松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2018年07月

白金市場

7月31日

白金市場

 南ア国営電力会社のエスコムは、全国の施設でピケを実施している労働者により、今週の電力平均配分への危険性が高まっていることを伝えております。ピケとは、施設に見張りを置き、他の労働者へのストライキ参加の促進等をする行為です。エスコムでは、労使交渉が2カ月間も続いており、先週27日の労使交渉でボーナス支払いの交渉について決裂しました。エスコムは今週30日、「ピケ活動による脅迫や破壊活動、職場への接近の妨害行為のために、いくつかの発電所で影響を受けた。」と公表しております。そして、「電力平均分配の危険性が高まっております。」と伝えております。

 エスコムでのストライキは、南ア政府による法律で禁止されております。これは、電力会社でのストライキは南ア経済に与える影響が大きすぎるからです。それだけに、ストライキが発生すれば、大量の電力が必要となる白金鉱山の多くが稼働停止に追い込まれる可能性も高まります。

環境問題を考慮して中国政府が石炭の生産量削減策を実施しており、それを受けて大連コークスは、この2年間で4倍ほどにまで高騰しました。それにより石炭価格が世界的に大幅上昇しました。南アの電力発電は石炭発電に依存していることから、石炭価格の高騰がエスコムの経営を大きく圧迫することになりました。しかも、南アのインフレ率が5.26%まで上昇していることにより、5%程度の賃金アップであれば、実質的には賃金据え置きに等しいことになります。2カ月間もエスコムの労使交渉が続きましたが、とうとう今週になってエスコムの電力平均分配への警戒が高まっております。エスコムからの電力平均分配が減少する事態になると、安全面を考慮して稼働停止させる白金鉱山が増える可能性もあります。

南アの金や白金の鉱山は、世界的に歴史が最も古いのが特徴であり、30~40年ほど前であれば、世界の金や白金の生産のほとんどが南ア鉱山によるものでした。それにより今では、掘削現場の深度が深いところで地下2500m付近にまで達します。それにより、深い作業現場では地熱も高く、普通の状態では掘削作業することは出来ません。それを解決する為に地上で大量の氷を精製し、大量のクラッシュアイスを地下に投入して掘削現場の温度を下げます。また、深い作業現場では、エレベーターで降りるのに1時間ほどかかるそうです。更に、大量の空気を地下の作業現場に送り込む必要があります。そうした南ア白金鉱山の構造により、南アの白金採掘には、大量の電気が必要とされます。ここでエスコムからの電力平均配分へのリスクが更に高まることになれば、「南ア白金鉱山の稼働停止の可能性」に反応してNY白金が大幅高となる可能性もあります。ここは、東京白金に対して強気な見方も一考ではないでしょうか。

天然ゴム市場パート2

7月31日

天然ゴム市場パート2

格付け会社のムーディーズは本日、「米中貿易戦争が2018年に更に拡大し、グローバル成長に影響を及ぼす可能性がある。貿易制限が2019年の中国成長の減速に繋がり、中国の実質GDPを0.3~0.5%引き下げ、米国の経済成長も0.25%引き下げる。輸入された自動車・部品に対する関税および他国の報復は、世界の自動車産業に悪影響を与える。」と指摘しております。中国は、世界の天然ゴム需要の約34%を占めるだけに、米中貿易摩擦が解決するまでは、上海ゴムは安値低迷する可能性もあります。しかも、11月の米中間選挙に向けてトランプ大統領が「アメリカ・ファースト」的な姿勢を更に強め、米中貿易摩擦が更に強まる可能性もあります。

しかし、トランプ大統領の態度が11月の米中間選挙の後に大きく変化する可能性もあります。今回のメキシコ大統領選挙で勝利したオブラドール氏は、メキシコ大統領選に向けて徹底した反米主義を主張して支持率アップに努めたことにより米国との関係が悪化し、米国とのNAFTA交渉も難航し、メキシコペソ安が2カ月間も続きました。しかし、大統領選で勝利した直後から積極的に親米主義を主張しており、露骨なまでの態度を急変したことで米国とのNAFTA交渉が進むとの観測から、メキシコペソ高が1カ月半も続いております。同じ政治家としてトランプ大統領も11月の米中間選挙に向けて徹底した「アメリカ・ファースト」的な態度を示し、それにより米中貿易摩擦が更に強まることも考えられます。しかし、オブラドール氏と同様にトランプ大統領も11月の米中間選挙で勝利すれば、米中間選挙後からそれまでの「アメリカ・ファースト」的な姿勢を大きく変化させる可能性もあります。

今回の米国の中国に対する追加関税に多くのゴム製品が含まれていたことは気になります。これが実施されれば、中国の米国へのゴム製品の輸出も減少します。格付け会社のムーディーズも「米中貿易戦争が2018年に更に拡大する」との見通しを示しているだけに、米中貿易摩擦が沈静化に向かうまでは、天然ゴム価格も低迷を続けるのかもしれません。

トウモロコシ市場

7月31日

トウモロコシ市場

 米農務省から昨夜発表されました週間作柄・育成進展状況では、米国産トウモロコシの優と良の占める割合が前週比変わらずの72%となり、前年を11%上回り、過去5年平均も11%上回りました。シルキング率は、前週比10%上昇の91%となり、過去5年平均を9%上回りました。ドウステージ率は、前週比20%上昇の38%となり、過去5年平均を17%上回りました。ドウステージとは、トウモロコシの粒のミルク状の中身が徐々に柔らかい固まりになってゆく過程です。

今後の育成サイクルは、下記の通りです。

・デントステージ:ドウステージから約3週間たつと実に窪みができる段階に入ります。デントステージもドウステージ同様に固まっていく過程です。

・成熟:デントステージから約2週間でトウモロコシの成熟は完了します。ただし、成熟しても穀粒の中の水分はまだ高く20%以上です。この水分量が5%程度に低下すれば、収穫開始となります。

 米国産大豆の優と良の占める割合は前週比変わらずの70%となり、前年を6%上回り、過去5年平均を9%上回りました。着さや率は前週比16%上昇の60%となり、前年を15%上回り、過去5年平均を19%上回りました。

 米国産トウモロコシと米国産大豆の今年の育成状況は、豊作となった昨年より良好な状態が続いております。

 米国産トウモロコシの1エーカー当たりの単収推移は、2015~2016年度が168.4ブッシェル、2015~2016年度と2016~2017年度が174.6ブッシェルとなり、豊作が続いております。そして、米農務省が今月12日に発表した需給報告では、米国産トウモロコシの1エーカー当たりの単収予想が176.6ブッシェルとなり、このままいけば「過去最高の単収」を記録することになります。

 米国産トウモロコシの1エーカー当たりの単収は、1960年頃で60ブッシェル程度、1990年頃で120ブッシェル程度でしたが、2006~2017年度で初めて160ブッシェルを超え、遺伝子組み換え作物の普及により単収が大幅に上昇しました。

しかし、2010~2011年度が不作となり、1エーカー当たりの単収が120ブッシェル付近まで低下し、シカゴコーンも8ドル付近まで大暴騰することになりました。シカゴコーンは、2008年と2011年と2012年が不作となって8ドル付近まで大暴騰しました。

その反面、昨年まで4年連続で豊作となり、シカゴコーンが4年連続で3~4ドル付近で推移しております。昨年までの豊作の年のデータを参考にすると、今年も豊作となれば、8月下旬~9月上旬頃に年初来安値を記録する可能性があります。

シカゴコーンの週足

 

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天然ゴム市場

7月31日

天然ゴム市場

 中国国家統計局から先ほど発表された7月の製造業PMIは、51.3ポイント予想に対して51.2ポイントとなり、2カ月連続で低下しました。上海総合株価指数は、11:10時点で0.3%安となり、5営業日連続で記事安基調となっております。上海ゴムは、11:10時点で1%安です。

東京ゴムは、当限と先限や安く中限が高い「ひょっとこさや」を形成しております。「ひょっとこさや」とは、当限が需給を反映して安くなり、先限が投機人気の低迷を反映して安くなることで、当限と先限や安く中限が高いさやの形状となり、地合いが悪い時に出現するさやとされております。

その反面、当限と先限が高く中限や安い「おかめさや」は、当限が需給を反映して高くなり、先限が投機人気の高まりを反映して高くなることで、当限と先限が高く中限が安いさやの形状となり、地合いが強い時に出現するさやとされております。

 東京ゴムは、増産期限月となる1月限が先限となった事により、発会後から12月より下さやを続けております。そして、「おかめに売り無し、ひょっとこに買い無し」という商品相場特有の相場格言もあります。

 

中国の製造業PMI

原油市場

7月31日

原油市場

 昨夜の原油市場は、先週からの流れを引き継いで上昇しました。ブレント原油は、7月18日よりじり高基調を続けており、9営業日で2ドル上昇しました。しかし、9営業日かけたじり高基調で2ドル程度しか上昇出来ないことにより、上値の重さも感じられます。

 ロイターが30日に公開したOPECの7月の産油量は、前月比7万バレル増の日量3264バレルとなりました。OPECによる減産順守率は、5月時点で160%を超える場面もありましたが、7月下旬で111%まで低下しました。前月からの増加量は、サウジアラビアで日量5万バレル、クウェートで日量8万バレル、UAEで日量4万バレルとなりました。一方、イランは、前月より日量10万バレル減少しました。政治的解決によりリビア東部石油港からの原油輸出が再開したために、今後のリビア東部石油港からの輸出量増加に注目かもしれません。

 トランプ大統領は30日、北朝鮮の金正恩労働党委員長と会談したことを引き合いに、「私はだれとでも会う。会談することに問題はない。私は核合意を終わらせたが、イランも最後には会いたくなるだろう。」と述べ、イランのロウハニ大統領との首脳会談に「前提条件なし」で応じる用意があることを表明しました。それに対してイランのロウハニ大統領の顧問は30日、「イランの国家としての利権を尊重し、対話を和らげて核合意に戻ることで、イランと米国間の協議に向けた困難な工程への道を開くことが出来る。」と述べ、イランと協議するには欧米など先進6カ国が2015年に締結した核合意に戻るべきだとの認識を示しました。トランプ大統領がロウハニ大統領との対話の可能性を示したことにより、両国間の緊張が少し緩んだようにも感じられます。

 米調査会社のジェンスケープのデータで米クッシング原油在庫の増加が示されましたので、明日発表されるAPI週間石油在庫統計やEIA週間石油在庫統計でクッシング原油が増加発表となる可能性も高まってきました。それにより、明日に向けての原油市場は軟調地合いとなるのかもしれません。

天然ゴム市場パート2 

7月30日

天然ゴム市場パート2 

 上海ゴムは、今朝から1%高付近で横ばいを続けていましたが、15時半ごろから下落に転じ、0.5%高で取引を終えました。プラスサイドで推移していた上海総合株価指数が15時半ごろに0.8%安付近まで急落したことを受けて上海ゴムの地合いも弱まったようです。

タイの北東部に隣接するラオスで23日、建設途中の水力発電用ダムが決壊して広範なエリアが水没しました。ラオス当局の発表では、26人が死亡し、行方不明者131人、住居の浸水で避難を余儀なくされた人は約6600人に達したことも報告されております。タイ電力会社は、数日間豪雨が続いて貯水量の限界を超えたことが決壊の原因と説明しております。それを受けてタイの軍隊が救援に向かう準備を進めているそうです。タイ東北部周辺での洪水被害が警戒されて週明けの天然ゴム価格が小幅上昇したようです。しかし、タイの天然ゴム生産の大部分が同国南部に集中しており、天然ゴム生産に対するタイの被害は軽微だと思われます。それでもラオスやベトナム、カンボジアで複数の洪水被害が発生しているので、天然ゴム生産への被害が全くないわけではなさそうです。それでも週明けの日中取引で、東京ゴムが1.6円高、上海ゴムが0.5%高で取引を終えており、こうした東京ゴムや上海ゴムの反応の鈍さからも、天然ゴム市場の地合いの悪さが感じられます。


原油市場パート3

7月30日

原油市場パート3

米製油所大手のフィリップス66の4~6月期決算は、調整後利益が前年同期比で2.3倍となる13億2000万ドル(1株あたり2.8ドル)となりました。また、同行のマラソン・ペトロリアムとバレロ・エナジーの4~6月期決算も市場予想を大幅に上回る企業利益となりました。

 石油大手の米エクソン・モービルの4~6月期決算は、純利益が前年同期比17.9%増の39億500ドル(約4380億円)となりました。そして、4~6月期の設備投資&調査支出は、前年同期比68.8%増の66億2700万ドルとなりました。一方、米石油大手のシェブロンの4~6月期決算は、純利益が前年同期の2.4倍となる34億900万ドル(約3800億円)となりました。

 今回の4~6月期決算発表では、企業利益が大幅増加となったエネルギー関連企業が続出しております。昨年4~6月期のNY原油が45~55ドル付近で推移しており、今年の4~6月期のNY原油が62~72ドル付近で推移しているので、企業利益が大幅増加した企業が続出したことも当然の事かもしれません。また、今年の1~3月期のNY原油が58~65ドルで推移しているので、4~6月期の企業利益が1~3月期を上回ることも当然かもしれません。

4~6月期のS&P500種採用企業の1株利益予想は、セクター全体の平均では20%増ですが、1位がエネルギー・セクターの132%増であり、他のセクターをはるかに凌ぐ増益見通しです。予想通りに四半期決算発表で企業利益が大幅増加したエネルギー関連企業の多くは、生産目標や設備投資の増加計画を発表することになりそうです。
1株利益予想

白金市場

7月30日

白金市場

ING銀行やコメルツ銀行、マッコーリー・グループは共に、白金価格が底入れした可能性が高いと指摘しております。そして、ING銀行やコメルツ銀行、マッコーリー・グループは共に年末までに900ドルまで上昇し、来年中に1000ドルを超えるとの見通しを発表しております。

ING銀行のストラジテストであるヌージェント氏は、「CFTCのデータと短期間で急上昇しているのを見ても分かるように、売りポジションが極端な状態にあり、リバウンドする可能性が高い。」と指摘しております。NY白金におけるファンドポジションは、14年ぶりの売り越しに転じております。

 NY白金におけるファンドポジションは、6月19日時点で14年ぶりの売り越しに転じ、5週間連続で売り越しが増加し、7月17日時点で売り越し枚数が9644枚まで増加しました。しかし、先週末の発表では、売り越し枚数が前週より売り越し枚数が1528枚減少して8116枚となりました。

 昨年度の南ア白金鉱山の平均的な生産コスト(キャッシュコスト)は、1オンス当たり834ドルであり、現水準では南ア白金鉱山の半分ほどがコスト割れに陥っているとされております。それに対してNY白金は、7月3日時点で796ドル、7月19日時点で798ドルまで下落する場面もありました。そして先週末の終値が826ドルです。NY白金は、生産コストとされる水準を今月2日から割り込んでいますが、800ドルを僅かに割りこむところが下限となっていることからも、下値は限定的と考えるべきかもしれません。
NY白金におけるファンドポジション

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ColumnAward 2015特別賞

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