松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2015年04月

ゴム市場パート2

 世界最大の生産国であるタイとインドネシアの天然ゴムの複数の大手運送業者は、安値の為にシンガポールゴム市場に天然ゴムを届けるディーラーとの契約の更新を行わないことを表明しております。また、インドネシアの商務省によれば、同国の大手ゴムメーカー6社が昨日、トレーダーへの販売を一時停止したことも伝わっております。その6社によるゴム加工能力が年間225万4000トンもあり、インドネシアの年間生産量の73%を占めております。

 スリトラン・アグロインダストリーなどアジアの大手ゴムメーカーは先週、シンガポールゴム取引所(SICOM)の指標価格付近での価格設定をやめ、大幅な値上げを行う計画を表明しました。世界でもトップクラスの天然ゴム輸出業者であるハルシオン・アグリとスリトラン・アグロインダストリーが価格引き上げや出荷制御の方針を表明しており、この2社の輸出高は世界全体の2割ほどを占めます。またこれら2社以外にも8社の大手輸出業者が同様の方針をとることを表明しております。インドネシを中心として天然ゴムの価格てこ入れの動きが拡大しているようです。


上海ゴムの日足
上海ゴム日足

東京ゴムの日足
東京ゴム日足

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ゴム市場

4月30日

ゴム市場

 本日の上海ゴムの取引中心限月となる9月限は、1.5%高の1万4380元付近で推移しております。1月14日の安値(1万2050元)から4月28日の高値(1万4580元)まで約21%の上昇となり、強気相場入りとなりました。テクニカルでは、安値から20%以上の上昇を強気相場入りとされております。

 世界最大の生産国であるタイとインドネシアの天然ゴムの複数の大手運送業者は、安値の為にシンガポールゴム市場に天然ゴムを届けるディーラーとの契約の更新を行わないことを表明しております。また、スリトラン・アグロインダストリーなどアジアの大手ゴムメーカーは、シンガポールゴム取引所(SICOM)の指標価格付近での価格設定をやめ、大幅な値上げを行う計画を表明しました。そして、今年下半期からシンガポールゴム取引所の先物相場に大幅なプレミアムを乗せた価格を求めることも表明しております。スリトラン・アグロインダストリーの広報担当者は、「シンガポールゴム取引所の相場はもはやゴム生産の実際のコストを反映していない。」と述べ、シンガポールゴム取引所への受け渡しをやめるとも述べております。また、大手ゴムメーカーのハルシオン・アグリもアグロインダストリーと同様の方針をとることを表明しており、他のインドネシアの生産者も両者に足並みを揃えているそうです。

世界でもトップクラスの天然ゴム輸出業者であるハルシオン・アグリとスリトラン・アグロインダストリーが価格引き上げや出荷制御の方針を表明したことを受けて、上海ゴム市場が強気相場入りとなったようです。スリトラン・アグロインダストリーのディーラーは、「中国のタイヤメーカーの天然ゴム在庫は非常に低水準にあり、市場で天然ゴムの買い付けを奪い合っている」と指摘しております。中国の天然ゴム輸入量は、今年3月に前月比24%増加の22万444トンにまで増加しており、低調だった1~2月から急増しております。そして、4月に入っても輸入ペースが更に増加傾向を続けていることも伝えられております。強気相場入りした上海ゴム市場に追随して東京ゴム市場に対する強気継続も一考ではないでしょうか。

原油市場の総括

下記のコメントは、本日午前にメール情報会員に配布した12ページにも及ぶ週間レポートの一部です。
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原油市場の総括

 サウジアラビアは4月21日、3月26日から続く空爆を停止し、これまでの「決意の嵐作戦」から「希望回復作戦」へと移行することを発表しました。しかし、サウジアラビアは、翌22日夜からイエメンのフーシ派に対する空爆を再開しました。その後もサウジアラビアによるフーシ派への空爆が続き、現在ではイエメンのほぼ全土にわたって空爆が実施されており、以前にも増して戦闘が激化しております。

ペルシャ湾のホルムズ海峡で4月28日、イラン軍の艦船がマーシャル諸島船籍の貨物船に警告射撃をしたうえで同船を拿捕しました。米国防総省によると、イラン軍は同海峡の国際航路帯を通過していた貨物船に対し、イラン領海へ向かうよう要求したが、船長は当初これを拒否したことから、イラン海軍艦が警告射撃を行って貨物船を拿捕したようです。貨物船からの救難信号を受け、同海峡から約100キロの海域に展開していた米海軍の駆逐艦が現場へ向かったことも伝わっております。またCNNによれば、ホルムズ海峡で24日に米船籍の貨物船がイラン軍艦4隻に一時的に包囲、追跡されたことも伝わっております。アラビア半島東側のペルシャ湾にあるホルムズ海峡における緊張が高まっております。そして、イエメンのバブルマンデブ海峡にあるバブルマンデブ軍事基地がフーシ派に占領されたことを受けて、アラビア半島西側の紅海にあるスエズ運河に通じるバブルマンデブ海峡の緊張も高まっております。中東からの石油輸送の大動脈とされるホルムズ海峡とバブルマンデブ海峡の緊張が高まっており、両海峡での緊張が更に高まることとなれば、原油価格が急騰する可能性もあります。

イエメンのフーシ派とサウジアラビアを中心とした中東連合との戦闘は、「イエメンを舞台にしたイランとサウジアラビアとの代理戦争」とも言われております。サウジアラビアによるフーシ派への空爆が再開されたことを受けてイランの軍艦がイエメン沖に向かい、それをけん制するために米国の軍艦もイエメン沖に向ったことから、イエメンを舞台にしたイランと米国との緊張も高まっております。

リビアでの2つの政府同士の対立や反政府派武装組織と政府軍との戦闘、暁部隊とイスラム国勢力による反政府派武装組織同士の戦闘などが続いております。また、シリアやイラクを舞台に有志連合とイスラム国勢力との戦闘も続いております。今の中東~北アフリカでは、イエメン、リビア、イラク、シリアなどで激しい戦闘が続いており、中東から北アフリカにかけての産油国における地政学的リスクの更なる上昇も懸念されております。全米原油生産が3月20日の日量941万バレルをピークとして緩やかな減少傾向を続けております。4月中旬~下旬に発表が集中した石油関連企業による2015年1~3月決算発表では、多くの石油関連企業から人員や設備投資の大幅削減計画が発表されました。それを受けて4~6月期の原油生産が更に減少する可能性も高まってきたようです。また、石油製品の需要増加を受けて米製油所稼働率が1月16日終了週の85.5%から上昇基調を続けております。特にガソリン需要は、これから春の行楽需要を向え、更に夏場に需要のピークを迎えます。そして心配されていたクッシング原油在庫の増加基調も、ここに来て21週ぶりに減少に転じたことから、在庫増加に対する警戒が和らぎ始めたようです。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。会員の皆様は、お送りしたメールの内容を参考にしてください
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原油市場「EIA週間石油在庫統計」

 29日に発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油190万バレル増、ガソリン170万バレル増、ディスティレート10万バレル減となり、クッシング原油在庫が51万バレル減となりました。また、米製油所稼働率が0.1%上昇の91.3%となりました。クッシング原油在庫が21週ぶりに減少に転じたことを受けて29日のNY原油が一時59ドル33セントまで上昇しました。

 全米原油生産は、4月24日終了週に前週比で日量7万バレル増加したものの、3月20日の日量941万バレルをピークとして緩やかな減少傾向を続けております。また、米製油所稼働率も4月24終了週に前週比で0.1%の上昇に留まったものの、1月16日終了週の85.5%から上昇基調を続けております。全米原油生産が減少傾向を続け、石油製品の需要増加を受けて米製油所稼働率が上昇を続けていることから、米国の原油需給が改善方向に進んでいることが伺えます。

 全米原油在庫が年明けから大幅増加を続けてきましたが、ここに来て小幅増加に留まるようになってきたことから、「全米原油在庫が減少に転じるのは時間の問題」との見方もあるようです。また、在庫が備蓄限界の8割に達したとして全米原油在庫の増加よりクッシング原油在庫の増加がより注目されていたものの、ここにきてクッシング原油在庫が21週間ぶりの減少に転じました。全米原油生産が3月20日終了週から減少傾向を続けていることや米製油所稼働率が1月16日終了週から上昇基調を続けている影響がようやく出始めたようです。


全米原油生産と米製油所稼働率
全米原油生産と米製油所稼働率

全米原油在庫とクッシング原油在庫
全米原油在庫とクッシング原油在庫

ゴム市場パート4

下記のコメントは、本日、メール情報会員に配布したメール情報会員専用記事の一部です。
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4月28日

ゴム市場パート4

 上海ゴムを中心として1週間ほど前から世界の天然ゴム市場価格が上昇基調を鮮明にしてきました。

世界の天然ゴム生産は、2013年に1196万5846トンに達しております。2015年の供給過剰見通しが7万7000トンですから、世界需要に対して世界供給が約0.6%上回っている計算となります。確かに供給過剰となっているものの、世界需給がほぼ均等している計算です。そしてタイ政府や中国政府が政府備蓄を踏み上げている分を差し引くと、世界需給が供給不足に転じる計算となることも注目でしょう。また、中国の3月の天然ゴム輸入は、3月に22万444トンとなり、前月を24%上回っており、中国による天然ゴムの買い付けが活発化していることも注目でしょう。

世界最大の生産国であるタイとインドネシアの天然ゴムの複数の大手運送業者は、安値の為にシンガポールゴム市場に天然ゴムを届けるディーラーとの契約の更新を行わないことを表明しております。また、スリトラン・アグロインダストリーなどアジアの大手ゴムメーカーは、シンガポールゴム取引所(SICOM)の指標価格付近での価格設定をやめ、大幅な値上げを行う計画を表明しました。そして、今年下半期からシンガポールゴム取引所の先物相場に大幅なプレミアムを乗せた価格を求めることも表明しております。スリトラン・アグロインダストリーの広報担当者は、「シンガポールゴム取引所の相場はもはやゴム生産の実際のコストを反映していない。」と述べ、シンガポールゴム取引所への受け渡しをやめるとも述べております。また、大手ゴムメーカーのハルシオン・アグリもアグロインダストリーと同様の方針をとることを表明しており、他のインドネシアの生産者も両者に足並みを揃えているそうです。

天然ゴムの世界需給がほぼ均等している状態ですが、中国主導のアジアインフラ銀行が年内に指導開始することから、アジアでのインフラ事業拡大を受けて非鉄金属や天然ゴム消費の増加が予想されます。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。会員の皆様は、お送りしたメールの内容を参考にしてください
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原油市場「短期的な調整安局面に注意」

下記のコメントは、本日午前にメール情報会員に配布したメール情報会員専用記事の一部です。
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4月28日

原油市場「短期的な調整安局面に注意」

 米インターコンチネンタル取引所(ICE)が27日に発表した建玉明細によると、北海ブレント原油の先物とオプションでのファンドなど大口投資家による買いこし枚数は、21日終了週に前週比8351枚増の27万1929枚となり、5週連続で過去最高を記録しました。

 北海ブレント原油の先物とオプションでの大口投資家による買いこし枚数は、原油価格の暴落を受けて昨年10月頃から今年1月頃にかけて半分ほどにまで激減しました。その後、全米原油在庫の増加傾向からファンドの買い人気がブレント原油に向かい、急激に買いこし枚数を増加させました。それにより大口投資家によるブレント原油市場でのロングとショートの比率が6.4倍にまで高まり、2011年以降で3回目の高水準となる比率まで上昇しました。一方、NY原油市場における大口投資家による買いこし枚数も4週連続で増加し、4月21日終了週時点で32万3092枚にまで膨らんだものの、昨年6月に記録した約45万枚を大きく下回っている状態です。

 北海ブレント原油の先物とオプションでのファンドなど大口投資家による買いこし枚数が、5週連続で過去最高の買いこし枚数を記録したことに加え、NY原油とブレント原油の上昇力が半月前からかなり鈍り始めたことを受けて、原油市場での短期的な調整安局面に注意する必要がありそうです。ただ、今月発表された米エネルギー情報局(EIA)によるNY原油の価格見通しでは、WTI原油が1年後に70ドル台にまでの上昇を予想しており、今後も「中長期的な強気な見通し」が有望ではないでしょうか。ただ、短期的に見れば、ブレント原油市場でファンドの買いこし枚数が5週連続で過去最高にまで膨れ上がった投機人気の高まりに警戒する必要がありそうです。ここでは、短期的な修正安局面を見据えて「一部利益確定させて押し目待ち」という姿勢も一考ではないでしょうか。


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ゴム市場パート3

 上海ゴムの取引中心限月となる9月限は、4.2%高の1万4425元付近で推移しており、それを受けて東京ゴムも急伸し、3.5円高の216円90銭付近で推移。上海ゴムの取引中心限月である9月限は、2月下旬や昨年10月下旬の高値を更新し、昨年9月の一代の最高値も更新しました。それに対して東京ゴムは、3月上旬の年初来高値を10円ほど下回っている水準までの上昇に留まっております。また、上海ゴムの取引中心限月がこの3週間で19%ほど上昇している反面、東京ゴムはその間に11%ほどしか上昇しておらず、両ゴム市場の上昇幅に大きな開きがあり、上海ゴムの大幅上昇に大きく遅れをとっている東京ゴム市場の割安感が目立ちます。

上海ゴム9月限(取引中心限月)の日足
上海ゴム9月限の日足

東京ゴムの日足
東京ゴムの日足

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みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

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