松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2016年07月

日本円パート4「28兆円超の経済対策」

 安倍首相は本日午後の講演で、政府が取りまとめる経済対策の事業規模を28兆円超とし、国と地方の歳出と財政投融資を合計した財政措置を13兆円にする方針を表明しました。経済対策の財政措置は、8月2日の閣議で決定する予定となっております。

8月2日に政府が経済対策の取りまとめを行い、8月3日に安倍首相が内閣改造を実施する見通しです。8月2日に取りまとめられる経済対策が28兆円超の事業規模となれば、円安が加速する可能性もあります。ここは、本日の安倍首相発言に注目ではないでしょうか。

天然ゴム市場

 東京ゴムは、7月25日から2営業日連続で大幅下落となりましたが、本日は上昇に転じており、サーキット・ブレーカーの発動まであと1円ほどに迫る限月もあります。

シンガポールゴムRSS3号8月限は1kg=176セント付近で推移しております。これを円換算すれば、1.76ドル×105.5円=約186円です。      

上海ゴムの1月限は1トン=1万2890元付近で推移しており、高率関税を差し引いてキロ当たりの円換算にすると、(1万2890元-900元)÷1000kg×15.764円=約189円です。

タイのオファー価格(RSS3号の船積み価格)は1kg=189セントで推移しており、これを円換算すると、1.89ドル×105.5円=約199円です。それに対して東京ゴムの1月限は、1kg=156円付近で推移しております。

先月の東京ゴムは、大幅逆さやを形成して6月限納会に向けて当限主導で上昇を続けたものの、6月24日の6月限納会で急落となりました。今回も大幅逆さやを形成して7月限納会に向けて当限主導で上昇を続けておりましたが、7月25日の7月限納会とその翌日が急落となりました。しかし、本日は上昇に転じております。上海ゴムやシンガポールゴムRSS3号、タイのオファー価格(RSS3号の船積み価格)に対する東京ゴムの大幅割安換算を考えると、先月のパターンと同じように8月26日の8月限納会に向けて再び上昇基調を強めるのかもしれません。

東京ゴムの日足
東京ゴムの日足

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日本円パート3

 今朝7時頃のドル円は、1ドル=104.6円付近で推移しておりました。しかし、12時半ごろに一時1ドル=106.5円付近まで円安に進み、14時ごろに1ドル=105.2円付近まで円高に進みました。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「日本政府が景気対策で50年債の発行を検討している。」という記事を掲載したことを受けて大型経済対策観測が高まり、円安が加速しました。その後、財務省理財局が、「50年債発行の検討の事実はない。」との見解を明らかにし、円高が加速しました。そうした一連の報道を受けてドル円は、今朝から1.8円ほど円安に進み、その後、12時半ごろから1.2円ほど円高に進みました。

 今回の参議院選後にバーナンキ元FRB総裁が来日して安倍首相や黒田日銀総裁と会談を行い、それを受けてヘリコプター・マネー期待が高まり、円安が加速しました。しかし、「現時点ではヘリコプター・マネー実施の必要性も、実施する可能性もない。」と述べた6月中旬の黒田日銀総裁発言の公開でヘリコプター・マネー期待が後退して円高が加速しました。そして今回は、「日本政府が景気対策で50年債の発行を検討している。」との報道により円安が加速し、その直後に財務省理財局が、「50年債発行の検討の事実はない。」との見解を明らかにすると円高が加速しました。経済対策についての噂が先行し、その後、噂が否定されるようなパターンが続いております。しかし、「火の無いところに煙はたたない」ということわざもあり、今後も経済対策の噂が続出すると考えるべきかもしれません。
ドル円の5分足
ドル円の5分足

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日本円パート2「ニッポン1億総活躍プラン」

 本日のドル円は、朝からじりじりと円安に進み、12時ごろから円安が加速しました。ドル円は、昨日夕方に1ドル=103.98円まで円高に進んだものの、その後は円安基調を続け、12時ごろから円安が加速し、12時半ごろに一時1ドル=106.5円まで上昇。現在は1ドル=106円付近で推移。最低賃金の大幅引き上げや、50年債発行検討との一部報道で円安が加速した模様。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「日本政府が景気対策で50年債の発行を検討している。」という記事を掲載。

厚生労働省の中央最低賃金審議会は本日、2016年の最低賃金(全国平均)交渉が時給ベースで24円(約3%)の引き上げで決着したことを発表。政府は、6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」で、最低賃金を「年率3%程度をめどに引き上げ、全国平均で時給1000円を目指す。」と明記しておりました。2002年以降で最大となる今回の最低賃金の引き上げに対して、「力強さを欠く個人消費を喚起したい政府の強い意志が反映された」との見方から、12時ごろから円安が加速した模様。安倍首相は、7月13日の会議で最低賃金の3%引き上げに向け最大限努力するよう閣僚に指示しておりました。

(全国平均最低賃金の推移)

2007年 687円 14円の引き上げ

2008年 703円 16円の引き上げ

2009年 713円 10円の引き上げ

2010年 730円 17円の引き上げ

2011年 737円  7円の引き上げ

2012年 749円 12円の引き上げ

2013年 764円 15円の引き上げ

2014年 780円 16円の引き上げ

2015年 798円 18円の引き上げ

2016年 822円 24円の引き上げ

今回の最低賃金の大幅引き上げを受けて、パートやアルバイトなど雇用全体の4割を占める非正規労働者の待遇改善が進みそうです。そして、50年債の発行となれば、大型経済対策の投入となりそうです。「経済対策が27兆円規模となる可能性もある」との一部報道もあるようです。
ドル円の15分足
ドル円の15分足

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日本円

 ドル円は、昨日夕方に一時1ドル=103.98円まで円高に進みましたが、その後はじりじりと円安基調を続け、現在は1ドル=105円付近で推移。日本の経済対策に対する期待がやや後退したことや、最近の急速な円安基調に対する調整が入った模様。ドル円は、7月11日からの9営業日で7円ほど円安に進みました。

ドル円の過去10年間の年間変動幅の平均は、15.38円です。今回は、9営業日で7円ほど円安に進みましたので、スピード調整が入った模様。

今回の参議院選後にベン・バーナンキ元FRB総裁が安倍首相や黒田日銀総裁と会談を行い、それを受けてヘリコプター・マネー期待が高まり、円安が加速しました。しかし、BBCが7月21日に、「現時点ではヘリコプター・マネー実施の必要性も、実施する可能性もない。」と述べた6月中旬の黒田日銀総裁発言を公表しました。それを受けて7月11日から上昇基調を続けていたドル円が下落に転じました。そのBBC報道により、今週末の日銀金融政策決定会合に対する投資家の期待が後退したようです。

ドル円は、7月11日から7円ほどの上昇となり、7月21日から3円ほどの下落となりました。これでドル円は、「短期間での急騰に対する調整安が完了」となるのかもしれません。8月2日に政府が経済対策の骨格を固め、8月3日に安倍首相が内閣改造を実施する見通しです。それにより再び経済対策への期待が高まり、ドル円が上昇力を増す可能性もあります。


ドル円の240分足
ドル円の240分足
ドル円の日足
ドル円の日足

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原油市場

 今朝発表されたAPI週間石油在庫統計は、原油82万バレル減、ガソリン42万バレル減、ディスティレート29万バレル増、クッシング原油140万バレル増となりました。原油は市場予想を下回る減少となり、ガソリンは予想外の減少、クッシング原油は予想以上の増加となりました。この発表を受けてNY原油の電子取引は30セントほど下落。今夜発表されるEIA週間石油在庫統計に対する市場予想平均は、原油230万バレル減、ガソリン変わらず、ディスティレート70万バレル増です。EIA週間石油在庫統計は、2週連続で原油とガソリンとディスティレートの在庫が市場予想に近い発表となったものの、2週連続で発表直後からNY原油が急落しました。年初から減少傾向を続けていた全米原油生産が2週連続で増加に転じたことを嫌気した模様。米オイルリグ数が6月3日から8週間で55基も増加したことを考えると、今夜の発表でも全米原油生産が増加となり、しばらく全米原油生産が増加傾向を続けると考えるべきかもしれません。

 NY原油は、6月9日に51.67ドルまで上昇しましたが、その後は下落基調を続け、7月25日に終値ベースで100日移動平均線割れとなり、テクニカルが悪化しました。昨夜のNY原油は、一時42.36ドルまで下落し、現在の電子取引は42.7ドル付近で推移。米オイルリグ数が減少に転じるまでは、NY原油の軟調地合いが続くのかもしれません。

NY原油の日足
東京原油の日足
東京原油の日足
NY原油の日足

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今後の展望

 日経平均株価が250円安付近まで下落し、ドル円が今朝から1円ほど円高に進みました。

今週の主なイベントは、FOMC(7月26日~27日)や日銀金融政策決定会合(7月28日~29日)などが控えております。

(S&P500種採用企業の決算発表スケジュール)

26日アップルやキャタピラーなど62社。

27日フェイスブックなど86社。

28日アマゾン・ドットコムなど115社。

29日シェブロンなど29社。

本日からの3日間でS&P500種採用企業の半分ほどの決算発表が行われ、4~6月期決算発表シーズンのクライマックスを迎えることになります。今週の注目は、FOMCや日銀金融政策決定会合よりも7月26日~27日の決算発表ラッシュによるNYダウの動向かもしれません。そして、7月29日の日銀金融政策決定会合(2日目)よりも、日本政府が8月2日にまとめる経済対策の骨格に注目ではないでしょうか。

日本経済新聞は、「政府が8月2日にまとめる経済対策の骨格を固め、焦点となっていた国と地方の財政支出は今年度2次補正予算や来年度予算案などの数年間の予算総額を6兆円に積み増す方針で調整する。」と報じております。財政支出が当初予想されていた3兆円規模から6兆円規模となり、融資なども含めた経済対策の規模が20兆円を超える見通しとなってきました。

8月2日に政府が経済対策の骨格を固め、8月3日に安倍首相が内閣改造を実施する見通しです

。。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。
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ドル円の日足
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原油市場

 昨夜のNY原油は、ガソリン在庫や全米原油生産の増加観測、猛暑予想の後退、NYダウの下落、テクニカルの悪化などの弱材料に圧迫されて一時42.97ドルまで下落し、43.13ドルで取引を終えました。

週間石油在庫統計に対する市場予想平均は、原油250万バレル減、ガソリン70万バレル増、ディスティレート70万バレル増、クッシング原油110万バレル増です。年初から減少傾向を続けてきた米オイルリグ数が6月3日から増加傾向に転じ、年初から減少傾向を続けてきた全米原油生産が7月9日から増加傾向に転じました。そして、需要期にも関わらず米ガソリン在庫が高水準を保っております。更に、今後2週間の米国の猛暑予想が後退したことも原油市場を圧迫しました。

昨夜のNY原油が3か月ぶりの安値となり、終値ベースで4月以来となる100日移動平均線割れとなってテクニカルが悪化しました。昨夜のNYダウは77ドル安でした。

NY原油は、2月中旬から安定した上昇基調を続け、5月下旬に50ドル付近まで上昇しました。しかし、年初から減少を続けていた米オイルリグ数が6月3日から増加傾向に転じると、それまでの上昇トレンドが終了しました。「NY原油が50ドル付近まで上昇すれば、シェールオイル開発が活発化する。」との観測が原油市場を圧迫したようです。6月上旬から続くNY原油の下落基調を止めるには、「どこまで下落すれば、シェールオイル開発が止まるのか。」ということの確認が必要となりそうです。そのためにも米オイルリグ数の変化は注目でしょう。

NY原油の日足
NY原油
東京原油の日足
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