能性を示唆したことを受けて、先週末20日18時ごろに一時28.48ドルまで上昇しましたが、今朝一時20.81ドルまで下落し、本日10:15時点で22.8ドルです。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルでは、「米国がサウジアラビアとロシアの原油価格競争への介入を検討している。また、テキサスの監督当局が原油を抑制する可能性がある。」と報道しております。それを受けてゴールドマン・サックスは19日付けのレポートで、「OPECの主要加盟国が原油供給を抑制すれば、4~6月期のブレント原油が30ドル付近まで押し上げられる。更に米国が供給管理策などの下支え策を導入すると、目先の相場の下支え要因となる。」との見方を示しました。一方、テキサス州の原油・天然ガス規制当局の選出メンバーであるライアン・シットン氏は、「原油価格の安定に向けてテキサス州は産油制限の設定を検討する必要がある。」と述べました。米国政府が産油量制限を決定すれば、原油市場にとってインパクトのあるサプライズ材料となります。トランプ大統領としては、自身の支持基盤である米国の中部~南部での支持率確保のためにも、原油価格のてこ入れは急務かもしれません。

3月23日

原油市場パート2

 ロシアのペロソウフ第1副首相は20日、「OPECとの協調減産体制の終了や原油価格の急落は、ロシアが求めたわけではない。原油市場の危機的状況を招いた責任は湾岸アラブ諸国にある。」と述べております。しかし、インタファックス通信は22日、「ロシアのノバク・エネルギー相は、産油国に23日の会合開催を呼び掛けた。」と伝えております。そして、ロシア最大手国営石油会社であるロスチネフのセチンCEOは、「ロシアとサウジアラビアは対話を維持しるべきだ。ロシアとサウジアラビアは2大原油生産国であり、協力し、情報交換することが必要だ。両国の協議がなければ、石油価格戦争を分けられない。」と述べております。

 トランプ米大統領がサウジアラビアとロシアの価格競争に対して適切な時期に介入する可能性を示唆したことを受けて、ロシアとサウジアラビアとの産油国会合が復活する可能性が高まってきました。特に協調減産に対してこれまで反対姿勢を示し続けてきたロシア最大手国営石油会社であるロスチネフのセチンCEOまでサウジアラビアとの協議の必要性を述べていることは注目でしょう。更に、テキサス州の原油・天然ガス規制当局の選出メンバーであるライアン・シットン氏は、「原油価格の安定に向けてテキサス州は産油制限の設定を検討する必要がある。」と述べていることも注目でしょう。そして、ここで、ロシアとサウジアラビアの産油国会合が復活すれば、今月末に期限切れとなる「OPECプラスによる協調減産」が延長される可能性も高まります。ここにきてトランプ大統領が「ロシアとサウジアラビアとの仲渡し」に動き出す可能性も高まってきましたので、原油市場に対する強気な見方も一考かもしれません。