11月28日
天然ゴム市場
東京ゴムTSR20は、10月9日に新規上場された時の寄り付き値(163.6円)が最高値となり、11月21日に一時137.4円まで下落しました。新規上場の寄り付き値から1カ月半で26.2円も大幅下落したことになります。その間にブレント原油が28ドルほど下落し、米国株も大きく下落したことが天然ゴム価格の下落基調を加速させたようです。しかし、ここで原油市場が上昇基調に転じれば、東京ゴムTSR20も急反発する可能性も高まります。
ナイジェリアの石油相高官によると、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相とナイジェリアのカクチエネルギー相が日本時間で28日18時に共同会見を開くことが伝えられております。これまでの原油市場では、「サウジアラビアは、トランプ大統領の意向に逆らってまでOPEC総会で減産合意は出来ない。」との見方から急落しましが、本日の共同会見でサウジアラビアとナイジェリアの両エネルギー相が協調減産合意への姿勢を示すことになれば、原油市場が上昇基調を強める可能性も高まります。これまでの原油価格の暴落が天然ゴム価格を圧迫してきただけに、天然ゴム市場にとっては、本日18時以降の原油市場の値動きにも注目かもしれません。
ゴールドマン・サックスの11月26日付けのレポートでは、「G20首脳会議は、コモディティー価格反発のきっかけとなってもおかしくない。米中貿易摩擦が緩和され、OPECの減産方針についてより明確となる手掛かりが得られるからだ。」と指摘しております。そして、「ファンダメンタルズとの比較でコモディティーの価格が適正水準から大きく乖離し、今や金属だけでなく原油までもがコスト割れの位置で推移している点を踏まえると、原油や金、貴金属を買い持ちにする上で極めて魅力的ある市場参加の機会となっている。」とも指摘しております。天然ゴム市場にとっても。「G20が商品市場全体の上昇への起爆剤となる可能性」に注目かもしれません。
東京ゴムTSR20における商社などの当業者の売り越し枚数は、新規上場時より増やし続け、11月20日時点で589枚となりました。しかし、26日時点で344枚まで減少し、27日時点で292枚まで減少しました。タイ政府やインドネシア政府が天然ゴムの価格テコ入れに動き、タイの天然ゴム輸出大手5社がタイ政府の意向に賛同して最低価格を設定したことにより、東京ゴムTSR20における商社などの当業者の売り越し枚数が先週末あたりから急速に減少しております。こうした商社ポジションの急速な変化は注目でしょう。