松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

エネルギー

原油市場

11月20日

原油市場

 先週末のNY原油は、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相発言に反応して4営業日ぶりに上昇しました。同相が協調減産に賛同する発言を行ったようです。

 CFTCから先週末に発表されたNY原油における10月14日時点でのファンドの買い越し枚数は、前週比5万1260枚増の59万6446枚となり、過去最高を更新しました。

 NY原油におけるファンドの買い越し枚数が2016年2月に15万枚付近まで減少し、それと共にNY原油も30ドル台を割り込んだこともあります。そして、2017年2月に55万枚付近まで増加した時にNY原油が55ドル付近まで上昇したこともあります。ファンドの買い越し枚数が最も減少したところが底値圏となり、最も増加したところが天井圏となる傾向もあるだけに、ここで買い越し枚数が過去最高となった事により、現水準が天井圏となる可能性もあります。

NY原油のファンドポジション

原油市場

11月16日

原油市場

 昨夜の原油市場は、前日の大幅下落の反動で小幅高となったようです。昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油が290万バレル減予想に対して190万バレル増、ガソリンが100万バレル減予想に対して90万バレル増、ディスティレートが180万バレル減予想に対して80万バレル減となりました。原油とガソリンが市場予想に反して増加しましたが、原油在庫は昨日早朝にAPIから発表された数値(原油650万バレル増)ほどの増加とはなりませんでした。米原油生産は、2万5000バレル増の日量964万5000バレルとなり、3週連続で年初来最高を更新しました。米原油輸出が前週より通常水準付近まで低下しましたので、米原油在庫が2週連続で増加したようです。

 一時はクルド人問題やレバノン問題、サウジアラビアの汚職摘発問題、イエメン問題、イラン問題など多くの中東の地政学的リスクの高まりが騒がれましたが、ここにきて「中東の地政学的リスク」があまり注目視されなくなってきたように感じられます。「採算を買い、人気を売る」という商品相場特有の格言もあり、「中東の地政学的リスク」が騒がれて投機人気が高まったところが売り場だったのかもしれません。

NYダウが9月5日から11月6日にかけて1849ドルほど上昇し、そうした米国株の上昇を中心としたリスクオンの流れでは、原油市場の強材料ばかりが注目されたように感じられます。しかし、NYダウが11月7日から6営業日ほど下落すると、マーケット全体の雰囲気も「リスクオフ」に変化し、原油市場への売り圧力も高まってきたように感じられます。NY原油におけるファンドの買い越し枚数が過去最高水準まで膨れ上がっていることから、これからは、ファンドの手仕舞い売りに注目する局面にきているのかもしれません。
NY原油の日足
東京ドバイ原油の日足
NYダウの日足


 

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原油市場パート1~2

11月8日

原油市場

 昨夜のNY原油は、高値警戒感により4営業日ぶりに下落に転じました。OPECのバルキンド事務局長は7日、減産延長に反対している国はないとした上で、今月30日のOPEC総会前に延長期間についての合意を目指していることを明らかとしました。

一方、ブラジルエネルギー省のフェリックス氏は7日、サウジアラビアから協調減産に参加するように非公式な打診を断ったことを明らかとしました。フェリックス氏は、「サウジアラビアはブラジルの生産量が伸びていることを懸念している。」と述べており、ブラジルが自国の法律で生産量を調整することが出来ないことをサウジアラビアに伝えたそうです。現在のブラジルの産油量は日量265万バレル程度であり、自国目標は、「2027年までに日量500万バレル以上に引き上げる」となっているそうです。

週間石油在庫統計に対する市場予想は、原油290万バレル減、ガソリン190万バレル減、ディスティレート140万バレル減となり、製油所稼働率は0.2%上昇の88.3%です。明日のEIAからの発表では、米原油輸出や米原油生産も注目でしょう。

11月8日

原油市場パート2

今朝発表されたAPI週間石油在庫統計では、原油が290万バレル減予想に対して156万バレル減、ガソリンが190万バレル減予想に対して52万バレル増、ディスティレートが140万バレル減予想に対して313万バレル減となり、クッシング原油が81万バレル増となりました。

 米エネルギー情報局(EIA)は7日、短期エネルギー見通しを発表しました。それによると、2018年の原油生産見通しを前年比72万バレル増の日量995万バレルとし、前月発表した原油生産見通しから日量3万バレルの上方修正を行いました。ちなみに現在の米原油生産は、10月27日時点で日量955.3万バレルです。

 OPECのバルキンド事務局長は7日、減産延長に反対している国はないとした上で、11月30日のOPEC総会前に延長期間についての合意を目指していることを明らかとしました。今回のOPEC総会では、協調減産の延長が高確率で合意されるとの見通しから、OPEC総会に向けて強気している投資家も多いようです。しかし、ここにきてOPEC総会前に延長合意が発表される可能性も高まってきたことで、強気投資家の動揺を誘いそうです。「噂で買って、事実で売れ」という相場格言もあるように、協調減産の延長合意が発表されると、原油が下落基調に転じる可能性もあります。

 ちなみに今年5月に開催されたOPEC総会では、協調減産の延長が合意されました。しかし、その発表後からNY原油が下落に転じ、1か月間で10ドルほど急落した経緯もあります。それにより、今回も延長合意の発表と共に原油価格が急落する可能性もあります。


原油市場

11月7日

原油市場

 昨夜のNY原油は、中東の地政学的リスクの高まりに反応して上昇しました。サウジアラビアのサルマン国王の息子であるムハンマド皇太子率いる汚職対策委員会による王族や現職閣僚らの汚職摘発が金融市場に動揺を与えたようです。サウジアラビアの王子11人や現職閣僚4人、元閣僚ら数十人を拘束したことで、330億ドルに及ぶ拘束された個人資産の規模も市場の動揺を与えたようです(サウジアラビアの王子は千人以上とも言われております)。これによりムハンマド皇太子の権限が強化され、同国の改革が進むとの見方もあります。

 サウジアラビアのサブハン国務相は6日、レバノン政府に対して「サウジアラビアへ宣戦布告した政府として扱われる」と述べ、「イランが支援するレバノンのヒズボラに対する侵略行為」を指摘しました。それにより、サウジアラビアとイランとの緊張も高まりました。一方、レバノンでは4日にハリル首相が辞任しました。ハリル首相は、自身への暗殺計画があったと述べると共に、イランとヒズボラがアラブの混乱の種をまいていると指摘しております。そして、ヒズボラと関係が近いアウン大統領が6日、レバノンンの国民の結束を呼び掛ける事態となったようです。

 レバノンのハリル首相はイスラム教スンニ派であり、イランやヒズボラはイスラム教シーア派です。スンニ派とシーア派の対立は、長きにわたるアラブ諸国全体の宗教問題です。スンニ派のハリル首相が辞任に追い込まれたことを、スンニ派政権国家であるサウジアラビアのサブハン国務相は、「イランが支援するレバノンのヒズボラに対する侵略行為」と指摘したのです。ハリル首相は、現在はサウジアラビアで保護されており、辞任の数日前にハリル首相に対する暗殺計画が阻止されたとの報道もあります。

 サウジアラビアの王子や官僚数人が汚職摘発されたり、レバノンを巡りサウジアラビアとイランとの関係が悪化したところで、中東の原油生産が変化するというものでもありません。それに、サウジアラビアとイランは、昔から宗教対立により「犬猿の仲」です。ただ、原油価格が上昇基調を続けてきたことにより、現在の原油市場が上げ材料に敏感に反応したようです。これが原油市場の下落基調中であれば、この程度の中東の地政学的リスクでは、原油市場はほとんど反応しなかった可能性もあります。そうした意味では、「原油市場の売り場到来」と考える必要もあるのかもしれません。

原油市場

11月6日

原油市場

 先週末のNY原油は、ベネズエラやナイジェリアの減産懸念や米オイルリグ数の減少を好感して上昇しました。ベーカーヒューズが先週末に発表した米オイルリグ数は、前週比8基減の729基となり、8月頃から減少傾向が続いております。一方、米原油生産は、年初来最高値まであと日量0.8万バレルに迫っております。米シェール開発業者の多くは、生産コスト引き下げの為にコストの高い油田を閉鎖し、コストの安い油田へ資金と人員の投入を増やしているようです。それにより米オイルリグ数が減少しながら、それと共に米原油生産が増加する傾向が鮮明となっております。英石油メジャーBPのギルバリー最高財務責任者(CFO)は10月31日、「ブレント原油が1バレル=49ドルでキャッシュフローの均等が取れる。来年は、45~50ドルでも地益が出せる。長期的には損益分岐点を35ドルまで引き下げたい。」と述べております。「米オイルリグ数の減少」を最近の原油市場では強材料視しているようですが、「米オイルリグ数の減少&米原油生産の増加」により生産コストを引き下げる米シェール開発業者の経営努力は注目でしょう。

 ベネズエラのマドゥロ大統領は2日、満期を迎えた債務の支払いを約束したものの、国民向け財政資金確保のために将来のあらゆる返済の再構築と検討する特別委員会を設置したと述べました。これにより同国のデフォルト観測が高まり、同国原油生産に対する懸念も強まりました。

 ナイジェリアの武装勢力であるニジェール・デルタ・アベンジャーズ(NDA)は3日、同国の油田が集中するニジェール・デルタ地区の石油施設への攻撃の休止措置を解除することを発表しました。昨年11月のOPEC総会で協調減産合意となった事を受けて、ナイジェリア中央政府とNDAとの話し合いが進展し、昨年11月以降はNDAによる油田攻撃は行われておりません。今回、NDAは、「休戦を正式に取りやめた。昨年の無血作戦と異なり、次は残忍で流血をいとわない攻撃になるだろう。」と警告しております。ナイジェリアでは、石油の利権を中央政府が独占するので、地方都市勢力と中央政府との対立が続いております。
米原油生産と米オイルリグ数

原油市場

10月31日

原油市場

 ブレント原油は、今月28日夜に60ドル台まで上昇し、その後は60~60.6ドル付近での小動きを続けております。中東の地政学的リスクの高まりや、ロシアやサウジアラビア、OPECなどの協調減産延長に関する要人発言に原油価格が大きく反応してきました。

 イラク中央政府軍とクルド自治政府の対立によりイラク北部のキルクーク油田や北西部のフィッシュカブル油田で緊張が高まりました。しかし、それに対してイラクのルアイビ石油相は29日、南部湾岸から日量90万バレルも原油輸出能力を増加させたことを発表しました。キルクーク油田は、通常生産でも日量60万バレル程度です。イラクに関する地政学的リスクの高まりで原油価格が大きく上昇しましたが、結局は、「イラクの原油輸出が増加した」となったのですから、これまでの原油価格の上昇に対して「興ざめ」と感じ始める投資家が増えそうです。

 ブレント原油は、6月21日に44.3ドルまで下落しましたが、それから4か月間も安定した上昇基調を続け、16ドル幅も上昇しました。しかし、ここにきて60ドル台乗せとなって2年ぶりの高値を記録したことで、これまでの上昇に対する達成感も高まってきました。しかも、協調減産延長に関する度重なる要人発言により、「協調減産延長」自体をかなりの部分で織り込んだようです。しかも、イラク問題で緊張が高まったものの、イラクの原油輸出の大幅増加はいただけません。それにより、「原油価格が上限に達した」となる可能性も高そうです。
ブレント原油の週足

 

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下記のコメントは、昨日製作したコメントです。

10月30日

原油市場パート2

 イラク中央政府軍とクルド自治政府の対立によりイラク北部のキルクーク油田や北西部のフィッシュカブル油田で緊張が高まりました。しかし、それに対してイラクのルアイビ石油相は29日、南部湾岸から日量90万バレルも原油輸出能力を増加させたことを発表しました。それにより9月からは日量136万バレルの増加となります。ちなみにキルクーク油田は、通常生産でも日量60万バレル程度です。イラク情勢の緊張で中東の地政学的リスクが上昇しましたが、それに反してイラクの石油輸出能力が大幅に増加したのですから、原油価格のこれまでの上昇に対する反動安に注目する局面にきているのかもしれません。

米石油メジャーのエクソン・モービルは本日、2018年末までにパーミヤン地区のオイルリグ数を現在の20基から30基にまで増やし、パーミヤン地区の原油生産量を年間45%増加させる計画を発表しました。そして2017年末までにパーミヤン地区のシェール油田の掘削を横方向に4.8km伸ばし、2018年の資本予算を約250億ドルにすると発表しました。そして、最近の石油プロジェクトの成功を考慮して、ガイアナプロジェクトの2つのフェーズを開始する考えを示しました。

 良好な米国企業の7~9月期決算発表を受けてNYダウが今月上旬ごろから大きく上昇しました。そして、エクソン・モービルのように原油価格の上昇を受けて良好な決算発表となった石油メジャーからの増産計画がこれから増加することは十分考えられます。OPEC加盟国とロシアが協調減産を2018年末まで延長する可能性も高まっており、ブレント原油が2年ぶりの高値まで上昇していることを考えると、今回の4半期決算の結果を受けて増産計画を発表する石油メジャーは相当増えそうです。これまでも原油価格が大きく上昇した時の四半期決算では、多くの石油メジャーから増産計画が発表されております。


原油市場

10月27日

原油市場

 昨夜のNY原油は、サウジアラビアのサルマン皇太子発言に反応して上昇しました。サルマン皇太子昨夜は、協調減産を2018年末まで延長することを支持するかという質問に対し、「我々はOPEC加盟国と非加盟国の全ての産油国と共に取り組んでいくことをコミットしている。我々は原油需要の安定化に向けたあらゆる措置を支持する。」と述べました。これに原油価格が反応し、先月下旬の高値水準まで上昇しました。それによりNY原油は、9月29日の高値(52.86ドル)と10月26日の高値(52.86ドル)でダブルトップを形成する可能性が高まりました。そして、ブレン後原油も9月26日の高値(59.49ドル)と10月26日の高値(59.55ドル)でダブルトップを形成する可能性が高まりました。

東京ドバイ原油は、10:07時点で870円高です。ドル円は、昨日15:15比で70銭の円安です。ブレント原油は、今朝5時半ごろに59.55ドルまで上昇し、現在は59.40ドル付近で推移しております。ブレント原油とNY原油は、昨夜のサルマン皇太子の「リップサービス」を受けて共に先月29日の高値まで上昇しましたので、今月上旬から上昇トレンドに対して達成感が高まることも考えられます
NY原油の日足
ブレント原油の日足

 

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原油市場パート2

10月25日

原油市場パート2

 イラクのクルド自治政府は本日、イラク政府軍との衝突を終結するために、9月25日に実施したイラクからの独立を問う住民投票の結果を保留し、イラク中央政府との対話による解決を目指す方針を示しました。クルド自治政府は、声明で「クルド自治政府とイラク中央政府との衝突は双方に勝利をもたらすものではなく、国全体の破壊に繋がる。」と指摘し、イラク中央政府軍の即時停戦や住民投票の凍結、イラク中央政府との開かれた対話の開始を提案しました。これにより中東の地政学的リスクが急速に沈静化に向かう可能性が高まってきました。テクニカル的にもNY原油は、過去7営業日中5営業日で52ドル台が高値一杯となっております。先月下旬も52ドル台が高値一杯となっていたので、ここでダブルトップを形成する可能性も高まってきました。ここは原油市場の売りの急所となるのかもしれません。


NY原油の日足

 

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