NY金における大口投資家の買いこし枚数が、1月27日終了週の18万8925枚から3月17日終了週の5万3093枚まで大幅な減少となりました。しかし、3月24日終了週が小幅増加に転じたことから、ファンドの手仕舞い売りが一巡した可能性もあります。過去1年間で大口投資家による買いこし枚数が5~6万枚にまで低下したことが4回ほどありますが、その時のNY金が底値形成となり、その後、1~2ヶ月ほどNY金が上昇基調に転じており、そろそろNY金が上昇基調に転じると考えるべきかもしれません。しかも、大口投資家による買いこし枚数が1月27日に18万枚台まで急増してから、「2ヶ月で13万枚強の買いこし枚数の減少」ですから、ここ数年で最も激しかったファンドの手仕舞い売りだったようです。
中国人民銀行は今月19日、金と金製品の輸出入を一層多くの企業に認めることを発表し、金輸入に関する新制度が4月1日から実施されることとなりました。これまで指定銀行と一握りの企業だけに付与されてきた金貿易業務の免許を、中国国務院が認可した金取引所の会員や金トレーダーも取得できるようになりました。生産量、税額、環境など一定の基準を満たした資源大手や製油所も申請できるようです。中国は、インドと共に世界最大の金消費国ですから、金輸入に関する新制度の導入により、4月1日から中国の金輸入が急増する可能性もあります。
インドでは、4~5月と10~11月が婚礼シーズンとなります。また、4月19日のヒンズー教の祭りで金を交換する習慣があり、金を受け取った人に幸運をもたらすという信仰もあります。インドでは、4月からの婚礼シーズンとヒンズー教の祭りが重なって、この時期からの金需要が増加する傾向もあります。
上海総合株価指数が連日の年初来高値を更新していることや、中国人民銀行と住宅・銀行規制当局が30日の共同声明で、住宅取引の緩和策を発表したことにより、中国市場全体の雰囲気がかなり好転してきました。そして、4月1日から実施される中国の金に対する輸入規制の緩和により、4月からの中国金輸入が急増する可能性もあります。そしてインドが金の需要期を迎えることも注目でしょう。それに加えてこの2ヶ月間でNY金市場におけるファンドなど大口投資家の手仕舞い売りが急増したことから、ここから金市場に対する強気な見方も一考ではないでしょうか。
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