松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2019年03月

白金市場

3月29日

白金市場

 南アフリカエネルギー規制当局は3月7日、電力価格の引き上げを承認しました。それを受けて南アフリカ国営電力会社のエスコムは、4月1日から電力料金を13.8%引き上げます。エスコムからの電力供給の30%が同国鉱山会社と金や白金の精錬会社に供給されるだけに、電力化価格の大幅上昇を受けて、南アフリカの金や白金の生産コストが大幅に上昇することになります。

南ア鉱山協議会のバクスター最高経営責任者は、「来週月曜からの電力価格の引き上げは、精錬所と同様にすべての鉱山労働者を傷つけることになる」と指摘しております。南ア評議会は、「9万人の金と白金鉱山労働者がリストラの危機にさらされる」と指摘しております。9万は、鉱山業界全体の19%に相当します。エスコムの負債総額が4300億ラント(約3兆2600億円)にまで膨らんでいるだけに、電力価格の引き上げは今後も続きそうです。そして、石炭による火力発電に依存している南アフリカでは、石炭価格が3年間で3倍近くにまで高騰した影響により、更なる電力料金の引き下げは避けられないと考えるべきかもしれません。

南ア白金鉱山のキャッシュコストの17%が電力代であり、南ア金鉱山のキャッシュコストの25%が電力代とされております。それにより、電力価格が4月1日から13.8%上昇するということは、南ア白金鉱山におけるキャッシュコストが1トロイオンス当たり2.3%(約20ドル)上昇する計算となります。それにより、これまでのNY白金の底値圏が20ドルほど引き上げられることになりそうです。

天然ゴム市場パート2

3月29日

天然ゴム市場パート2

 上海総合株価指数が15時時点で2.8%高まで急伸し、今月上旬に記録した年初来高値(3129ポイント)まであとあと1.7%に迫りました。本日から始まった米中通商協議が前進するとの見方が高まってきたようです。米中通商協議は来週も続き、中国の劉鶴副首相がワシントンを訪問し、米交渉団およびトランプ大統領と会談する予定となっております。今朝からの中国株の急騰を受けて、本日の中国の商品市場銘柄が全面高となってきました。今回の米中通商協議が前進することになれば、再び中国関連銘柄への注目が高まる可能性もあるだけに、上海ゴムなどの中国関連銘柄は今後も注目でしょう。

 北米トヨタのレンツ社長は昨夜、パウエルFRB議長が政策金利を現在の水準で当面維持すると示唆したことについて、「自動車販売の支援につながるという意味で正しい判断だ。」と述べました。3月の米自動車販売台数は、ここ1年半で最低となった2月並みの水準にとどまる見通しです。それは、自動車購入ローンが10年ぶりの水準まで高まっているからです。しかし、長期金利の大幅低下を受けて、自動車購入ローンの金利がこれから大幅に低下することになります。レンツ社長が述べたように最近の長期金利の大幅低下は、「自動車販売の支援につながるという意味で正しい判断」という事かもしれません。天然ゴムの9割が自動車などのタイヤに加工されるだけに、自動車関連銘柄でもある東京ゴムに注目かもしれません。

原油市場

3月29日

原油市場

 OPECプラスによる協調減産をめぐり、ロシアのOPECプラスからの離脱を食い止めるためにサウジアラビアが説得に苦労していることが、複数の関係者筋からの話として伝えられております。それによると、ロシアは現在、協調減産の9月末までの3カ月延長しか同意しておらず、年末までの延長は保証されていないそうです。関係者筋によると、ロシアのノバク・エネルギー相は今月、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相と会談した際にファリハ・エネルギー相に対して、「国内で減産中止の圧力が高まっているために、ロシアは6月の会合で延長に合意するが、期間は9月末までとなる。」と述べていたそうです。

 4月17~18日に予定されていたOPECプラスによる産油国会合は、ロシアの意向で中止となった経緯があります。OPECプラスによる年初から開始されている協調減産は、6月末で期限切れを迎えます。それにより、6月25~26日のOPEC総会で協調減産の延長が話し合われる予定となっております。ロシアが協調減産から離脱する可能性が高まってきた事により、原油価格が軟化する可能性もあります。ロシアが協調減産から離脱することになれば、現在実施されている協調減産の規模が25%ほど縮小することになります。そして、ロシアが協調減産から離脱することになれば、これまで2年3カ月間続けた協調減産の反動により、ロシアの原油生産が大幅増加に転じる可能性も高まります。

 

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後場市況1

3月29日

場市況1 昨夜のNYダウは、米中貿易摩擦が緩和されるとの見方が好感されて91ドル高となりました。そして、本日のNYダウ先物は、13:15時点で66ドル高です。本日の上海総合株価は、2.4%高まで急伸して前場を終えました。

 ムニューシン米財務長官は29日、北京で再開した米中通商協議について、「非常に生産的なワーキングディナーがあった。」と述べております。ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部代表らが28日に北京入りし、米中通商協議に向けたワーキングディナーが行われました。そして、翌29日は終日にわたり米中通商協議が行われます。クドロー国家経済会議委員長によれば、米中通商協議は来週も続き、中国の劉鶴副首相がワシントンを訪問し、米交渉団およびトランプ大統領と会談する予定となっております。それにより、来週にかけての米中通商協議が前進し、リスクオンの流れが強まることも考えられます。特に前場で上海総合株価指数が急騰しただけに、目先的にリスクオンの流れが強まりそうです。

トルコリラパート2

3月28日

トルコリラパート2

 トルコの翌日物スワップレートが22%からたった2営業日で330%まで上昇し、その翌日には一時1200%まで上昇するなど、かなり異常ともいえるほどの通貨防衛が行われているようです。

トルコの政府関係者は昨日、「政府の要請は選挙後も続く。こうした政策は長く続けられるものではなく、投機的な攻勢が続く10~15日で終わるものだ。」と述べ、トルコ政府が同国内の銀行に対してロンドン市場でのトルコリラの取引に応じないように命じる措置を31日の統一地方選挙後も続ける方針であることを伝えております。

トルコのエルドアン大統領が昨日、「明日、ソーシャルメディアのアカウントからのみフォローできるサプライズのプログラムがある。3月28日木曜日の12:00に、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムで会おう。」と述べました。トルコと日本との時差が6時間ですので、本日の日本時間の18時からのトルコリラの値動きには注意が必要かもしれません。

 

トルコリラ

3月28日

トルコリラ

 トルコリラの翌日物スワップレートが22%からたった2営業日で330%まで上昇したことは、昨日のFX市場で話題となりました。しかし、更に1200%まで上昇することとなり、本日のFX市場でも話題となっております。トルコ中銀が通貨流通量を絞ることで流動性不足が発生し、スワップレートが急上昇しました。こうなると、トルコリラに対する借入れコストがあまりにも高くなるので、トルコリラを売りにくくなります。それにより投資家の矛先がトルコリラからトルコの株式市場に向かい、イスタンブール100株価指数が昨日1日だけで5.67%も下落しました。また、同株価指数は、先週21日の水準から11%も下落しております。

 トルコの統一地方選が3月31日に控えており、それに向けての思惑が交差しているようです。トルコが大統領制に移行してから初めての統一地方選挙なだけに注目も高まっております。前回の大統領制への意向を問う国民選挙では、1%差で大統領制が合意されたことに対する「選挙統計に対する不信感」もかなり高いようです。そして、今回の統一地方選挙は、与党がかなり苦戦すると見られております。統一地方選挙に対する思惑が交差しているところですが、先週末よりトルコ中銀がトルコリラの流動性を極端に絞っており、かなり強引な手法でトルコリラ下落に対する防衛姿勢を強めております。そうしたトルコ中銀の姿勢を評価する必要もありそうです。そして、大統領制に移行してから初めての統一地方選挙を迎え、市場予想通りに他党の支持率が増加すれば、「エルドアン大統領の影響力の低下」を受けてトルコリラへの買いが入る可能性もあります。

白金市場

3月28日
白金市場
 13時時点で東京白金が31円ですが、東京パラジウムは今朝から300円安でCB発動となっております。さすがに7か月間で2400円も上昇しただけに、反動安も凄まじいものがあります。
 欧州議会は27日、自動車のCO2排出量目標の厳格化を決定しました。それによると、CO2排出量を2025年までに15%削減し、2030年までに37.5%削減するというものです。そして、それらのCO2排出量削減目標の最終承認は、4月15日の欧州議会で採決されることになります。4月15日の欧州議会で新たなCO2削減目標が最終承認されることになれば、ガソリン車に対してCO2排出量が圧倒的に少ないディーゼル車への注目が高まることになりそうです。
 欧州では、ディーゼル車の排ガス不正問題を受けて、この4年間でディーゼル車が大幅に減少し、ガソリン車が大幅に増加することになりました。ガソリン車の増加は、ガソリン車の触媒に多く使用されるパラジウムの消費量拡大の要因となりました。そして、ディーゼル車の減少は、ディーゼル車の触媒に多く使用される白金の消費減少の原因となりました。それを受けてパラジウムが高騰を続け、白金が下落を続けてきた経緯があります。
 ディーゼル車に比べてCO2排出量が圧倒的に多いガソリン車の割合が急増したことを受けて、欧州のCO2排出量が大幅に増加しました。しかし、ここで欧州政府が新たなCO2削減目標を最終承認することになれば、欧州市場でCO2排出量の多いとされるガソリン車の割合が減少傾向に転じ、CO2排出量の少ないとされるディーゼル車の割合が増加傾向に転じる可能性が高まります。ここは、ガソリン車に比べてCO2排出量が圧倒的に少ないディーゼル車の触媒に主に使用されている白金に注目するところかもしれません。

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

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