4月7日

原油市場

 4月9日にOPECプラスによるテレビ会議が開催され、翌10日のG20では、米国などを含めた産油国によるテレビ会議が開催される見通しとなっております。複数のOPECプラス関係筋からは、「OPECプラス」は9日に予定される会合で、米国の参加を条件に減産で合意する公算が大きい。」とのコメントが伝えられております。一方、トランプ大統領は6日、「産油量の減少は自然に起きていると思うが、だれもまだ私に減産を求める質問をしていない。状況を見守ろう。」と述べており、OPECプラスからまだ減産を正式に求められていないことを明らかとしております。サウジアラビアとロシアは、世界生産の1割にあたる日量1000万バレルの協調減産を目指しております。そして、ロシアは、自国生産の1割にあたる日量100万バレル以上の減産はしないことを表明しております。OPECプラス加盟国が1割の減産を実施しても合計で日量450万バレル程度の減産にしかなりません。カナダのトルドー首相は、「OPECや米国と直接連絡を取り合っている。」と述べており、イラクのガドバン石油相は、「新たな減産合意にはOPECプラスに加わっていない米国、カナダ、ノルウェーなどの協力が必要だ。」と述べております。OPECプラスとしては、9日と10日の産油国会議で米国を協調減産に参加させ、それにより中国やカナダ、ブラジル、メキシコなども他の産油国も協調減産に参加させようと考えているようです。OPECプラス以外の主な産油国が1割の減産を実施すれば、米国で日量130万バレル、中国で日量49万バレル、カナダで日量46万バレル、ブラジルで日量32万バレル、メキシコで日量20万バレルの減産となり、それら5カ国合計で日量277万バレルの減産となります。それにOPECプラス加盟国による1割の減産(日量450万バレル)を加えると、合計で日量約727万バレルの協調減産となります。それにさらに小さな産油量の非OPECプラス加盟国を加えて世界全体の産油国が1割の減産を行えば、日量1000万バレルの協調減産が達成することになりますが、それはあまり現実味がありません。しかし、米国が協調減産に加われば、非OPECプラス加盟国が7~8カ国ほど協調減産に加わる可能性も高まります。そうなれば、日量700~800万バレル程度の協調減産が可能となります。あとは米国の出方次第というところかもしれません。