10月25日
天然ゴム市場パート5
タイ・ハジャイのRSS3号現物価格は、東京ゴムが150円付近まで下落した2016年7~8月に53バーツ台まで下落しましたが、50バーツを割り込むことはありませんでした。昨年7月と現在ではドル円が13円ほど違いますので、東京ゴムの価格水準も違ってきます。
東京ゴムが180円付近まで下落した今年6~7月には、タイ・ハジャイのRSS3号現物価格が51バーツ台まで下落しましたが、50バーツを割り込みませんでした。しかし、今月12日に49.2バーツまで下落し、過去20カ月間で初めて生産コストとされる50バーツを1日だけ割り込みました。そして現在が53.2バーツです。こうした動きからも、産地現物価格は「底入れ完了」といえるのかもしれません。
現在のタイ・ハジャイのRSS3号現物価格は、キロ当たり53.2バーツです。これを円換算すると、53.2バーツ×3.43円=約182.5円となります。これにキロ当たりの輸入諸経費を8円で計算すると、輸入採算価格は、約190.5円となります。急落を続けた東京ゴムの当限が190円を少し割り込んだところで上昇に転じた理由も頷けます。タイでコスト割れ寸前の現物を買い付けても輸入採算価格が190円付近となるのですから、今回の下落で東京ゴムが底打ち完了したと考えるべきかもしれません。