松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2018年06月

原油市場パート3「イスラエルとサウジアラビアの関係」

6月29日

原油市場パート3「イスラエルとサウジアラビアの関係」

イスラエルのネタニアフ首相と同国鉄道大臣は本日、イスラエルとサウジアラビアをつなぐ鉄道建設プロジェクト「平和の鉄道計画」を進めていくことで合意したことを報じています。この報道からも、イスラエルとサウジアラビアとの友好関係がかなり進んでいるようです。イスラエルとサウジアラビアをヨルダン経由でつなぐ「平和の鉄道計画」は、イスラエルとサウジアラビアの将来の両国間の協力を見据えたものであり、サウジアラビアとしては、紅海やスエズ運河、ホルムズ海峡経由のカイロに加えて、ハイファから地中海を越えて欧州市場とつながる重要なホットラインとなります。

 中東では、「サウジアラビアを中心としたイスラム教スンニ派政権国家」と「イランを中心としたイスラム教シーア派政権国家」との対立が紀元前より続いております。そして、ユダヤ教国家であるイスラエルと、サウジアラビアやイランなどイスラム教国家との対立も続いております。イスラム教内でもスンニ派とシーア派で対立し、ユダヤ教とイスラム教も対立しているのですが、ここにきてイスラエルとサウジアラビアの親交が深まってきた背景には、「イラン核合意におけるサンセット条項」が原因かもしれません。

 中東諸国の中でイスラエルだけが唯一の「核保有国」であり、その優位性を保持する為にイスラエルは、イランの核開発を空爆によりこれまで何度も阻止しようとしてきました。イランが核保有国となれば、イスラエルにとって脅威ですが、イランと敵対しているサウジアラビアなどイスラム教スンニ派政権国家にとっても脅威です。現在のイラン核合意には、一定期間後に核開発の制限を解除する「サンセット条項」が盛り込まれており、このままいけば、2025年以降からイランが核開発を再開することになります。それによりイランは、核開発の制限解除に向けて弾道ミサイルの開発を行っているのかもしれません。

サウジアラビアとしては、イランが核保有国となった時に備えて、既に核保有国であるイスラエルと今のうちに親交を深めようと考えているのかもしれません。しかも、「平和の鉄道計画」の完成によりサウジアラビアから欧州へ向けた鉄道ルートが完成すれば、サウジアラビアの経済発展にもつながります。一方、イスラエルがサウジアラビアなどイスラム教スンニ派政権国家との親交を深めれば、イランの核開発阻止に向けてイスラエルとイスラム教スンニ派政権国家による共闘体制が整います。これからは、トランプ政権がイランへの経済制裁を強め、それにイスラエルやサウジアラビアなどが協力する体制がより鮮明となるのかもしれません。

天然ゴム市場パート2

6月29日

天然ゴム市場パート2

 本日の上海総合株価指数は、朝方一時0.1%安まで下落して年初来安値を更新しましたが、その後は上昇を続け、2.2%高の2847ポイントまで上昇して取引を終えました。上海総合株価指数は、過去10営業日中7営業日で年初来安値を更新し、先月22日から9%ほど下落しました。しかし、本日が2.2%高となり、下落トレンドが変化した可能性も出てきました。ドル元が週明けから5日連続で年初来高値を更新し、今月14日時点の1ドル=6.40元付近から2週間ほどで6.64元付近まで大きく上昇し、中国人民銀行の元安誘導により中国株の下落基調にブレーキがかかり始めたようです。

 シンガポールゴムRSS3号は、今週26日に144.5セントまで下落して年初来安値を記録しましたが、その後は4日連続で上昇し、本日16時時点で148セントです。シンガポールゴムRSS3号は、2016年6月の安値(144セン)と2017年11月の安値(145セント)と今週26日の安値(144.5セント)でトリプルボトムを形成する可能性も出てきました。

2016年6月に東京ゴムが143円まで下落した時のシンガポールゴムRSS3号の安値が144セントであり、今週26日の安値が、シンガポールゴムRSS3号で144.5セント、東京ゴムで170.2円です。そして、ドル円は、2016年6月当時が98円附近であり、現在は110円付近で推移しております。そうしたドル円の大きな変化を考慮すると、ここは、ドル建て銘柄であるシンガポールゴムRSS3号のテクニカルを重視する必要があるのかもしれません。
シンガポールゴムRSS3号の日足

 

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トウモロコシ市場

6月29日

トウモロコシ市場

 東京トウモロコシは、3日連続で小幅高となっておりますが、昨日のシカゴコーンは、7月限で345セントまで下落し、今月19日に記録した年初来安値まであと7セントに迫りました。そして、9月限も19日に記録した年初来安値まであと6セントに迫りました。シカゴコーンは、5月末から続く下落トレンドが続いております。 

 米農務省から今夜、2018年の米国産大豆や米国産トウモロコシの作付面積と四半期在庫の発表が行われます。それを受けて週明けの東京トウモロコシが大きく動く可能性もあります。

 ウエザーサービスによる天気予報では、この先2週間は晴れがちな天候が続く見通しです。この先1週間は最高気温が36~37℃まで上昇する日が4日ほどあるものの、その後の1週間は涼しい日が続く見通しです。この先2週間の降水確率予報は、40%が1日、30%が1日、20%以下が10日間となっており、雨不足気味な天候が続く見通しですが、現在の土壌水分が潤沢であるだけに、米国産トウモロコシの育成に適した天候となりそうです。しかし、7月後半も雨不足が続くようでは、受粉障害により受粉率が低下する可能性もあります。

天然ゴム市場

6月29日

天然ゴム市場

 本日の上海総合株価指数は、朝方に一時0.1%安まで下落して年初来安値を更新しましたが、その後はプラス転換して上げ足を強め、14:50時点で1.7%高付近まで上昇しております。しかし、上海総合株価指数は、過去10営業日中7営業日で年初来安値を更新しており、下落トレンドが続いております。

 上海ゴムは、今月19日に1万50元まで下落して年初来安値を記録しましたが、その後は、緩やかなじり高基調を続けており、現在は1万580元附近まで上昇しております。一方、東京ゴムは、今月26日に170.2円まで下落して年初来安値を記録しましたが、26日から4営業日連続で上昇しており、現在は176円付近です。東京ゴムのテクニカルは、転換し始めているように見えます。


東京ゴムの日足


 

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原油市場パート2

6月29日

原油市場パート2

複数の石油関係者によると、インド石油・天然ガス省は同国内石油精製各社に対し、11月からイラン産減原油輸入の大幅な削減、または停止への対応を準備するように要請したことが伝えられております。米国によるイラン産原油輸入停止要請にインド政府が賛同したのは今回が初めてです。インドは、イラン産原油輸出(日量250万バレル)の18%にあたる日量45万バレルをイランから輸入しております。

 世耕弘成経済産業相は29日の閣議語会見で、「イランとの関係は重要で、今後の協議で日本の立場をしっかりと主張していく。エネルギー安定供給に重大な影響が出ないよう、米国を含む関係国と協議する。」と述べ、米国のイラン産原油輸入停止要請に対して中立的な立場を主張しました。日本は、イラン産原油輸出(日量250万バレル)の5%にあたる日量12万5000バレルをイランから輸入しております。

 米国のイラン産原油湯集停止要請に対して、意外にも日本が中立姿勢を主張し、インドが賛同しました。11月以降からイラン産原油輸出が減少することになりそうですが、それまでにサウジアラビアやロシア、米国がどれだけ増産できるかも注目でしょう。

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原油市場

6月29日

原油市場

 米国務長官は昨日、「11月4日までにイラン産原油の輸入国をできるだけゼロにするため、輸入国との協力が焦点となる。輸入を削減する国々とケースバイケースで協力する用意がある。」と述べました、この発言に反応して昨夜のNY原油は、一時74.03ドルまで上昇しました。現在のNY原油の電子取引は、73.3ドル付近で推移しております。米国務省高官が同盟国に対してイラン産原油輸入を停止するように呼びかけたことが今週26日に伝わり、この3日間でNY原油が6ドルも上昇しました。

 米代表団は27日、国連安全保障理事会において、同盟国に対してイランの中東での悪行を説明し、イランへの経済制裁に賛同するように求めました。特にイランがイエメンのフーシ派に大量の弾道ミサイルを輸出して中東の平和を乱していると説明しました。それに対してEU代表は、「実効的なイラン核合意の破棄は、その他の問題を議論する適当な機会を与えていない。」と述べ、イラン核合意から勝手に離脱した米国が、今もイラン核合意を順守している同盟国に対して、イランへの経済制裁に参加を求めることは場違いであると厳しく指摘しました。また、フランス代表は、「イラン核合意の完全な適用が中東での大量破壊兵器拡散防止上不可欠である。」と指摘し、国際社会にイラン核合意を実行するように呼びかけました。国連安全保障理事会で米国がイランへの経済制裁に参加するように同盟国に呼びかければ呼びかけるほど、米国の孤立が深まっていくように感じられます。

 ブレント原油とNY原油の価格差は、今月19日時点で10ドルほどでしたが、現在は4ドルほどにまで急速に縮小しております。たった7営業日で両原油価格の差が6ドルも縮小しました。米国務省高官が同盟国に対してイラン産原油輸入を停止するように呼びかけたことでNY原油が大幅高となりましたが、ブレント原油はNY原油ほど大きくは上昇しませんでした。この差は、NY原油が上場されている米国の投資家心理と、ブレント原油が上場されている欧州の投資家心理の違いによるものかもしれません。27日の国連安全保障理事会で米国代表が同盟国に対してイラン産原油輸入停止を呼びかけましたが、米国代表と欧州代表との意見の隔たりの大きさが感じられるような展開となりました。そうした反応から、たった7営業日で両原油価格の差が6ドルも縮小した背景が理解できるのかもしれません。
NY原油の日足
ブレント原油の日足

 

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原油市場パート3

6月28日

原油市場パート3

 本日の上海総合株価指数は、朝方の寄り付き直後に年初来安値を更新しましたが、前場後半でプラス転換しました。しかし、後場から再びマイナス転換となり、後場後半で再び年初来安値を更新しました。上海総合株価指数は、3営業日連続で年初来安値を更新し、これまで9営業日中6営業日で年初来安値を更新しました。中国人民銀行は、対ドルでの人民元の基準値を昨日まで6営業日連続で引き下げました。この2週間でドル・人民元が1ドル=6.4元付近から6.62元付近まで大幅な元安進行となりましたが、それでも中国株の下落が止まらないことは注目でしょう。

 NYダウ先物は、14時ごろに90ドル高付近まで上昇しましたが、先ほどからマイナス転換となりました。NYダウは、今月11日の高値から1280ドルほど下落しており、米中貿易摩擦の高まりが米国株をかなり圧迫し始めているようです。今後更に国株や中国株の下落ペースがまれば、「世界経済成長の鈍化懸念」の高まりを受けてコモディティー銘柄が急落する可能性もあります。

トルコのゼイべグジ経済相は昨日、「米国の決定は、トルコに対する拘束力を持たない。拘束力を持つのは国連の決定だ。友好国で兄弟国であるイランがこの問題で不当に扱われないよう注意を払う。」と述べ、米国のイラン産原油輸入停止の要請に従わない姿勢を示しました。更に、中国外務省も昨日、「中国とイランは国際法の枠組みの中で正常な交流と協力を維持している。非難される余地はない。」と述べ、米国の要請に応じない姿勢を示しました。そして、インドのスワラジ外相も、「国連による制裁措置のみを順守する。」と述べ、米国の要請に応じない姿勢を示しております。トルコと中国とインドによるイラン産原油輸出に対する割合は、51%です。欧州諸国の意向に反した米国の対イラン経済掲載に対して、欧州諸国の多くが米国のイラン産原油輸入停止の要請に応じないと見られております。国連安全保障理事会決議や欧州諸国の意向に反した米国の呼びかけに賛同する国は少なそうです。

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