松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2018年04月

原油市場パート2

4月26日

原油市場パート2

 昨夜のEIAからの発表では、米原油在庫が200万バレル減予想に反して220万バレル増となりました。それでも下落しなかったNYダウの値動きからは、地合いの強さが感じられます。

 EIA週間石油在庫統計では、米原油在庫が今月になって3週間中2週間で増加しました。エネルギーの不需要期を脱出したはずなのですが、ここにきて米原油在庫が増加しております。この原因は、米製油所稼働率が低下していることのようです。

 米製油所稼働率は、3月2日時点で88%まで低下して年初来最低を記録しました。この時期がエネルギーの不需要期のピークとなります。その後は上昇を続け、4月6日時点で製油所稼働率が93.5%まで上昇しました。しかし、4月13日時点で92.4%、4月20日時点で90.8%まで低下しており、ドライブシーズンを前にして2週連続で低下しております。ここまで製油所稼働率が低下すれば、米原油在庫が増加しても仕方がありません、米国では、5月最終週の月曜日のメモリアルデーを過ぎるとドライブシーズンを迎えます。例年であれば、ドライブシーズン前に米製油所稼働率が上昇基調を強めるのですが、今年は例年と違うようです。

 ロシアのノバク・エネルギー相は20日、「原油相場が4月中に1バレル=80ドルに達する可能性がある。」と述べる一方で、「80ドルはファンダメンタルズの裏付けがない水準になるだろう。」と述べております。現在のブレント原油が74.5ドル付近で推移しているので、ブレント原油が80ドルの大台まであと2~3ドル程度にまで迫ると、原油市場への値ごろ売りも一考かもしれません。あと3ドルほど上昇すれば、ブレント原油で77.5ドル、NY原油で71.3ドルとなります。
米製油所稼働率と米原油在庫

1~3月期決算発表シーズンの山場を迎えて

4月26日

1~3月期決算発表シーズンの山場を迎えて

 昨夜のNYダウは14ドル高でした。NYダウは、4月18日からの5営業日で700ドルほど下落しております。米国企業の1~3月期決算発表が山場を迎えておりますが、それでもNYダウの軟調地合いが続いております。

 NYダウは、4月17日の上昇により、1月中旬から続く右肩下がりの上値抵抗線を少し上回り、年初から続く三角合いから上放れとなったように思われました、しかし、翌18日から5営業日で700ドルほど下落したことを受けて、再び三角保合いに戻りました。

これまでの四半期決算発表シーズン中の米国株は、良好な決算内容を好感して上昇する向がありました。特に今回の1~3月期決算では、S&P500種採用企業の企業利益がリーマンショック後で最高となる見通しです。それでも米国株の上昇力が示されないことに対して警戒が必要となりそうです。

今回の米国企業の決算内容は、事前予想通りに良好な内容が多いようですが、米10年債利回りが3%を上回り、株式市場への警戒が高まっております。2月下旬にも米10年債利回りが2.95%付近まで上昇し、株式市場への警戒が強まる場面もありました。そして、ここにきて再び米10年債利回りが上昇し始めたので、「良好な決算内容より長期金利の上昇に警戒」となっているようです。

今週1週間で280社ほどの米国企業の決算発表が行われ、今回の1~3月期決算発表シーズンの山場となります。それでも米国株が上昇出来ないようであれば、失望売りが加速する可能性があります。現在のNYダウは2万4083ドルですが、現水準から800ドルほど下落して2万3300ドル付近の年初から続く下値抵抗線を割り込むことになれば、「三角保合いからの下放れ」となります。米10年債利回りが昨日夕方から3%付近で推移しておりますが、現在の「3%付近での攻防戦」から上放れとなることになれば、NYダウが三角保合いから下放れとなる可能性も高まりそうです。
NYダウの日足

 

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トウモロコシ市場

4月26日

トウモロコシ市場

 昨夜のシカゴコーンは、前日同様に作付け遅れを好感して続伸しました。米農務省が週明けに発表しました4月22時時点での米国産トウモロコシの作付け進展は、前週比2%上昇の5%となり、過去5年平均の14%を下回りました。先週や先々週の低温の影響で、作付けを遅らせる農家が多かったようです。

 シカゴ周辺の穀倉地帯は北海道と同じぐらいの緯度ですから、この時期の温度は不安定になりやすいようです。エンゼルスの大谷翔平投手が先発登板する予定だった4月15日のロイヤルズ戦が寒さの為に中止されたほどです。しかし、本日のシカゴの最高気温は19℃であり、28日には28℃にまで上昇する予報となっております。しかも、ウエザーニュースによる週間予報では、晴れ続きとなり、トウモロコシの作付けが加速しそうです。しかも、10日予報でも温暖な気候と晴れがちな天気が続く見通しですから、トウモロコシの作付けがかなり加速しそうです。それにより、4月30日や5月7日に米農務省から発表される作柄報告では、作付けの加速が報告されてシカゴコーンが急落する可能性もあります。それにより、4月30日の米農務省発表を前にして、東京トウモロコシに対して売り場探しも一考かもしれません。

天然ゴム市場

4月26日

天然ゴム市場

 昨日の上海ゴムの夜間取引は、ラスト30分間でマイナス転換し、1.2%安まで急落して取引を終えました。それでも小幅高で寄り付いた東京ゴムの値動きからは、地合いの強さが感じられます。

 東京ゴムにおけるファンドなど外国商品先物取引業者経由の売り越し枚数は、この1カ月間で1万2000枚付近から8700枚付近まで減少しました。テクニカルを重視するファンドとしては、この1カ月間で東京ゴムが15円ほど上昇しましたので、それに合わせて売り越しポジションの手仕舞いを続けているようです。

 東京ゴムにおける投資家の買い越し枚数は、この1カ月間で1万1000枚付近から8000枚付近まで減少しました。東京ゴムの上昇を受けて、買い値付近まで上昇したところで手仕舞いを進める投資家が多いようです。

 ファンドの多くは、売り値近くまで上昇したことで手仕舞いを進め、投資家の多くは、買い値近くまで上昇したことで手仕舞いを進めているようです。過去2カ月間の東京ゴムは、175~195円付近での上下動を続けているので、売り方のファンドと買い方の投資家の勢力が拮抗しているように感じられます。その一方で当業者のポジションが買い越しを続けていることは注目でしょう。

 東京ゴムにおける商社など当業者のポジションは、昨年は1日たりとも買い越しに転じませんでした。当業者の買い越し枚数は、3月16日時点で31枚でしたが、昨日時点で958枚です。当業者のポジションは、投資家ポジションやファンドポジションから比べてばかなり少ないようですが、相場に与える1枚の重みが違うようです。ファンドや投資家のポジションは、その大半が反対売買による決済となります。しかし、商社など当業者のポジションは、納会で現物渡しや現物受けをする可能性が高いので、相場に与える1枚の重みが違ってくるようです。昨年は1日たりとも買い越しに転じたことのない当業者のポジションが買い越しに動いているだけに、東京ゴムに対して強気ポジションを継続するべきかもしれません。

米製油所稼働率と米原油在庫

原油市場

4月26日

原油市場

昨夜発表されたEAI週間石油在庫統計は、原油が200万バレル減予想に反して220万バレル増となりました。米原油生産は、4万6000バレル増の日量1058万6000バレルとなりました。原油在庫が減少予想に反して増加となりましたが、それでも下落しなかった昨夜のNY原油の値動きからは、地合いの強さが感じられました。特にイラン核合意の期限が5月12日に迫っているだけに、イランの原油輸出に対する懸念は続きそうです。

24日の米仏首脳会談でイラン核合意について話し合われました。そして、マクロン仏大統領は25日、「トランプ米大統領がイラン核合意から離脱すると思う。」と述べております。一方、米フォード核不拡散特別代表は25日、「2015年に締結されたイラン核合意について、米国は再交渉を認めておらず、核合意から離脱せずに現行の合意内容を補完することで欠点を補いたいと考えている。」と述べております。

米国は、イランに対してミサイル開発に関する厳しい条件を提示する可能性があります。米国が新たな条件を提示しても、イランがそれに合意するとは限りません。核合意に関して米国とイランとの話し合いが難航すれば、米国が単独でイランに対して経済制裁を再開させる可能性もあります。経済制裁を再開することになれば、イランの原油輸出減少が予想されるだけに、イラン核合意の行方がはっきりするまでは、原油市場が強含みで推移するのかもしれません。

トウモロコシ市場パート2

4月25日

トウモロコシ市場パート2

 中国関税総署が24日に公表した統計によると、3月の中国の米国産大豆輸入が前年同月比26.6%減の310万トンとなりました。一方、3月のブラジル産大豆輸入が前年同月比33.3%増となり、3月のロシア産大豆輸入が前年同月比で2倍超にまで急増しました。中国当局が米国産大豆への追加関税を課す可能性を警戒し、中国の大豆輸入商社の多くが輸入先を変更したようです。

米国が4月3日に総額500億ドル相当となる中国製品に対して25%の追加関税を発表し、それに対して中国は翌4日に総額500億ドル規模となる米製品に対して25%の追加関税を発表しました。中国の追加関税の品目に米国産大豆と米国産トウモロコシ製品が含まれておりました。これにより、中国の米国産大豆の輸入量は、大幅減少した3月よりも更に減少する可能性が高まってきました。そして、米国の追加関税の最終決定期限は6月上旬であり、中国の追加関税の最終決定期限は未定です。

現在の世界の大豆やトウモロコシの期末在庫見通しは、過去最高水準となる見通しであり、世界的に大豆もトウモロコシも余剰在庫が潤沢です。中国が米国産から南米産やロシア産に切り替える動きが更に拡大することも予想されるだけに、米国の大豆やトウモロコシの在庫が急増する可能性も高まってきました。それにより、シカゴ大豆やシカゴコーンが思わぬ急落となる可能性もあります。

天然ゴム市場パート2

4月25日

天然ゴム市場パート2

 上海ゴムは、前場のラスト30分間で0.1%高付近から0.8%高まで上昇して前場を終えました。上海鉄筋も前場のラスト20分間でプラス転換し、0.5%高で前場を終えました。中国の資源銘柄の多くは、寄り付き直後は小幅安でしたが、プラス転換して前場を終えました。上海総合株価指数は、一時0.7%安まで下落しましたが、0.3%安まで戻して前場を終えました。上海総合株価指数は、昨日が2%高と久々の大幅高となったので、本日前場は少しスピード調整となっているようです。

 上海総合株価指数は、2月下旬ごろから3300ポイント付近で横ばいを続けていましたが、米中貿易摩擦の高まりを受けて3月23日に大幅下落となりました。そして、4月17日に1年ぶりの安値を記録したあたりから、中国当局が景気テコ入れに動きだしました。中国当局は、先週17日に3年ぶりとなる銀行預金準備金比率の引き下げに動き、今週23日には、金融政策の計画を公表しました。

ここにきて中国当局が過去3年間で最も強い警戒シグナルを発したことに対してJZセキュリティーズのチーフエコノミストは、「穏やかさの下に潜むリスクが表面化するとの強い懸念があり、指導部の態度は大きく変わった。経済成長の安定化は15年以降で最も重視されている。」と述べております。そして、ナティクシスのシニアエコノミストは、「貿易・投資を巡る米国との緊張の不確実さを背景に、中国政府は先に定めた成長目標の達成の難しさを認識した。中国政府のトーンの変化は小さくはなく、相当なものだ。」と述べております。

中国当局は、自国の経済成長見通しに対して過去3年間で最も警戒を高めているようです。それにより、経済刺激策の投入が今後も増えそうです。そうした中国当局の経済成長目標を順守しようとする積極的な姿勢は、今後の中国関連銘柄の支援材料となりそうです。

昨日のタイ・バンコクのRSS3号現物価格がキロ当たり52.35バーツとなり、6カ月ぶりの高値水準まで上昇しました。これを円換算すると、52.35バーツ×3.463円=約181.3円となります。これに輸入諸経費をキロ当たり8円で計算すると、輸入採算価格が約189.3円となります。それに対して東京ゴム当限が9円ほど下回っております。輸入採算価格に対してここまで東京ゴムが割安換算となると、「東京ゴムの下値余地は小さい」と考えるべきかもしれません。そして、タイ・バンコクのRSS3号現物価格が現在と同水準にあった昨年10月上旬の東京ゴム先限は、210~215円付近で推移していたことも注目でしょう。

先週17日より中国政府が積極的な景気テコ入れに動き始めたことや、タイ・バンコクのRSS3号現物価格が6カ月ぶりの水準まで上昇してきたことを考えると、東京ゴムに対する積極的な押し目買いも一考かもしれません。
タイのRSS3号現物価格

トウモロコシ市場

4月25日

トウモロコシ市場

米農務省が週明けに発表しました4月22時時点での米国産トウモロコシの作付け進展は、前週比2%上昇の5%となり、過去5年平均の14%を下回りました。先週や先々週の低温の影響で、作付けを遅らせる農家が多かったようです。

ウエザーニュースによるシカゴの週間予報では、この先10日間の最高気温は15~27℃、最低気温は6~18℃です。27日が曇り一時雨の予報ですが、それ以外は晴れの予報です。10日予報を見ても、5月8日まで温暖で晴れ気味な天候が続く見通しです。この先10日間の降水量見通しは、60%が1日、40%が1日、30%が1日ありますが、それ以外は0~20%見通しですから、この先10日間で作付けがかなり進みそうです。また、十分な土壌水分と温暖な気候により、育成に理想的な天候が続きそうです。現在の10日予報を見る限りでは、売り方有利な展開となりそうです。

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

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