松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

エネルギー

原油市場パート3

12月13日

原油市場パート3

 リビアの原油生産は、2月時点で日量128万バレルでしたが、6月頃から暫定政権とリビア国民軍との抗争が激化し、7月9日時点で同国原油生産が日量52万バレルまで減少しました。しかし、8月頃から停戦状態となり、同国原油生産が9月23日時点で日量103万バレルまで回復し、10月24日時点で130万バレルまで回復しました。しかし、その後も暫定政府とリビア国民軍との緊張が続いていたので、先進国が仲裁役となって11月13日に国際会議で話し合いました。

リビアでは、カダフィー独裁政権が崩壊したことにより、同国西部の中央政府と同国東部の地方政府という2つの政府が対立してきました。11月13日にイタリアで開催された国際会議では、国家分裂状態が続くリビア情勢が話し合われました。そして、国連の指示を受けてリビア西部の首都トリポリを拠点とする暫定政府のシラージュ首相と、リビア東部の有力軍事組織「リビア国民軍」を率いるハフタル将軍も国際会議に参加しました。同会議にはイタリアやフランス、ロシアなどの代表も参加しました。しかし、リビア国民軍を率いるハフタル将軍は、12日の夕食会を欠席し、13日の記念写真撮影には応じたものの、全体会議を欠席しました。そして、リビア国民軍による抗議行動を受けて同国最大油田であるエルシャララ油田が12月9日から生産停止となりました。11月13日の国際会議での話し合いが物別れとなり、ここにきてリビア暫定政府とリビア国民軍との対立が強まってきたようです。更に対立が激化することになれば、7~8月のようにリビア東部石油港からの石油輸出が完全停止する可能性もあります。同国東部石油港からの原油輸出量は、日量80万バレルを誇ります。

リビア暫定政府が同国西部を実質的に支配しており、リビア国民軍が同国東部を実質的に支配しております。そして、リビア暫定政府がリビア東部油田の利権を独占するので、リビア国民軍が反発しております。しかも、同国石油生産の6割が同国東部の油田で生産されます。11月13日の国際会議で物別れとなった時点で、エルシャララ油田の生産停止は時間の問題だったのかもしれません。現時点では、エルシャララ油田とエルフィール油田の生産停止により合計で日量38万8000バレルの原油生産が失われておりますが、生産停止がリビア東部油田で今後更に拡大する可能性もあります。

今月になってカナダ・アルバータ州が日量32万5000バレルの減産を表明し、OPECプラスも日量120万バレルの減産を表明しました。そして、リビアのエルシャララ油田とエルフィール油田が生産停止となりました。それらを加えると、日量32万5000バレル+日量120万バレル+38万8000バレル=日量191万3000バレルとなりだけに、原油価格の反発に注目するところかもしれません。

原油市場パート2

12月11日

原油市場パート2

トランプ大統領は12月5日、自身のツイッターで「OPECは原油の産出量を制限しないでそのまま続けて欲しい。世界は、より高い値段の石油は見たくも必要もない」とコメントしており、それまでも何度か増産要請や原油価格に関するコメントをしてきました。しかし、先週のOPEC総会後からは、原油価格や減産に関して全くコメントしておりません。世界最大の産油国である米国としても、自国のエネルギー関連事業にマイナスとなる水準まで原油価格が下落することを望んでいないと考えるべきかもしれません。

 ゴールドマン・サックスの7日付けのレポートでは、「最近の株式市場のパフォーマンスは、われわれのベースラインよりも劇的な減速が織り込まれていることを示唆している。従って、S&P500種には短期的な上昇が見込まれる。」と指摘しております。そして、JPモルガン・チェースも、「景気後退のリスクが最近の株価下落で過剰に織り込まれた。」と指摘しております。昨夜のNYダウは、序盤で一時508ドル安の2万3881ドルまで下落しましたが、最終的にプラス転換したのは、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースの「最近の米国株の下落は行き過ぎ」という内容のレポートが好感されたのかもしれません。

 リビアの原油生産は、今年2月時点で日量128万バレルでしたが、7月9日時点で日量52万バレルまで減少し、同国東部石油港からの石油輸出が完全に停止しました。リビアの原油生産が日量76万バレルも減少したことにより、原油価格が上昇基調を強めました。その後、同国原油生産が9月23日時点で日量103万バレルまで回復し、10月24日時点で130万バレルまで回復しました。しかし、ここにきて同国最大油田であるエルシャララ油田が再び停止しました。リビア国営石油会社は10日、同国内最大のエルシャララ油田が民兵に占拠されたことを受けて、同油田からの石油輸出に対して不可抗力条項の発動を宣言しました。エルシャララ油田の停止により日量31万5000バレルが失われ、エルフィール油田からも日量7万3000バレルの生産が失われたそうです。両油田合計で日量38万8000バレルもの原油生産が失われたことになります。それにより原油価格が再び堅調地合いに転じる可能性もあります。

原油市場&金市場

12月11日

原油市場

 リビア国営石油会社は10日、同国内最大のエルシャララ油田が民兵に占拠されたことを受けて、同油田からの石油輸出に対して不可抗力条項の発動を宣言しました。エルシャララ油田の停止により日量31万5000バレルが失われ、エルフィール油田からも日量7万3000バレルの生産が失われたそうです。両油田合計で日量38万8000バレルもの原油生産が失われたことになります。

エルシャララ油田などがあるリビア東部石油港からの原油輸出が今年の春頃から夏ごろにかけて全面停止し、日量80万バレルの石油輸出が停止したこともありました。リビアでは、カダフィー独裁政権が崩壊したことにより、中央政府と地方政府という2つの政府が対立し、それに反政府勢力も加わって三つ巴の抗争を続けております。

今月になって カナダ・アルバータ州が日量32万5000バレルの減産を表明しました。そして、OPECプラスが日量120万バレルの協調減産合意を表明しました。そして、ここにきてリビアのエルシャララ油田とエルフィール油田の合計で日量38万8000バレルもの原油生産が停止しました。原油生産高の減少は、OPECプラスとカナダとリビアの合計で日量191万3000バレルに達する計算となるだけに、原油価格が上昇に転じるのも時間の問題かもしれません。

米週間石油在庫統計に対する市場予想は、原油290万バレル減、ガソリン250万バレル増、ディスティレート170万バレル増となり、製油所稼働率が0.6%上昇の96.1%です。米原油在庫は、9月中旬から10週連続で増加しましたが、先週の発表で11週間ぶりの増加となりました。製油所稼働率も夏場に記録した今年の最高値まであと2.6%にまで迫っており、冬の暖房用燃料需要もかなり高まってきただけに、米原油在庫の増加ペースがしばらく続きそうです。

12月11日

金市場

 昨夜のNYダウは、序盤で一時508ドル安の2万3881ドルまで下落して先月安値や先々月安値を大きく下回る場面もありましたが、その後はじり高基調を続けてプラス転換となり、34ドル高の2万4423ドルで取引を終えました。本日のNYダウ先物は、9時半時点で78ドル安です。NY金の電子取引は、昨日午前に1255ドル付近まで上昇しましたが、その後は少し軟化し、現在は1249ドル付近で推移しております。ドル円は、昨日15:15比で70銭の円安です。東京金は、10時半時点で10円高です。

 NY金は、先月中旬から上昇基調を続けております。昨夜のNYダウが一時8か月ぶりの安値を記録する場面もあり、そうしたことも「リスクヘッジの金相場」を下支えしている野間もしれません。米債券利回りのイールドカーブが逆転し、米国の短期金利と長期金利の逆転が景気後退の可能性を暗示しているとの見方も、「リスクヘッジの金投資」を下支えしているようです。リーマンショック後から10年間ほど米国株が上昇基調を続けてきた事による高値警戒感と、今後の米国経済成長が鈍化するのと観測による「米国株式市場に対する不安感」は、今後も金市場のサポート要因となりそうです。

 



原油市場パート2

12月10日

原油市場パート2

 OPECプラスは7日、10月の産油量に対して日量120万バレルの協調減産で合意したことを発表しました。内訳は、OPEC加盟国が日量80万バレル、非加盟国が日量40万バレルの減産となり、注目されていたロシアは日量20万バレルの減産となりました。

 カナダ・アルバータ州のノトリー首相は12月2日、州内の石油生産業者に対し日量32万5000バレルの減産を命じました。石油貯蔵の余剰水準が下がるまで原油の生産量を来年1月から8.7%削減し、石油貯蔵の余剰水準が下がれば減産量を日量9万5000バレルに落とすそうです。

 10月のOPEC産油量が日量3300万バレルであり、EIAは、2019年の需重均等に必要なOPECの産油量が日量3150万バレルという見通しを発表しておりました。それにより2019年は日量150万バレルの供給過剰となる見通しでした。しかし、OPECプラスの減産量とカナダの減産量の合計が日量152万5000バレルとなりますので、今回のOPECプラスとカナダの減産発表により、計算上では2019年の世界の原油需給が均等する計算となりました。一方、ロイター通信は12月5日、「OPECが公表した統計を基に算出したOPECによる減産規模は日量120万バレル」との見通しを発表し、OPECが日量120万バレル減産すれば、世界の原油需給が均等することを指摘しておりました。そしてOPECプラスが7日に日量120万バレルの減産を発表しましたので、「2019年の世界の原油需給は均等する」と考えるべきかもしれません。

金市場&原油市場

12月10日

金市場

 先週末のNYダウが558ドル安となり、それを受けて先週末のNY金が1246ドルまで上昇しました。本日10時時点で、NY金の電子取引が1255ドルとなり、NYダウ先物が221ドル安の2万4210ドルです。NYダウ先物は、1カ月半ほど前から2万4200ドル付近での下値抵抗線を形成しております。

 先週末のNYダウは、週間で1000ドル強の下落となり、リスクオフの流れがかなり強まりました。一方、中国の11月の対米貿易黒字が約356億ドルとなって過去最高を更新し、11月の中国の対米輸出が前年同月比9.8%増、11月の中国の対米輸入が前年同月比25%減となりました。トランプ大統領が米中貿易不均等是正に動いてきましたが、それでも中国の11月の対米貿易黒字が過去最高を更新することになりましたので、米中貿易摩擦がこれまで以上に強まることも予想されます。

 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は6日、貿易関税引き上げによる米経済への影響はこれまでのところ比較的小さいとした上で、「信頼感と企業投資が打撃を受けており、雇用と経済成長が阻害される。短期的には雇用にマイナスで、経済を鈍化させる要因だ。」と述べました。貿易不均等是正のための関税引き上げが米国経済を圧迫しているようです。

 昨年末のNYダウの終り値が2万4719ドル、年明けの寄付きが2万4809ドルであり、先週末のNYダウの終り値が2万4388ドルですから、現時点での今年のNYダウは、年足ベースで「陰線」となっております。それにより、クリスマス休暇前の欧米投資家のポジション整理で一段安となる可能性もあります。それだけに、今後も、「リスクヘッジの金投資」は注目でしょう。

12月10日

原油市場

 先週末のNY原油は、OPECプラスの増産決定を受けて一時54.2ドルまで上昇しましたが、その後は、米国株の急落を受けて失速し、52.6ドルで取引を終えました。本日のNY原油の電子取引は、9時時点で52.4ドルです。

 先週末のNYダウは、558ドル安となりました。これまでの安値は、10月29日が2万4122ドル、11月23日が2万4268ドル、12月6日が2万4242ドル、12月7日が2万4284ドルとなり、先週末のNYダウが、1カ月半ほど前から形成されている2万4200ドル付近の下値抵抗線付近まで下落しました。本日のNYダウ先物は、9時時点で200ドル安の2万4234ドルです。今週の注目は、NYダウが2万4200ドル付近の下値抵抗線を割り込むかどうかかもしれません。

 OPEC加盟国と非加盟国からなるOPECプラスは7日、日量120万バレルの協調減産で合意したことを発表しました。配分は、OPEC加盟国で日量80万バレル、ロシアなど非加盟国で日量40万バレルの減産となります。

 ロシアは、10月の産油量(日量1140万バレル)から20万バレル減産することになりました。OPEC加盟国で第2位の産油量を誇るイラクは、日量14万バレル減産することになりました。一方、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は、12月の産油量が前月比40万バレル減の日量1070万バレルとなり、来年1月は日量1020万バレルにまで減産する見通しであること発表しました。サウジアラビアの産油量は、11月の産油量(日量1110万バレル)から来年1月に日量1020万バレルまで日量90万バレルも減少することになる予定です。そして、この1年間で産油量が大幅減少したイランとベネズエラとリビアは、協調減産から除外されることになりました。

 ベネズエラは、米国による昨年8月からの経済制裁を受けて産油量が大幅に減少しました。そして、米国がベネズエラをテロ支援国家に認定する可能性も高まっているので、更なる産油量の減少も予想されます。米国はイラン産原油輸出に対する経済制裁を11月5日から実施しましたが、中国や日本など8カ国が制裁対象から除外され、その除外期間が最大180日間とされました。その8カ国による昨年のイラン産原油輸入量は、イラン産原油輸出全体の8割ほどを占めることから、実質的には米国がイラン産原油輸出に対する制裁開始を最大180間ほど先延ばしにしたような状態となりました。それにより、来年5月5日から実質的な制裁が始まることになるので、4月頃からイラン産原油輸出が再び減少傾向を強めるものと見られております。


原油市場の総括

下記のコメントは、先週配信しました週間レポートの一部コメントです。参考にどうぞ。


原油市場の総括

 12月1日に開催されたロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのムハンマド皇太子による会談では、OPEC加盟国と非加盟国からなる「OPECプラス」による協調体制を2019年も継続することで合意しました。その後もサウジアラビアとロシアのエネルギー相同士の話し合いが続き、OPEC側は、ロシアに対して日量25万~30万バレルの減産を要請しているものの、ロシア側は「日量14万バレル程度の減産には応じられる」との姿勢を示しておりました。OPEC側は、ロシアが日量25万~30万バレルの減産を実施し、OPECプラス全体で日量130万バレルの減産を目指しているということも伝えられております。

 5日に開催された共同閣僚監視委員会では、2019年1月1日から6カ月間の減産を行うことで暫定的に合意しされました。サウジアラビアとロシアは、協調減産を継続することに合意しましたが、減産規模に関しては決定しませんでした。

 6日に行われたOPEC総会では、減産が暫定合意され、ロシアも承認しました。ただ、ロシアの減産規模が決定しなかったので、OPECプラス全体での減産規模も決定しませんでした。それを受けてロシアのノバク・エネルギー相は、直ちにロシアに戻ってプーチン大統領と協議することになりました。それに対してサウジアラビアのファリハ・エネルギー相は昨夜、記者団に対して「ロシアには可能な限り最大限減産してほしいと引き続き考えている。確信は持てないが合意にこぎつけたい。」と述べました。それを受けて「減産合意は難しいのでは?」との観測から、6日の原油市場が大きく下落する場面もありました。

7日に開催されるOPECプラスによる閣僚会議では、ロシアのノバク・エネルギー相もロシアから戻って参加する予定です。今回の減産規模は、「ロシア次第」となっているだけに、ロシアの出方に注目でしょう。ロシアは、減産実施に対しては合意しており、日量14万バレル程度の減産には応じられることを表明しております。それにより、本日の閣僚会合では、「OPECプラス全体での減産規模は、少なければ日量80万バレル程度、多ければ日量130万バレル程度」となるのかもしれません。

本日の閣僚会議で減産合意とならなければ、これまでのように増産競争がこれからも続くことになります。しかし、ここで小規模でも減産合意となれば、これまでの増産競争を止めることが出来ます。それだけに、減産規模が小規模となったとしても、合意されるとされないでは、あまりにも大きな差があります。

 ロシア側は、OPECが提示した減産規模に対して難色を示しております。ロシアにとって冬季は原油の増産期となります。それによりロシアは、1月1日からの減産に対して、「増産期である冬季の減産は難しい」と主張しております。しかし、減産が容易なエネルギーの不需要期に減産してもあまり効果はなく、産油国があまり減産したくないエネルギー需要の最盛期に減産することで、減産効果が大きくなることぐらいは、ロシアも理解しているものと思われます。米国や日本など北半球では、7~8月頃が夏場のエネルギー需要の最盛期であり、12~1月が冬場のエネルギー需要の最盛期となります。そして、10月頃と2月頃がエネルギーの不需要期となります。

 ロシアが減産規模に難色を示している理由は、増産期という季節的理由より、トランプ大統領を意識しての事かもしれません。2016年1月1日から実施された協調減産の時にロシアは、「季節的に減産は難しい」という姿勢など見せませんでした。トランプ大統領は5日、自身のツイッターで「OPECが石油生産を持続し、制限はしないよう望む。原油価格高騰は世界中が希望しないし、目にしたくもない。」とコメントしました。そして、トランプ大統領は、これまでもロシアやサウジアラビアなどの産油国に対して増産要請や原油価格の下落要請のメッセージを何度も配信してきました。そうした背景を考えれば、ロシアとしても積極的な減産への姿勢を示したくないというところかもしれません。しかし、ロシアとしても「減産合意の必要性」は十二分に理解しているだけに、ロシア側が減産規模に対して難色を示しているのは、あくまでも「トランプ大統領へのアピール」と考えるべきかもしれません。ロシアにとって「日量14万バレルの減産」は、自国原油生産の1.3%であり、「日量25万バレルの減産」は、自国原油生産の2.3%に過ぎません。ロシアとしては、自国原油生産の1.3%(日量14万バレル)程度の減産に留めたせいで原油価格が下落するより、自国生産の2.3%(日量25万バレル)程度の減産を実施したことで原油価格が上昇する方が得策との判断を最終的に下すのかもしれません。しかし、それまでは、「トランプ大統領の意向を考慮した姿勢」もある程度見せておく必要があるというところかもしれません。それによりここは、原油市場に対する強気な見方も一考ではないでしょうか。

 

 


原油市場&金市場

12月7日

原油市場

 昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計では、米原油在庫が732万バレル減となり、11週間ぶりの減少となりました。11月23日時点まで10週間連続で米国原油在庫が増加し、NY原油も下落基調を続けました。しかも、トランプ大統領の指示で米戦略石油備蓄の放出が10月1日から11月30日まで実施されましたので、その間の米原油在庫が例年以上に増加しました。しかも、米原油輸入量が9カ月ぶりの水準まで減少し、米原油輸出量がこの2カ月間で5割ほど増加して過去最高となりました。ブレント原油とWTI原油の価格差が10ドル付近まで拡大し、それにより割安となった米国原油の輸出量が急増したようです。そして、イラン産原油輸出が減少したことも、米国原油油種のシェア拡大に繋がりました。そうした「輸出量急増&輸入量減少」の流れにより、10月と11月の米国原油在庫が例年以上に増加しました。そして、ようやく11月30日時点の米原油在庫が大幅減少に転じました。12月~1月が冬場のエネルギー需要の最盛期ですから、これから2カ月間程は、米原油在庫の減少傾向が続きそうです。

12月1日に開催されたロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのムハンマド皇太子による会談では、「OPECプラス」による協調体制を2019年も継続することで合意しました。5日に開催された共同閣僚監視委員会では、2019年1月1日から6カ月間の減産を行うことで暫定的に合意しされましたが、減産量は決まりませんでした。OPEC側がロシアに日量25万~30万バレルの減産を要請しましたが、ロシア側は、「日量14万バレル程度の減産には応じられる」との姿勢を示しました。そして、6日に行われたOPEC総会では、減産が暫定合意されましたが、減産量は決まりませんでした。そして、ロシアのノバク・エネルギー相は、OPECの減産要請に対して、直ちにロシアに戻ってプーチン大統領と協議することになりました。そして、本日のOPECプラスによる閣僚会議には、プーチン大統領から指示を受けノバク・エネルギー相も参加する予定です。

ロシアは、これまでシリア問題やイラン問題などで米国より度重なる経済制裁を受けてきました。そして、今回のウクライナ問題では、ユーロ圏諸国からの制裁も警戒されております。そうした背景を考えれば、ロシアとしては、「トランプ大統領の意向に逆らって減産への積極的な姿勢を見せる訳にはいかない」と考えるべきかもしれません。トランプ大統領が自身のツイッターで12月5日に、「OPECが石油生産を持続し、制限はしないよう望む。原油価格高騰は世界中が希望しないし、目にしたくもない。」とコメントした直後ですから、なおさらでしょう。それでもロシアの外貨獲得が原油を中心とした資源材の輸出に依存しているだけに、ロシアは、これまでOPECの減産要請に対してかなり渋い姿勢を示しているものの、最終的に今夜の閣僚会議である程度の減産量に応じると考えるべきかもしれません。

ロシア側は、「日量14万バレル程度の減産には応じられる」という姿勢を示しているので、本日の閣僚会議で減産合意が出来ないという可能性はかなり低そうです。これまでは、トランプ大統領の要請を受けて、サウジアラビアやロシアを中心に増産競争が行われてきました。しかし、本日の閣僚会議で減産合意となれば、OPECプラス諸国によるこれまでの増産競争も終了となります。そしてブレント原油は、10月3日の高値から11月29日の安値まで29ドルほど下落しましたが、現在の水準は、11月29日の安値から3ドル程度しか上昇しておりません。しかも、11月26日から9営業日連続で58~63ドル付近でのボックス圏相場を続けております。こうなれば、今夜のOPECプラスによる閣僚会議を睨んで、「原油市場に対する強気な見方」も一考かもしれません。

12月7日

金市場

 NY金は、昨夜のNYダウが序盤で一時784ドル安まで下落した時に1250ドル付近まで上昇しましたが、NYダウが79ドル安まで戻して取引を終えると、NY金は1242ドル付近まで下落しました。「リスクヘッジ志向の金相場」にとっては、リスク志向のNYダウの値動きに敏感に反応しております。

 NYダウの安値は、10月29日が2万4122ドル、11月23日が2万4268ドル、12月6日が2万4242ドルとなり、2万4122ドル~2万4268ドル付近での下値抵抗線を形成しているようです。昨夜のNYダウが一時2万4242ドルまで下落しましたが、あと少しで下値抵抗線を割り込んで新たなトレンドが始まるところでした。

 ここにきて、米2年債利回りと米10年債利回りの差が2007年以降で最低となり、長期金利と短期金利が逆転する「逆イールド」に迫ってきました。過去40年間に発生した景気後退のタイミングでは、そのすべてで「イールドカーブのフラット化」が発生しているだけに、景気後退や経済原作に対して警戒する投資家が増えてきたように感じられます。

 ビットコインは、4カ月半ほど70万円付近で小動きを続けていましたが、先月中旬から急落し、現在は38万円付近まで下落しております。ビットメインのマイニングリグ「アントマイナーS9」を利用した1ビットコインの採掘の損益分岐点が7000ドルと推定されておりますので、ビットコインが4カ月半ほど70万円付近で小動きを続けてきたことも頷けます。しかし、ビットコインが38万円付近まで下落し、採掘コストとされる水準の半値近くにまで下落したことは注目です。今年の1月頃は、ビットコインが250万円付近まで暴騰し、NYダウも最高値を更新するなど、リスク志向の銘柄が上昇基調を強めました。しかし、ここにきてビットコインが暴落し、米国株まで急落するなど、ここにきてリスク志向の銘柄に異変が起きているようです。

今月になって、経済ニュースに「炭鉱のカナリア」というフレーズが多く掲載されるようになってきました。米国住宅市場における転売目的の投資家(ホームフリッパーズ)の収益率が大きく低下したことや、米国の長期金利と短期金利のフラット化などに関しても、「炭鉱のカナリア」というフレーズがよく使用されております。更に、消費者信頼感の悪化や米国株の大幅下落に対しても同様です。経済ニュースに「炭鉱のカナリア」というフレーズが多く使用されてきたということは、「それだけ投資家心理が弱気に傾いてきた。」ということでしょう。そして、金相場がここにきて上昇基調を強めてきたことに対しても「炭鉱のカナリア」というフレーズが目立ってきました。また、「景気後退」や「経済減速」というフレーズもかなり増えてきました。このままでは、米国や欧州の投資家が、クリスマス連休前のポジション整理を例年以上に強めることも考えられます。「一葉落ちて、天下の秋を知る」ということわざがあるように、経済ニュースにおいて「景気後退」や「経済減速」、「炭鉱のカナリア」などのマイナス思考的なフレーズが急増してきたことを受けて、「リスクヘッジ志向の金相場」に注目することも一考かもしれません。


原油市場パート3

12月6日

原油市場パート3

 NYダウ先物が350ドル安付近まで下落しており、日経平均株価が540円安で取引を終えました。ドル円は、今朝7時から14時にかけて60銭ほど円高に進みましたが、14時からは20銭ほど円安に進みました。現在のNYダウ先物が2万4693ドル附近で推移しておりますが、先月安値(2万4264ドル)を割り込むことになれば、テクニカルはかなり悪化することになります。

 日本時間で本日18時からOPEC総会が開催され、日本時間で本日21時から会合後の記者会見が行われます。それにより、本日21時以降から原油価格の値動きが大きくなることが予想されます。

 ブレント原油は、10月3日の高値(86.74ドル)から11月29日の安値(57.50ドル)まで29.24ドルも下落しましたが、11月29日の安値(57.50ドル)から本日15:40時点(60.9ドル)まで3.4ドルしか上昇しておりません。この2カ月間で「29.24ドル下落→3.4ドル上昇」ですから、ほとんど自立反発も出来ていないような状況を考えると、今夜のOPEC総会を前に強気な見方も一考かもしれません。



ブレント原油の日足

※チャートの情報提供元は(株)みんかぶです。チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社みんかぶは一切の責任を負いません。


みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

「特別賞」を受賞しました

詳細はこちら
重要事項
通常取引を始めるにあたって
スマートCXを始めるにあたって
重要事項説明
取引開始基準
契約締結前交付書面
金融商品取引法に基づく開示
勧誘方針
個人情報保護法
反社会勢力へ対する基本方針
免責事項
*掲載される情報はサンワード貿易株式会社(以下弊社)が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、弊社は保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
*弊社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
*本ブログに掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
*本ブログは、投資された資金がその価値を維持または増大を保証するものではなく、本ブログに基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、弊社は、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
*投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。
以上の点をご了承の上、ご利用ください
最新記事