松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

エネルギー

原油市場

4月17日

原油市場

 昨夜のNYダウは67ドル高で取引を終え、本日のNYダウ先物は9時時点で25ドル安です。昨日のNYダウ先物は、良好な中国経済指標を受けて12時ごろから上昇基調に転じ、昨日21時時点で2万6553ドルまで上昇しました。しかし、昨夜の米国市場がオープンすると、1時間ほどで高値から150ドルほど急落し、その後は横ばいを続けております。

 昨夜のNYダウは、年初来高値を更新しました。そして、昨夜のS&P500種株価指数は一時2916ポイントまで上昇し、昨年9月21日に記録した史上最高値(2940ポイント)まであと24ポイント(0.8%)に迫りました。S&P500種株価指数は、昨年12月下旬から安定した上昇基調を続けておりますが、あと0.8%以上上昇して史上最高値を更新することになれば、これまで4か月間の上昇トレンドに対する達成感が急速に高まり、手じまい売りが本格化することになりそうです。今後の米国経済や世界経済を考慮すると、S&P500種株価指数が史上最高値を更新して更に大きく上昇すると考えるには無理がありそうです。米国株の値動きに追随する特性が強い原油市場としても、米国株の行方を見定めることが最も需要な事かもしれません。

 昨夜のNY原油は、米国株の上昇やリビア情勢に反応したようです。リビア国営石油会社のサラナ会長は12日、「内戦の再発で同国の原油生産が全面的に停止する可能性がある。」と述べたことに反応したようです。

 今朝発表されたAPI週間石油在庫統計は、原油が170万バレル増予想に対して310万バレル減、ガソリンが210万バレル減予想に対して360万バレル減、ディスティレートが84万バレル減予想に対して230万バレル増となり、クッシング原油が160万バレル減となりました。原油処理量は日量3万5000バレル増です。原油輸入量は、59万4000バレル減の日量660万バレルです。原油在庫が増加予想に反して減少したことは、原油市場の支援材料となりました。ただ、米国の原油輸入量が日量60万バレルほど減少したということは、1週間で420万バレルほどの原油輸入量が減少したことになり、それが今朝発表された原油在庫の減少に繋がったようです。

 ロシア国営天然ガス独占企業であるガスプロムネフチのヤコブレコ副CEOは昨夜、記者団に対して「協調減産は今年半ばまで効力を持つだろう。終了すれば今年のロシア産油量は前年比1.5%増加する見通しだ。」と述べました。一方、ロシアのシルアノフ財務相は4月13日、「米国が原油市場で優位になる中、シェアを失うべきか、それとも減産合意をやめるべきかというジレンマがある。減産をやめれば原油価格は下落し、新規投資が冷え込む。シェールオイルの生産コストは従来型油田より高いため、米国の生産は減少する。」と述べております。そして、プーチン大統領は4月9日、「方針についてOPECと協議する用意がある。だが、減産するか、現在の生産水準に留まるか、まだ言える段階ではない。原油と天然ガス収入が高いロシアにとって、現在の原油相場は妥当な水準である。制御不能な相場上昇は支持しない。」と述べております。ロシアの複数の要人が「OPECプラスによる協調減産の延長」に対して否定的なコメントをし始めたことは注目でしょう。これで米国株が下落に転じれば、原油価格も急落する可能性が高まります。
S&P500種株価指数の日足

 

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原油市場

4月16日

原油市場

 昨夜の米国企業の1~3月期決算発表では、ゴールドマン・サックスやシティー・グループが共に減収となり、両社の株価が下落しました。それを受けて週内に決算発表を控える同じ金融株のバンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーの株価も下落しました。それでも、それでも昨夜のS&P500種株価指数は小幅安に留まり、昨年12月下旬から続く3か月半に及ぶ安定した上昇基調を反転させるには至りませんでした。しかし、プロプライエイター・リサーチは先週、S&P500種採用企業の1~3月期の企業利益が前年同期比で2.2%の減益となる見通しを発表し、「S&P500種採用企業の1~3月期の1株利益が悪化もしくは市場予想を下回ると予想している企業が85社、改善もしくは市場予想を上回ると予想した企業が31社」となったと指摘しております。昨年までは、米国企業の四半期決算発表シーズンの序盤を飾る金融株が好決算を続けてきましたが、今回は少し違ってきているように感じられます。しかも、ロシアのプーチン大統領やシルアノフ財務相が、OPECプラスによる協調減産の延長に対して批判的な態度を示してきただけに、ここで米国株が下落基調に転じれば、原油価格の下げ足が速まる可能性もあります。

 イランやベネズエラ、リビアの減産やOPECプラスによる協調減産より、年初から原油価格が大きく上昇しました。ブレント原油は、昨年12月下旬の安値(49.39ドル)から4月12日の高値(71.87ドル)まで22.48ドル(約46%)も上昇しております。ここまで原油価格が大きく上昇すれば、「イランやベネズエラ、リビアの減産やOPECプラスによる協調減産」などは既に「織り込み済み」と考えるべきかもしれません。リビアに関しては、3月に日量20万バレルも増産しております。そして、ロシアが協調減産から離脱することになれば、これまでの反動で大幅増産に転じる可能性も高まります。それだけに、米国株が下落基調に転じることを見込んで、原油市場に対する売り参入も一考かもしれません。

原油市場パート3

4月15日

原油市場パート3

米中貿易摩擦の高まりを受けて昨年10~12月期のコモディティー価格が大きく下落しました。しかし、今年になって米中通商交渉が前進したことを受けて、コモディティー価格が大きく上昇しました。バークレイズの報告によると、今年の1~3月期に投資家資金がコモディティーファンドに147億ドル流入したそうです。そして、コモディティーファンドの今年の1~3月期の投資家の利益は、昨年10~12月期の投資家の損失を上回ったそうです。そして、今年の1~3月期にコモディティーファンドに流入した投資家資金147億ドルに対して、55億ドルがエネルギーファンドに流入し、42億ドルが農業ファンドに流入したそうです。1~3月期のシカゴコーンとシカゴ大豆とシカゴ小麦が下落しているので、農業ファンドに資金を投入した投資家は、値洗いマイナスとなっているようです。

 バンコク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、年初からコモディティー価格が16.6%、世界の株式が13.6%上昇したそうです。今年の1~3月期の上昇率は、NYダウで14.2%、NY原油で32%です。ちなみに、昨年10~12月期の下落率は、NYダウで11.8%、NY原油で38%です。そして、NYダウとNY原油は、共に昨年10月3日に年初来高値を記録し、共に昨年12月24日に年初来安値を記録しており、「NYダウとNY原油の連動性」は注目でしょう。

 55億ドルの投資家資金が1~3月にエネルギーファンドに流入し、その間にNY原油におけるファンドの買い越し枚数が、27万枚付近から48万枚付近まで膨らみました。それによりファンドの買い越し枚数が昨年10月中旬の水準まで回復しました。

 大量の投資家資金が1~3月期にコモディティーファンドや株式市場に流入しました。昨夜のS&P500種株価指数が、昨年9月に記録した史上最高値(2万940ポイント)まであと30ポイント(1.1%)に迫っており、米国株に対する高値警戒感もかなり高まってきたように感じられます。先週末より米国企業の1~3月期決算発表シーズンが本格化しており、S&P500種採用企業の1~3月期企業利益が前年同期を割り込むことになれば、これまでの反動により大量の投資家資金がコモディティーファンドや株式市場から流出し、コモディティーや米国株が急落する可能性も高まります。今回の2019年1~3月期のS&P500種採用企業の企業利益は、プロプライエイター・リサーチの見通しでは前年同期比で2.2%減となっており、久々に減益予想となっております。それだけにここでは、原油や米国株の下落に備えるタイミングかもしれません。

原油市場パート2

4月15日

原油市場パート2

 ロシアのシルアノフ財務相は4月13日、「米国が原油市場で優位になる中、シェアを失うべきか、それとも減産合意をやめるべきかというジレンマがある。減産をやめれば原油価格は下落し、新規投資が冷え込む。シェールオイルの生産コストは従来型油田より高いため、米国の生産は減少する。」と述べました。更に、「協調減産の合意について決定は下されていない。OPEC諸国がこのシナリオに満足するかはわからない。」と述べました。

 プーチン大統領は4月9日、「方針についてOPECと協議する用意がある。だが、減産するか、現在の生産水準に留まるか、まだ言える段階ではない。原油と天然ガス収入が高いロシアにとって、現在の原油相場は妥当な水準である。制御不能な相場上昇は支持しない。」とも述べております。一方、ロシアのノバク・エネルギー相は先月、「国内で減産中止の圧力が高まっているために、ロシアは6月の会合で延長に合意するが、期間は9月末までとなる可能性がある。」と述べていたそうです。

 OPEC加盟国とロシアなど非加盟国からなるOPECプラスによる協調減産は、2017年1月1日から続けられております。その間に「6カ月間の協調減産」が何度も延長されてきました。しかし、年初から実施されている現在の協調減産が6月末に期限切れとなりますが、ロシアが「協調減産の6カ月間の延長」に応じない可能性も高まってきました。

原油市場

4月15日

原油市場

先週末のNYダウは269ドル高となり、4月5日に記録した年初来高値(2万6487ドル)まであと75ドルに迫りました。一方、先週末のS&P500種株価指数は19ポイント高(0.66%高)となり、年初来高値を更新しました。これでS&P500種株価指数は、昨年9月に記録した史上最高値(2万940ポイント)まであと30ポイント(1.1%)に迫りました。それを受けて、昨年1月の高値(2872ポイント)と昨年9月の高値(2940ポイント)と先週末の高値(2910ポイント)により「三尊天井」を形成する可能性も高まってきました。

米国企業の1~3月期決算発表シーズンが本格化しました。前期(2018年10~12月期)のS&P500種採用企業の企業利益は、前年同期比14%増でした。しかし、今回の2019年1~3月期のS&P500種採用企業の企業利益は、プロプライエイター・リサーチの見通しでは前年同期比で2.2%減となっており、久々に減益予想となっております。予想道理の減益決算となれば、S&P500種採用企業が三尊天井を形成し、米国株が下落トレンドに転じる可能性も高まります。そうなれば原油市場も米国株の下落トレンドに追随する可能性が高まります。S&P500種採用企業が史上最高値にまであと1.1%に迫ったことを受けて、原油市場に対して売り出動も一考かもしれません。
S&P500種株価指数の週足

 

 

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原油市場

4月11日

原油市場

 昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油が230万バレル増予想に対して410万バレル増、ガソリンが200万バレル減予想に対して710万バレル減、ディスティレートが130万バレル減予想に対して240万バレル減となり、クッシング原油が130万バレル減でした。米原油生産は、前週比変わらずの日量1220万バレルです。米原油生産は、1.1%上昇の87.5%となり、昨年の最低値を0.3%下回っております。この時期の製油所稼働率は、2018年で93.5%、2017年で91%、2016年で91.4%ですから、かなり需要が低下しているようです。ここまで製油所稼働率が低いと、今回の発表でガソリン在庫が大幅減となったことも頷けます。米原油輸入量(ネット輸入量)は、21万バレル増の日量425万バレルとなりました。昨年の平均的な原油輸入量(ネット輸入量)は日量600万バレル程度でしたが、それが3月頃から日量350~425万バレル程度にまで減少しております。ブレント原油とNY原油との価格差が10ドルほどにまで拡大したことを受けて原油輸出量が急増したことを受けて、米原油輸入量(ネット輸入量)が減少することになりました。しかし、現在のブレント原油とNY原油との価格差が7ドル程度にまで縮小したので、米原油輸出量も徐々に減少することが予想されます。

 ベネズエラ国会議長は昨日、同国の3月のインフレ率が18.1%にまで低下したことを発表しました。IMF年初に発表した「今年のベネズエラのインフレ率見通し」が1000万%となっていただけに、近年稀に見るほどのハイパーインフレから脱したようです。ロシアと中国からの支援の効果が出始めたのかもしれません。これにより同国の原油生産が回復に転じる可能性も高まってきました。

 リビアでは、同国西部を統治する暫定政府と同国東部を統治する国民軍との戦闘が同国西部の首都トリポリ付近で行われており、国民軍が優勢となっているようです。中東最大の軍事力を保有するエジプトやサウジアラビアなどが国民軍を支持しており、ロシアも国民軍を支持しております。また、同国最大のシャララ油田が同国東部にあるので、その関係でフランスも国民軍を支持しております。一方、イタリアなどは暫定政府を支持しております。ベネズエラのハイパーインフレが鎮静化したことを考えると、あとはリビア問題が沈静化すれば、原油市場が下落基調に転じるのかもしれません。

原油市場パート2

4月8日

原油市場パート2

 先週のNY原油は、米国株の上昇やリビアの内戦激化を好感して上昇しました。

 リビア東部を統治しているリビア国民軍のハフタル司令官は4月4日、リビア西部の首都トリポリへの進軍を舞台に指令し、首都トリポリ近郊の複数の町を占領しました。そして、翌5日には、首都トリポリ近郊の旧空港を制圧したとの情報も流れております。それに対してリビア西部を統治している暫定政府は6日、首都トリポ南郊のリビア国民軍の拠点を始めて空爆しました。そして、リビア暫定政府のシラージュ暫定首相は6日、テレビ演説で、「政治的解決を図る努力が裏切られた」とリビア国民軍を非難し、「侵略者を一掃する。」と表明しました。ここにきてリビアの内戦が激化してきたようです。

 カダフィー大佐政権の崩壊後のリビアでは、同国西部を暫定政府が統治し、同国東部をリビア国民軍が統治することになり、2つの政府が存在する状態が続いており、これまでも何度も両政府が衝突してきました。そして、同国最大のエルシャララ油田が3カ月ぶりに操業再開したことにより、リビアの3月の原油生産が日量20万バレルも増加しました。同国東部のエルシャララ油田の収益を同国西部の暫定政府が独り占めするので、同国東部のリビア国民軍が反発するのも仕方がないのかもしれません。また、リビア国家予算の大半が同国東部で使用されることも、同国東部のリビア国民軍の反発要因となっております。イタリアなどはリビア暫定政府を支持しておりますが、中東最大の軍事力を保有するエジプトとロシアがリビア国民軍を支援しております。4月5~6日に開催されたG7では、「リビアでの軍事行動の即時停止」を求めました。リビアの内戦激化により、同国石油生産が一時的に減少するとの見方が高まっており、それに原油価格が反応しているようです。

原油市場

4月8日

原油市場

 先週末のブレント原油は、米国株の上昇を好感して70.34ドルまで上昇して取引を終えました。ブレント原油は、2月下旬からじり高基調を続けております。NYダウやS&P500種株価指数が共に年初来高値を更新するほど好調なだけに、同じリスクオン志向の原油市場も好調を続けております。昨年10月3日にNYダウとNY原油が年初来高値を記録し、昨年12月24日にNYダウとNY原油が年初来安値を記録しただけに、今後の原油市場の動向は、「米国株の動向次第」といったところかもしれません。

 バンク・オブ・アメリカの4月5日付けのレポートでは、「各国の中央銀行が一斉に成長刺激に力を入れた局面が3月にピークに達したため、米国株式市場は今年最大の好調期を過ぎた可能性が高い。リスク資産がこれまで大きく上げたのは、各中銀がすべてを投じたからだ。流動性のピークは、上昇局面の終わりが4月に始まったことを意味する。S&P500種株価指数は、は4~6月に3000歩イントを超えた後に崩れるだろ。」と指摘しております。

 S&P500種株価指数は、あと1.7%上昇すれば史上最高値を更新し、あと3.7%上昇すれば3000ポイントの大台乗せとなります。S&P500種株価指数は、あと1.7%上昇して年初来高値を更新すれば、これまでの上昇基調に対する達成感が高まり、昨年10月の高値とのダブルトップが意識されることになります。それだけに、米国株と原油価格の高値形成は近いのかもしれません。

みんコモコラムアワード2015
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