11月29日
金相場パート2
今後の米国経済や世界経済を占う上でも、12月1日の米中首脳会談の行方が重要となってきます。中国の習近平国家主席は28日、「経済面でわれわれは岐路に立っている。経済的なグローバル化と自由貿易を続けるかどうか、一国主義や保護主義に訴えるかどうかだ。」と述べ、12月1日に予定されている米中首脳会談での通商交渉の重要性を示唆しております。更に、「世界を正しい方向に発展させるよう、もっと前向きなエネルギーを傾け、より大きなコンセンサスを形成するため国際社会全体の協調と結束が必要だ。」と述べており、明日からのG20首脳会談で通商問題に対して国際社会全体の協調と結束を求める姿勢を示しております。
ペンス米副大統領は17日、APEC首脳会議開幕に先立ってAPEC・CEOサミットにて、「われわれはよくなることを望んでいるが、中国がやり方を改めるまで、米国は方針を変えない。」と述べ、トランプ政権がさらなる対中追加関税の発動に動くこともあり得ることを示唆しておりました。そして、18日のAPEC首脳会議では、通商問題による米国と中国の対立により、同会議として初めて首脳宣言で合意できないまま閉幕しました。
APEC首脳会談から10日ほどしか経過していないだけに、これまでの米国と中国の通商問題における対立がまだ続いている状態で明日からのG20首脳会談を迎えるので、12月1日の米中首脳会談では、「通商交渉が合意に達することは難しい」と考えるべきかもしれません。トランプ大統領は、今回の米中通商交渉が決裂すれば、2670億ドル規模(米国に輸出される中国製品の約50%)に追加関税を課すと明言しているだけに、今回の米中首脳会談で通商交渉が決裂してリスクオフの流れが強まる可能性に注目することも一考かもしれません。「リスクヘッジ志向の金投資」にとっては、今回の米中通商交渉の行方は重要です。