松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2017年01月

原油市場パート2

 CFTCから先週末に発表されたNY原油におけるファンドの買い越し枚数は、前週比1万7845枚増の48万2523枚となり、7週連続で42万枚を超えており、ファンドの買い進みに対する過熱感が感じられます。ファンドが買い進む理由は、OPEC加盟国と非加盟国による協調減産が順調に進んでいることに加え、トランプ大統領による「国境調整税」への期待も多いようです。

 米原油生産は日量896万バレル(1月20日時点)ですが、それと同等近くの原油を輸入に依存しております。それらに20%の国境調整税を課せると、国境調整税が300億ドルを超えかねません。それらが米国内原油価格に転嫁されることになれば、米国内原油価格の上昇を招きます。それを見越してNY原油におけるファンドの買い越し枚数が近年最高にまで膨らんでいるようです。

 しかし、米国内原油価格の上昇や国境調整税勢の導入は、米シェールオイルの更なる増産を招くことになります。世界最大の原油輸入国である米国が、国境調整税により自国原油生産を促進することになれば、世界的な原油価格の急落を招く可能性もあります。日本は、中東産原油輸入に依存していることから、中東産原油に近い値動きをする北海ブレント原油の動向に追随する傾向が強いようです。それにより、トランプ政権による国境調整税の導入により、「NY原油上昇&北海ブレント原油下落」という流れとなれば、東京原油は、北海ブレント原油の下落に追随する可能性が高まります。そうしたことを考量して、NY原油のファンドポジションに注目する必要もありそうです。そして、今後のトランプ大統領の輸入原油に対する国境調整税の行方も注目でしょう。

天然ゴム市場パート4

 世界最大の天然ゴム生産国であるタイでは、天然ゴムの生産は南部に集中しております。タイ南部の天然ゴム生産では、1~3月頃が増産期、4~6月頃が減産期となります。ちなみに、天然ゴムをあまり生産していないタイ中部では、11~1月頃が増産期、2~4月頃が減産期となります。

 

 

1月

2月

3月

4月

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7月

8月

9月

10月

11月

12月

北部

乾季(冷季)

暑季

雨季

乾季

中部

乾季

暑季

雨季

乾季

南部

 

乾季

暑季

乾季

雨季

1~3月頃は増産期

4~6月頃は減産期

7~12月頃は安定した生産

 

タイは、縦に長い国土を有していることから、北部と中部、南部では、雨季や乾季の時期がかなり違います。

それにより、天然ゴムの主生産地となるタイ南部の増産期の時期を勘違いしている方も多いようです。

タイでは、雨季が終了すると、天然ゴムの増産期を迎えます。

中部では11~1月頃、南部では1~3月頃が増産期となります。

増産期を終えれば、減産期の訪れとなります。

乾季が終了し、暑季を迎えると、落葉が進み、減産期となります。

タイ南部の暑季入りは4月頃からとなります。

天然ゴムのあまり生産していないタイ中部では、暑季入りは2月頃からとなります。

タイでは、減産期と増産期の天然ゴム生産量は、2~3割ほどの差となります。

タイと同等の天然ゴム生産量を誇るインドネシアでは、増産期と減産期の生産量の差は、1割程度です。

マレーシアの増産期と減産期の差も1割程度です。

緯度の関係により、インドネシアやマレーシアでは、増産期と減産期の差がほとんどありません。

 

タイ南部では、活発化したモンスーンにより、年初からタイ南部で洪水被害が発生しました。しかし、1月10日頃から天候が回復しております。そして雨季も終了し、すでに乾季に突入しており、晴れが続いております。ウエザーニュースによるタイ南部(プーケット)の14日予報では、降水確率50%が2日間予想されておりますが、それ以外の12日間は、降水確率20%以下となる晴天続きの予報となっており、乾季らしい天候が今後も続くようです。雨季明けが天然ゴムの増産期となる理由は、雨季により土壌水分が高まることにより、樹液の分泌量が増えるからです。これまでの洪水被害により十分な土壌水分が蓄えられ、これから3カ月間ほど乾季による好天が続くのですから、例年以上の増産となる可能性もあります。天然ゴムの主生産地となるタイ南部では、すでに乾季入りしており、タイ南部の増産期の実力をこれから実感することになりそうです。

後場市況2

 先週末のNYダウは、7ドル安の2万93ドルで取引を終えました。そして、現在のNYダウの電子取引は、先週末比60ドル安付近で推移しております。ドル円は、今朝から70銭ほど円高が進み、リスクオフの流れが強まっております。

トランプ大統領が発した難民やイスラム教徒の多い中東・アフリカ7カ国からの市民入国を禁ずる大統領令に対して、民主党のみならず共和党からも批判が出ているようです。トランプ大統領を国賓として英国に招待すべきでないとする請願が29日に提出され、請願に対するオンラインによる賛同の署名が30日未明時点で88万人を超えたことも報告されております。中東・アフリカ7カ国からの一時入国禁止やメキシコとの国境の壁建設に対して、世界的に批判の声が上がっており、それを受けて前日までのトランプ・ラリーの流れが途切れ、リスクオフの流れに転じているようです。また、トランプ大統領が掲げる保護主義政策への警戒も高まっております。

 NYダウが1月25日に初めて2万ドルの大台に乗せ、翌26日に2万125ドルまで上昇したことにより、大台初乗せによる達成感から利益確定の売りが出始めているようです。「大台初乗せは売り」という相場格言もあります。また、米国企業の4半期決算や最近の米国経済指標が少し冴えない内容となったことも、米国株に対する利益確定の動きを促進しているようです。それに、トランプ大統領が掲げる中東・アフリカ7カ国からの入国禁止政策や保護主義政策に対する風当たりが世界的に強まったことも、リスクオフの要因となっております。

NYダウの日足
NYダウの日足

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週間レポートの一部&天然ゴム市場パート3

(下記の記事は、先週末に発行しました週間レポートの一部です。)

天然ゴム市場の総括

 今週の東京ゴムは、ファンダメンタルズにはほとんど反応せず、短期的なテクニカルに反応して急騰を続けた印象を受けます。中国製のバス・トラック用タイヤの反ダンピング・相殺関税を課することが最終決定され、スリトラン・アグロインダストリーが30万トンの増産計画を発表し、タイ政府が9万8000トンの在庫放出を行い、資源価格の高騰を受けて中国の12月の工業部門企業利益が大幅減少したものの、それでも今週の東京ゴムは、「ファンダメンタルズよりテクニカルを優先」という流れとなりました。

 上海ゴムは、1月27日から2月2日まで春節(旧正月)により休場となります。天然ゴム市場のベンチマーク的な役割を果たす上海ゴム市場の1週間の休場により、東京ゴムが不安定な値動きとなる可能性もあります。これまでの上海ゴム市場の長期連休中の東京ゴムは、「ほとんど動かない」、「前半で上昇し、後半で下落する」、「前半で下落し、後半で上昇する」などのパターンをよく見かけました。27日午前の東京ゴムが大幅高となっていることから、今回の上海ゴムの休場中の東京ゴムのパターンは、「前半で上昇し、後半で下落する」となることも予想されます。

 今週の東京ゴムの値動きは、ファンドによる「上がれば上がるだけ買い進む」という特性が大きな影響を与えたように感じられます。また、エネルギー市場や貴金属市場が冴えない値動きを続けていることで、国内商品先物市場の投機人気が東京ゴムに集中しているようです。すでにタイ南部の洪水は沈静化し、タイ政府の天然ゴム在庫の放出も行われることになりましたが、「行き過ぎも相場」ということかもしれません。今の東京ゴムは、「上がるから買う」という雰囲気に包まれ、「青天井」と化した値動きとなっております。

 中国国家統計局が26日に発表した12月の工業部門企業利益は、前年同月比2.3%増となり、前月(11月)の14.5%増から大幅減少し、2016年の前年比8.5%増からも大幅減少しました。中国財務省が26日に発表した2016年の国有企業の利益は、前年比1.7%増の2兆3000億元となり、1~11月の前年比2.8%増から大幅減少しました。資源価格が高騰したことにより、製品価格に転嫁することが出来なくなっているようです。こうしたことを考えると、中国の資源銘柄の高騰は、限界点に達したと考えるべきかもしれません。それにより、上海ゴムの急落も「時間の問題」となる可能性もあります。

 

 

1月30日

天然ゴム市場パート3

東京ゴムは、27日に18.7円高、30日に17.7円高(13時時点)となり、上海ゴムの連休中に35.4円幅も上昇しております。また、上海ゴムはまだ1月16日の高値を下回っている反面、東京ゴムは、1月26日時点ですでに1月16日の高値を更新しておりました。上海ゴムは、今週末3日から取引再開となります。上海ゴムの取引再開が近づけば、東京ゴムの独歩高に対する警戒が高まり、急落することも考えられます。しかし、世界の天然ゴム価格のベンチマーク的な役割を果たす上海ゴム市場の連休入りを受けて、東京ゴムの上昇に対する歯止めがなくなったようにも感じられます。それにより、今回の上海ゴムの連休中の東京ゴムのパターンは、「連休前半で上昇し、連休後半で下落する」となることも予想されます。

東京ゴムの日足
東京ゴムの日足


上海ゴムの日足
上海ゴムの日足

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後場市況1

 ドル円は、今朝から80銭ほど円高に進み、現在は、114.3円付近で推移しております。日経平均株価は、円高を嫌気して140円安付近で推移しております。今朝からの電子取引では、NY金が6ドルほど上昇し、NY原油が20セントほど下落しました。NYダウの電子取引は、60ドル安付近で今朝から小動きです。NYダウの電子取引が下落してリスクオフの流れが強まったことを受けて、今朝からNY金の電子取引が上昇し、リスクヘッジの円買いが進んだようです。

 12:54時点で、東京金18円高、東京白金20円高、東京原油1020円安、東京ゴム16.3円高です。

ドル円の15分足
ドル円の15分足

ドル円の日足
ドル円の日足

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天然ゴム市場パート2

 東京ゴムの3番限(4月限)には、12時半時点で「353.2円で201枚の買い」という指値が有り、今朝から40枚程増えました。朝方にあった4番限(5月限)の「353.7円で108枚買い」の指値はすべて成立し、新たに12時半時点で「353.7円で91枚買い」という指値があります。薄商いの3番限(4月限)にあるまとまった買い指値がなかなか消化できない状態が続いております。3番限(4月限)の出来高は、この1時間で2枚しか増えておりません。3番限(4月限)という薄商いの限月に200枚程のまとまった買い指値が出されたことで、東京ゴム全体が大きく上昇しました。売り方の大口投資家が辛抱たまらずに踏み上げに出たというところでしょうか。

現在の東京ゴム市場は、「国内投資家の売り対、海外投資家の買い」という構図となっております。1月25日時点での東京ゴムの総取組高は2万1348枚です。その内、国内投資家は、「1万298枚売り&5075枚買い」となっており、5223枚の売り越しです。その反面、外国商品先物業者経由は、「3647枚売り&1万365枚買い」となっており、6718枚の買い越しとなっております。ちなみに、当業者は、「3792枚売り&3540枚買い」となっており、252枚の売り越しです。現在の東京ゴム市場は、取引所のポジション報告では「国内投資家の5223枚の買い越し対、外国商品先物業者経由の6718枚買い越し」という構図となっております。

 しかし、2006年以前の手口公開時の東京ゴムの取引に精通している方々からは、「国内投資家売り対、海外ファンド買い」ではなく、「国内大手商社売り対、海外ファンド買い」と指摘する方も多いことと思われます。TOCOMでは、40年近く手口公開を続けてきましたが、2006年から手口が非公開となりました。以前の手口公開時は、すべての取引店の手口が公開されておりました。しかし、現在は、「カテゴリ別取組高表(2分類&6分類)」、「売買高上位10位」、「大口建玉市場占有状況」などに限られます。国内大手商社は、以前より自社からの注文を避け、複数の一般店を経由して注文を出すことがほとんどでした。しかも、以前より東京ゴム市場での国内大手商社といえば、特に目立つ1社が主に売買をしておりました。ですから、現在の東京ゴムは手口非公開となっているものの、最も大きな売買を行う国内大手商社が自社から注文を出せば、「商社ポジション」としてすぐにばれてしまいます。ですから今も国内大手商社は、一般店を経由して注文を出していると見られております。今回も国内大手商社が売り上がり、ファンドが買い上がっているとの見方が適切かもしれません。そして海外ファンドは、テクニカルを重視する傾向もあることから、テクニカルがゴールデンクロスの間は買い進み、デットクロスに転じれば、手仕舞い売りに転じる傾向もあります。

NY金とNY白金のファンドポジション

 CFTCから先週末に発表されたNY金におけるファンドの買い越し枚数は、前週比2366枚増の10万9407枚となり、5週連続で10万枚前後の買い越し枚数を続けております。昨年9月頃からの買い越し枚数の減少傾向は止まったものの、まだファンドの積極的な買い進みとなっていないようです。

 CFTCから先週末に発表されたNY白金におけるファンドの買い越し枚数は、前週比3457枚増の3万7389枚となり、3週間で1万1735枚増(約47%増)となりました。NY白金市場では、ファンドの積極的な買い進みが続いております。

 NY金とNY白金のファンドポジションの変化がそのまま値動きに反映されており、NY金が4営業日続落となる反面、NY白金はじり高基調を続けております。
NY金とNY白金のファンドポジション

原油市場

 ドル円は、今朝から40銭ほど円高に進みました。NY原油の電子取引は、今朝から小動きです。東京原油は、820円安付近で推移しております。

 CFTCから先週末に発表されたNY原油におけるファンドの買い越し枚数は、前週比1万7845枚増の48万2523枚となり、7週連続で42万枚を超えており、ファンドの買い進みに対する過熱感が感じられます。

ベーカーヒューズから先週末に発表された米オイルリグ数は、前週比15基増の566基となりました。米オイルリグ数が3カ月間で100基ほど増加しており、今後も米原油生産の増加ペースが続きそうです。

OPEC加盟国と非加盟国による年初からの協調減産は順調に実行されているものの、米原油生産が3カ月間で日量51万バレルも増加しており、米オイルリグ数やNY原油におけるファンドの買い越し枚数も増加傾向を続けていることが原油市場を圧迫しているようです。特にNY原油におけるファンドの買い越し枚数が近年最高となる48万枚超にまで膨らんでいるものの、それでもNY原油が1カ月ほど前から横ばいを続けているということは、「NY原油の上値が重い」と判断するべきかもしれません。ファンドの手仕舞い売りが本格化すれば、NY原油が50ドル台を割り込む可能性もあります。
米オイルリグ数
NY原油のファンドポジション

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