松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

2019年06月

金市場&原油市場

6月28日

金市場&原油市場

習近平国家主席は本日、アフリカ諸国の首相らと会談し、「自らの利益を最優先し、他者の利益を損ねるいかなる試みも支持を集めることはないだろう。」と述べ、米国の保護主義を非難する発言をしております。更に習近平国家主席は本日、BRICSの首脳会議に参加し、「一部の先進国が通商摩擦と経済封鎖へとつながる保護主義的措置を取っている。このすべてが世界の貿易秩序を破壊している。これはまた、われわれの国々の共通の利益に影響を及ぼし、世界規模で平和と安定に影を投げかけている。」と述べ、米国の保護主義を非難する発言をしております。一方、インドのモディ首相も、BRICSの首脳会議に参加し、米国の保護主義を非難する発言をしておりました。

 明日の米中首脳会談を前にして習近平国家主席が米国の保護主義を非難する発言を繰り返していることからも、明日の米中首脳会談で通商協議が決裂する可能性は高そうです。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、近平国家主席がファーウェイへの米国技術売却禁止を米国政府が撤回するよう主張し、中国製品に対する制裁関税の全面撤廃を要求する見通しであり、中国の米国製品購入拡大についても、昨年12月の米中首脳会談で中国側が表明した規模からの上積み要求の取り下げも求める見通しだそうです。このウォール・ストリート・ジャーナル通りの内容となれば、明日の米中首脳会談での通商協議は、決裂する可能性が高そうです。

本日の習近平国家主席のコメントは、米国の保護主義に対する怒りがかなり感じられる内容でした。5月9~10日に開催された前回の米中通商協議が決裂しただけに、今回も決裂することになれば、「米中貿易戦争」に対する警戒感が一気に増すことになりそうです。ここは、来週からのリスクヘッジの流れを警戒して、「リスクヘッジ志向」の金相場を強気し、「リスク志向の原油相場」を弱気することも一考かもしれません。

白金市場の総括

 下記のコメントは、メール情報会員威本日配信しました週間レポートの一部です。参考にどうぞ。



白金市場の総括

 AMCUやNUMなどの大手労働組合と複数の南ア大手白金鉱山会社が3年前に締結した「3年間の労働契約」が今週末で期限切れとなり、来週から3週間ほど労使交渉が本格化することになります。南ア白金鉱山会社では、2~3年ごとに労使交渉が本格化します。3年前の南ア白金鉱山会社での労使交渉では、NY白金が950ドル付近から1200ドル付近まで急騰しました。

3年前の労使交渉では、南ア大手白金鉱山の多くが大幅な賃上げ合意となりましたが、その後の白金価格が低迷を続けました。フォルクス・ワーゲン社のディーゼル車における排ガス不正問題を受けてディーゼル車離れが進み、世界の白金需給が供給過剰に陥り、それに伴う白金価格の大幅下落を受けて、多くの南ア大手白金鉱山会社の経営が大幅に悪化しました。昨年秋には、ロンミン社が身売りを決定すると共に大幅リストラ計画を発表し、インパラ社も大幅リストラ計画を発表しました。この3年間の白金価格の低迷を受けて南ア白金鉱山会社の多くで経営悪化が大きく進みましたので、今回の労使交渉で大幅賃上げ要請には応じられそうもありません。

 一方、昨年8月頃からパラジウム価格が8割ほど高騰し、それに伴ってPGMバスケット価格(白金族金属バスケット価格)が大幅に上昇し、今年になってから南ア白金鉱山会社の多くが黒字転換しました。南アフリカでは、白金採掘量とほぼ同等のパラジウムが採掘されます。パラジウムやロジウムなど白金以外の白金族金属の高騰を受けて労働組合側は、大幅賃上げ要請を決定しました。最大手労働組合のAMCUは、アングロ・プラチナ社やインパラ社、ジバニエ・スティルウォーター社に対して最低賃金の基本給を現状の月額1万1500ランドから1万7000ランドへ「48%の賃金引上げ要請」を決定しました。これにより、今回の労使交渉は難航が予想されます。

 3年前の南ア白金鉱山での労使交渉では、大手労働組合であるAMCUは、最低賃金を1万2500ランドに引き上げることを求めて7月上旬から南ア白金鉱山大手3社(アングロ・プラチナ社、インパラ社、ロンミン社)に対して労使交渉を行い、それと共に東京白金が3100円付近から1か月間で750円も上昇しました。そして、当時のNUMは、アングロ・プラチナ社に対して14.5%の賃上げを要求しましたが、アングロ・プラチナ社からの回答が6.75%の賃金引き上げ提示だったことを受けて、賃金紛争を宣言し、強硬姿勢を示しましました。今回の労使交渉でも、ライバル同士であるAMCUとNUMは、互いにより良い労働条件を求めて競い合うことになりそうです。

 AMCUとNUMは、以前より縄張り争いを続けており、時折衝突して死傷事件も何度も起こしてきました。AMCUとNUMの組合員数千人が槍やナタで武装してロンミン社白金鉱山で対峙し、それを沈静化させようとした警察隊との衝突で34名の白金鉱山労働者が死亡した2012年に発生した「マリカナの惨劇」は有名であり、それを受けて当時の東京白金が3500円付近から1か月間で900円ほど急伸しました。今回の労使交渉でもAMCUとNUMが互いに競い合ってより良い労働条件を求めることで労使交渉が難航することも考えられます。2~3年おきに本格化する南ア大手白金鉱山会社での労使交渉では、これまで高確率で労使交渉が難航して白金価格がそれに反応し続けてきただけに、これから3週間ほど東京白金に対する強気な見方も一考かもしれません。


天然ゴム市場

6月28日

天然ゴム市場

 東京ゴムRSS3の先限価格は、6月7日の高値(207.9円)から本日11時頃の安値(191.9円)まで16円ほど下落しましたが、その間のタイ・バンコクのRSS3現物価格は、キロ当たり3バーツ(約10.5円)ほど上昇しております。それを受けて東京ゴムRSS3の先限価格が輸入採算価格を30円ほど下回りました。しかも、東京ゴムRSS3の当限と先限との価格差は、この2カ月間で40円幅ほど拡大しました。産地現物価格と東京ゴムRSS3の先限との価格差が異常なまでに拡大し、東京ゴムRSS3の当限と先限の価格まで異常なまでに拡大しました。

 明日の米中首脳会談での通商協議の行方に注目が集まっております。しかし、産地現物価格と東京ゴムRSS3の先限との異常なほどの価格差拡大を考えれば、明日の米中首脳会談の結果いかんにかかわらず来週の東京ゴムRSS3市場は、「当限と先限の価格差」や「産地現物価格と先限との価格差」が縮小傾向を強めて適正な価格差に向かうと考えるべきかもしれません。

タイ・バンコクのRSS3現物価格と東京ゴムRSS3

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後場市況1

6月27日

後場市況1

 S&P500種株価指数は、6月3日の安値(2728ポイント)から21日の高値(2964ポイント)まで236ポイント上昇し、利下げ観測の高まりを受けて米国株が大きく上昇しました。その後は、21日の高値から51ポイント下落し、29日の米中首脳会談を前にリスクオフの流れが強まってきたようです。

ロス米商務長官は昨夜、29日の米中首脳会談に関し、「中国の後退により滞った通商交渉を再開させられることを望むが、協議が不調に終わった場合のトランプ大統領の関税賦課の警告は、ハッタリではない。交渉で最も難しい部分は履行と、中国が構造改革に応じない場合の罰則だ。全てに合意するまでは、合意したことには一切ならない。」と述べております。このロス米商務長官のコメントと昨夜のトランプ大統領のコメントを参考にすれば、「3000億ドルの中国製品に対する10%の関税引き上げ」の実施は避けられないと考えるべきかもしれません。格付け会社のフィッチは、米国が3000億ドルの中国製品に対する25%の関税を課せば、2020年の成長率が、中国で0.6ポイント、米国で0.4ポイント押し下げられるとの予想を示しました。

5月9~10日に開催された米中通商協議が決裂したことを受けてリスクオフの流れが強まり、S&P500種株価指数が5月上旬から6月上旬にかけて200ポイントほど急落しました。しかし、米国の利下げ観測の高まりを背景にS&P500種株価指数が先週21日に史上最高値を更新しました。今回の米中通商協議も決裂することになれば、「2回連続の決裂」となるので、米中貿易戦争の長期化懸念の高まりを受けてS&P500種株価指数が前回以上の下落となる可能性も高まります。米国政府は、前回の米中通商協議後も中国製品への追加関税への圧力を強めており、ファーウエイへの圧力も強めております。米国政府と中国政府の「双方の歩み寄り」が見られないので、29日の米中首脳会談で通商協議が決裂する可能性は高そうです。これまでの米中貿易戦争の根底には、米国と中国とのハイテク産業における覇権争いの様相を呈しているだけに、「双方の歩み寄り無しに解決はありえない」と考えるべきかもしれません。
S&P500種株価指数の日足

 

 

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原油市場パート2

6月27日

原油市場パート2

リフィニティブ・アイコンのデータでは、6月のイラン産原油輸出が日量24万バレルまで低下し、5月実績の日量40~50万バレルを下回ったそうです。イランの原油輸出は、米国による経済制裁が発動する前の2018年4月時点で日量250万バレル強もありましたが、今では日量24万バレルまで「10分の1」程度にまで減少しております。それによりイランの現在の原油輸出は、米国原油生産(日量1210万バレル)の2%程度しかないことになります。

イラン中央銀行が4月16日にイラン通貨を4桁切り下げるデノミを発表しており、米国による経済制裁の影響も甚大なようです。原油輸出量が1年間で10分の1程度にまで減少したのですから、米国の偵察用無人機を撃墜するなどの過激な行動もある程度は仕方がないことかもしれません。また、最近発生したホルムズ海峡付近での石油タンカーへの攻撃にイランが関与している可能性があることも、イラン経済の大幅悪化を考えれば、ある程度は仕方がないことかもしれません。そうしたイランに関する中東の地政学的リスクの高まりに反応して原油価格が一時的に急伸する場面が先月より何度かありましたが、それらはすぐに下落に転じました。現在のイラン産原油輸出が米国原油生産量の2%程度しかないことを考えると、「イラン産原油輸出がゼロになったところで、あと日量24万バレルしか減少余地はない」という事を考慮すると、今後もイランに関する地政学的リスクの高まりで原油価格が急伸する場面があれば、「東京ドバイ原油に対する売り場」と考えるべきかもしれません。

前場市況1

6月27日

前場市況1

 本日のTOCOM銘柄は、全体的に小動きです。29日の米中首脳会談を前にして動きにくい展開となっているようです。

トランプ大統領は昨日、米中通商協議について「合意に達することは可能だが、現状にも満足している。中国指導部は合意を望んでおり、私以上に合意にこぎ着けることを望んでいる。合意できないのであれば大幅な追加関税を課す。」と述べました。更に、「中国に関する私のプランBは月間ベースで巨額のお金を収集し、中国とのビジネスを徐々に減らすというものだ。私のプランBは私のプランAかもしれない。合意が成立しない場合は関税を課すというのが私のプランBで、それは25%ではなく、10%になる可能性がある。」とも述べております。

 トランプ大統領は、29日の米中首脳会談で通商協議が合意に達しなければ、3000億ドル相当の中国製品に対する10%の追加関税を実施する可能性を示し、中国側に圧力をかけております。それに対して中国側の行動に注目が集まっております。29日の米中首脳会談の結果を受けて週明けの国内市場が大きく動く可能性も高まってきただけに、29日の米中首脳会談を前にして様子見気分が高まってきたように感じられます。

天然ゴム市場

6月27日

天然ゴム市場

 昨日のタイ・バンコクのRSS3現物価格は、前日比0.07バーツ高の61.92バーツとなり、2日連続で年初来高値を更新しました。キロ当たりの輸入諸経費を8円で計算すると、輸入採算価格がキロ当たり約224.7円まで上昇しており、現在の東京ゴムRSS3の先限が輸入採算価格を31円ほど大幅に下回っております。

 本日10時時点で、東京ゴムRSS3の各限月が一代の高値更新する為には、7月限であと1.5円、8月限であと3.4円、9月限であと2.3円、10月限であと4.3円上昇する必要があります。期近限月や期中限月があと2~4円ほど上昇してそれらの限月の高値更新が始まれば、期先限月迄上昇力が強まることも予想されます。

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

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