松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2018年07月

天然ゴム市場

7月30日

天然ゴム市場

 週明けの天然ゴム市場は、産地の洪水観測に少し反応して小幅高となっているようです。今回の台風による洪水は、カンボジアやベトナムでも発生しており、タイ北部でも洪水が発生しました。

 天然ゴム主生産国のタイでは、天然ゴムの大半が南部で生産されており、今回の同国北部での洪水では、天然ゴム生産に対する被害はほとんどなかったようです。それでもカンボジアやベトナムの洪水を考えると、幾分かの被害はあったのかもしれません。

天然ゴム生産国協会(ANRPC)が発表しました「世界の天然ゴム需給統計」では、今年前半(1~6月期)の世界の天然ゴム需要が前年同期比5.0%増の696トン、世界の天然ゴム生産が前年同期比4.5%増の621.4万トンとなり、1~6月期の世界需給が「74.6万トンの供給不足」となったことを報告しております。今年前半の需給動向を参考にしてANRPCが発表した「2018年の世界の天然ゴム需給展望」は、世界供給が前年比5.2%増の1404万トン、世界需要が前年比5.7%増の1411.6万トンとなり、「7.6万トンの供給不足」となる見通しを発表しました。「7.6万トンの供給不足見通し」という内容であれば、今年の天然ゴムの世界需給は、「需要と供給がほぼ均等する」ということになりそうです。

今年前半の「世界の天然ゴム需給」は供給不足となりましたが、それに反して米中貿易摩擦の高まりや中国の天然ゴム在庫の増加などが天然ゴム価格を圧迫し、シンガポールゴムが過去3年間の最安値付近まで下落しました。最近の東京ゴムや上海ゴムは、需給関係を無視して下げ過ぎているのかもしれません。しかし、「相場は人気7分に材料3分」という相場格言もあり、最近の天然ゴム相場では、需給関係を売り人気が上回っているのかもしれません。

先週末時点での東京ゴムにおけるファンドなど外国商品取引会社経由のポジションは、売り玉2万1340枚、買い玉6267枚となり、「1万5073枚の売り越し」となっております。東京ゴム市場の取組高が3万5873枚ですから、東京ゴム市場の売り玉の約60%がファンドなど外国商品取引会社経由の売り玉となっている状態です。ファンドなど外国勢の売り越し枚数は、近年最高水準で1カ月ほど前から横ばいとなっております。そろそろ海外ファンド勢の売り進みにも限界に来たのかもしれません。
東京ゴムのファンドポジション

トウモロコシ市場

7月30日

トウモロコシ市場

 ウエザーサービスによるシカゴの天気予報では、8月12日までの最高気温は、24℃~31℃となっております。これでは、今年度の高温による米国産トウモロコシの受粉障害への心配をする必要はなさそうです。それにより、8月になれば更に豊作観測が高まって天候プレミアムが無くなり、シカゴコーンが更に下落する可能性もあります。

 2017年のシカゴコーンは、高温による受粉障害懸念で7月に4ドル付近まで上昇しましたが、受粉障害もなかったことで豊作観測が高まって天候プレミアムが低下し、8月下旬に3ドル28セントまで下落しました。

2016年のシカゴコーンは、天候不安により6月下旬に4ドル30セントまで上昇しましたが、その後は豊作観測の高まりと共に天候プラミアムが低下して3ドル1セントまで下落しました。

 2015年のシカゴコーンは、天候不安により7月に7ドル39セントまで上昇しましたが、その後の天候回復で豊作観測が高まり、天候プレミアムが低下して8月に3ドル46セントまで下落しました。

 2015~2017年のシカゴコーンは、天候プレミアムの高まりと共に6月下旬~7月に高値を付けましたが、その後は、豊作観測の高まりで天候プレミアムが低下し、8月には年初来安値付近まで大きく下落しております。今年は、豊作だった昨年以上に良好な作柄となっているだけに、豊作観測の高まりで天候プレミアムが低下し、昨年8月の安値(3ドル28セント)付近まで下落する可能性もあります。先週末のシカゴコーンは、3ドル62セントです。

 

 シカゴコーンの週足

 

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原油市場パート2

7月30日

原油市場パート2

石油大手の米エクソン・モービルの4~6月期決算は、純利益が前年同期比17.9%増の39億500ドル(約4380億円)となりました。そして、4~6月期の設備投資&調査支出は、前年同期比68.8%増の66億2700万ドルとなりました。一方、米石油大手のシェブロンの4~6月期決算は、純利益が前年同期の2.4倍となる34億900万ドル(約3800億円)となりました。4~6月期の設備投資&探査支出は、米国内で前年同期比36.3%増となりました。今後も良好な4~6月期決算発表を受けて原油生産と設備投資の拡大計画を発表する石油メジャーは増えそうです。

 2011年当時は、WTI原油が1バレルあたり100ドル付近、シェールオイルの生産コストが80ドル付近であり、市場価格と生産コストとの価格差は1バレルあたり20ドル程度でした。しかし、現在は、WTI原油は69ドル付近、シェールオイルの生産コストが43ドル付近であり、市場価格と生産コストとの差が26ドル程度あります。米シェールオイル開発企業としては、WTI原油が100ドル付近で推移していた2011~2013年当時より現在の方が高い収益となっているようです。

 米国のシェール油田と従来型油田(自噴型油田)を合わせた原油生産コストは、2016年時点で36ドル20セント(EIAのデータ)ですが、米原油生産の6割ほどを占めるシェールオイルの生産コストは43ドル程度とされております。1バレル当たりの原油生産コストは、2016年時点でロシアが17ドル20セント、ブラジルが48ドル80セント、カナダが41ドル、中国が29ドル90セントです。そして、サウジアラビアが9ドル90セント、イラクが10ドル70セント、UAEが12ドル30セント、イランが12ドル60セントです。しかし、サウジアラビアやイラク、イランなどの中東産油国の原油生産に対する「財政均等価格」は、バレル当たり60~80ドル付近とされております。それにより中東産油国の多くは、財政均等価格までの原油価格の上昇を望んでおります。しかし、米国やカナダ、メキシコなど財政を原油生産に依存していない産油国は、増産体制をさらに強めることも予想されます。

原油市場

7月30日

原油市場

 先週の原油市場は、週の前半でイランによるホルムズ海峡封鎖懸念が高まり、後半でイエメンのフーシ派によるサウジアラビアの石油タンカーへのロケット砲攻撃によって紅海のバブ・エルマンデブ海峡封鎖懸念が高まりました。それでも原油価格が1週間で1ドル50セント程度しか上昇出来なかったことにより、原油市場の地合いが悪化しているようにも感じられました。

 メキシコ時期大統領のオブラドール氏は27日、国内原油生産を現行の日量190万バレルから250万バレルに引き上げる計画を明らかとしました。メキシコ国営石油会社のペトロブラスは、リオデジャネイロ沖の海底油田1基の生産を4月から開始しており、更に1基の生産を10~12月からから開始する予定となっております。海底油田は、開発に時間がかかる反面、油田寿命が長いとされております。メキシコの日量60万バレルの増産計画は注目でしょう。

 日量80万バレルの原油輸出を誇るリビア東岸からの石油輸出が再開されたことや、米国政府が米戦略石油備蓄在庫の放出の検討に入った事、そして、4~6月期の好決算発表と原油高により原油生産や設備投資の拡大計画を発表する石油メジャーが増えてきた事などが原油市場を圧迫し始めております。それに加えてメキシコが増産計画を発表してきたことも気になります。「値は荷を呼ぶ」という商品相場特有の格言もあり、原油価格の高騰が世界的な増産を招くのは、避けようがないのかもしれません。

 

原油市場パート4

7月27日

原油市場パート4

 NY原油は、昨年8月より30ドルほど上昇しました。この1年間の原油市場の上昇トレンドを支えた最大のファクターは、「ベネズエラの減産」と「リビアの輸出量減少」でしょう。米国が昨年8月よりベネズエラに経済制裁を実施しており、同国の原油生産が1年間で日量100万バレルも減少しました。そして、リビアの原油生産は、政治的問題により同国東部からの原油輸出が停止し、この半年間で原油輸出が日量80万バレルも減少しました。ベネズエラとリビアの問題で日量180万バレルもの原油生産が減少したのですから、この1年間の原油価格の上昇も頷けます。しかし、リビアでは、今月11日になって政治的問題が解決し、同国東部からの原油輸出が再開しました。これでベネズエラ東部からの日量80万バレルの原油輸出が回復することになりました。

米石油大手のコノコ・フィリップスのCFO(最高財務責任者)は今週26日、「原油価格が65ドルとなれば、同社の2018年のキャッシュ・フロー創出存在力が120億(約1兆3320億円)を超える。」と述べております。そして、同社が20億ドルの調停金を巡りベネズエラと協議していることを明らかとしました。この協議が解決すれば、ベネズエラの原油生産が大幅増加する可能性も高まります。しかも、コノコ・フィリップは26日、企業利益の大幅増加と原油価格の大幅上昇を受けて、2018年の設備投資と原油生産目標を引き上げました。

ベネズエラは昨年8月5日、カリブ海の4島に保有している資産をコノコ・フィリップが20億ドルの調停金の代わりに接収したことにより、同地区での原油輸出が停止しました。それから、20億ドルの調停金を巡る問題が続いております。コノコ・フィリップが接収した4島(アル―バ、セントエウスタティウス、ボナール、キュラソー)からの原油輸出量は、2016年時点で日量40万バレルでした。

ベネズエラのケペド石油相は先月22日、「失った生産を回復させるために、年内に原油生産を日量100万バレル拡大する能力がある。」と述べました。また、ベネズエラのマトゥド大統領は、「ベネズエラ国営石油会社が今年、日量100万バレルの増産を目指しており、必要なら、ロシアや中国、OPECの支援を求める。」と述べました。そして、コノコ・フィリップスの要人は昨日、同社が20億ドルの調停金を巡りベネズエラと協議していることを明らかとしました。

最近の原油高でコノコ・フィリップスのキャッシュ・フロー創出存在力が120億(約1兆3320億円)を超える状態にまでなっていることを考えると、今回のベネズエラとの協議で、「20億ドルの調停金」に対してある程度の妥協案で合意し、停止していたベネズエラの4島からの原油輸出が再開される可能性も高そうです。しかも、コノコ・フィリップスは昨日、2018年の設備投資と原油生産目標の引き上げを発表したばかりです。そして、ベネズエラ財務省は今月3日、産油量増加の為に中国国家開発銀行から2億5000万ドルの出資を受けることを発表しました。中国国家開発銀行からの出資とコノコ・フィリップスとの「20億ドルの調停金」が解決して、ベネズエラの原油生産が大幅に回復する可能性も高まってきたようです。

トウモロコシ市場

7月27日

トウモロコシ市場

 米農務省が今月12日に発表しました需給報告では、米国産トウモロコシの1エーカー当たりの単収予想が176.6ブッシェルでした。ちなみに米国産トウモロコシの昨年8月末に発表されたクロップ・ツアーによる単収報告では、1エーカーあたりの単収が167.1ブッシェルでした。今年は、豊作となった昨年以上に良好な作柄となっております。それにより、豊作確定となって天候プレミアムが剥げ落ちることになれば、シカゴコーンが昨年8月の安値(328セント)を割り込む可能性もあります。

 今年の米国産トウモロコシの1エーカー当たりの維持コストを過去5年の平均である683.88ドルで計算すると、1ブッシェル当たりの生産コストは、683.88ドル÷176.6ブッシェル=約387セントとなります。それに対して現在のシカゴコーンが361ドル付近で推移しているので、あと20セントほど上昇すれば、生産農家のヘッジ売りを大量に浴びる可能性も高まります。それにより、シカゴコーンの上値は限定的と考えるべきかもしれません。そして、昨年も8月に天候プレミアムが剥げ落ちて328セントまで下落したので、今年も8月に昨年以上の安値を形成する可能性もあります。

シカゴコーンの日足

 

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原油市場パート3

7月27日

原油市場パート3

 サウジアラビアのハリファ石油相は26日、バブ・エルマンデブ海峡経由の原油輸出をすべて一時的に停止することを発表しました。この発表の直後にイラン革命防衛隊のスレイマーニ司令官は、「米艦隊がいようとも、紅海は今後安全なルートではないとトランプに警告した。米国は戦争を始められるが、その終了は米国の手中にはない。」と述べております。また、アルジャジーラテネットは、「フーシ派によるサウジアラビアのタンカーに対するロケット砲攻撃は、米国の警告に対するイランの返答であり、この攻撃は世界の注目がホルムズ海峡に集まっていた状況を変えた。バブ・エルマンデブ海峡の重要性は、日量500万バレルの石油、液体ガスが同海峡を通っていて、世界の海上輸送の12%が通っていることにある。」とコメントしております。

イランのロウハニ大統領は22日、「トランプ大統領よ、獅子の尻尾で遊ぶな。後悔するだけだ。米国はイランとの和解があらゆる和解の母であり、イランとの戦争があらゆる戦争の母であることを知るべきだ。」と述べ、サウジアラビア東岸に位置するペルシャ湾のホルムズ海峡を封鎖する可能性を示唆する発言を行いました。そして、サウジアラビアのハリファ石油相は26日、フーシ派によるタンカー攻撃を受けて、サウジアラビア西岸に位置する紅海のバブ・エルマンデブ海峡経由の原油輸出をすべて一時的に停止することを発表しました。

イラン要人がペルシャ湾のホルムズ海峡封鎖を示唆するような発言をした数日後に、イランから武器提供を受けているフーシ派が紅海のバブ・エルマンデブ海峡でサウジアラビアのタンカーを攻撃しました。こうした一連の「ペルシャ湾のホルムズ海峡に関するイラン要人発言」と「紅海のバブ・エルマンデブ海峡でのフーシ派によるタンカーへの攻撃」が関連していると考える方が妥当かもしれません。バブ・エルマンデブ海峡でのフーシ派によるタンカー攻撃は、イランの米国に対する警告だと指摘しているアラブ関係者も多いようです。

今週の原油市場は、週の前半でペルシャ湾のホルムズ海峡問題が注目され、週の後半で紅海のバブ・エルマンデブ海峡問題が注目されました。それでも先週末の終値からNY原油とブレント原油が1.4ドル程度しか上昇していないだけに、原油市場の上値が重くなってきたように感じられます。しかも、サウジアラビアがすでに石油関連施設のセキュリティーを強化し、バブ・エルマンデブ海峡周辺の全ての石油輸送船に対して警備船を付けたので、事態の鎮静化に伴い原油市場が下落に転じる可能性もありそうです。

 

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