松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

穀物

トウモロコシ市場

12月3日

トウモロコシ市場

 シカゴ大豆の電子取引は、米中首脳会談の結果を受けて今朝から大幅高となり、シカゴコーンの電子取引も今朝から上昇しております。

1日に開催された米中首脳会談では、新たな関税を一時的に見送り、貿易戦争を悪化させないことで合意しました。それにより米国は、1月1日から実施予定だった2000憶ドル規模の中国製品に対する制裁関税を現行の10%から25%に引き上げることを見送りました。中国政府は、相当量の農産物やエネルギー、工業製品などを米国から輸入することで合意し、農産物の購入は直ちに行うことになりました。

中国が米国に対する報復関税として米国産大豆と一部の米国産トウモロコシ製品に対する報復関税を課したことで、米国産大豆がこれまで大きく下落してきました。しかし、今回の米中首会談で貿易戦争を悪化させないことで合意され、中国が米国の農産物の購入を直ちに開始することを発表したことで、今朝からシカゴ大豆の電子取引が大幅高となってきました。それにシカゴコーンの電子取引もつれ高となっております。

中国が米国に対する報復関税として「米国産大豆と一部の米国産トウモロコシ製品に対する報復関税」を課したことで、来年の米穀倉地帯では、「米国産大豆の作付面積が大幅に削減され、米国産トウモロコシの作付面性が大幅に拡大される」との観測がこれまで続いておりました。しかし、中国政府が米国産大豆の購入を開始したことで、来年の米国産トウモロコシの作付面積が増加する可能性も低くなりました。それによりシカゴコーンは、しばらく堅調地合いを続けそうです。

トウモロコシ市場

11月13日

トウモロコシ市場

気象庁は先週9日、「エルニーニョ現象が発生したとみられる。今後春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(70%)。」と発表し、エルニーニョ現象が発生したことを明らかとしました。エルニーニョ現象の発生により、来年の春ごろにかけて南米やオーストラリア、南アフリカでホット&ドライとなる可能性が高まりました。南米やオーストラリア、南アフリカなどの南半球の穀物生産は、秋ごろに作付けして翌年の春頃に収穫しますので、エルニーニョ現象の発生を受けて南半球のこれからの穀物生産において、ホット&ドライの影響が発生する可能性が高まりました。

米国の対中経済制裁に対して中国政府が米国産大豆に対する25%の報復関税を課したことにより、中国の穀物輸入商社の多くが大豆の買い付け先を米国産から南米産にスイッチしたので、南米での大豆の作付面積が大幅増加となる見通しとなってきました。そして、米国農家の多くは、来年春の作付けにおいて、大豆を減らしてトウモロコシを増やすことが予想されます。来年の米穀倉地帯の作付け時期が迫れば、「米国産トウモロコシの作付面積が大幅増加」との観測がトウモロコシ市場を圧迫する可能性があります。

「来年の米国産トウモロコシの作付面積が大幅増加となる可能性」を考えれば、東京トウモロコシ市場に対して弱気したいところですが、「エルニーニョ現象により南半球の穀物生産への被害」を考えれば、東京トウモロコシ市場に対して強気したいところでしょうか。

米農務省が今月発表した需給統計では、米国産トウモロコシの単収見通しが1エーカーあたり180.7ブッシェルでした。今年の米国産トウモロコシの1エーカー当たりの維持コストを683.88ドルで計算すると、米国産トウモロコシの1ブッシェル当たりの生産コストは、683.88ドル÷180.3ブッシェル=約379セントとなります。シカゴコーンが生産コストを大きく下回る水準では、「エルニーニョ現象により南半球の穀物生産への被害」を考えて東京トウモロコシに対して強気し、シカゴコーンが生産コストを大きく上回る水準では、「来年の米国産トウモロコシの作付面積が大幅増加となる可能性」を考えて東京トウモロコシに対して弱気することも一考かもしれません。

トウモロコシ市場

11月1日

トウモロコシ市場

 シカゴコーンは、10月15日に378.5セントまで上昇しましたが、その後は下落基調を続けております。中国が米国産大豆に対する報復関税を課したことにより、南米で大豆の作付面積が大幅増加する見通しとなり、来年春の米国でトウモロコシの作付面積が増加する見通しとなってきました。

 中国は、昨年の米国大豆生産量の「3分の1」を輸入しました。しかし、米国の対中経済制裁に対して中国政府が米国産大豆に対する報復関税を課したことによる波紋が広がっております。中国の穀物輸入商社の多くが大豆の買い付け先を米国産から南米産にスイッチしたので、南米での大豆の作付面積が大幅増加となる見通しとなってきました。そして、米国農家の多くは、来年春の作付けにおいて、大豆を減らしてトウモロコシを増やすことが予想されます。

 世界のトウモロコシ輸出量の約65%が米国産であり、約25%が南米産です。そして、世界の大豆輸出量の約40%が米国産であり、約48%が南米産です。米国がトウモロコシの作付面積を増やすとの観測により、来年春の作付け時期に向けてシカゴコーンが下落基調を続ける可能性も高そうです。しかも、南米が大豆の作付面積を増やすことで、穀物市場全体の価格下落に繋がる可能性も高そうです。

 米農務省が今月発表した需給統計では、米国産トウモロコシの単収見通しが1エーカーあたり180.7ブッシェルでした。今年の米国産トウモロコシの1エーカー当たりの維持コストを683.88ドルで計算すると、米国産トウモロコシの1ブッシェル当たりの生産コストは、683.88ドル÷180.3ブッシェル=約379セントとなります。一方、シカゴコーンが10月15日に378.5セントまで上昇しましたが、その水準が生産コストでもあることから、シカゴコーンがすでに高値形成を終えたと考えるべきかもしれません。値動き的には地味かもしれませんが、来年春の作付け時期に向けて東京トウモロコシに対する弱気な見方も一考かもしれません。

原油市場パート3

10月15日

原油市場パート3

サウジアラビアの主催により今月23日からサウジアラビアの首都リアドで開催される「砂漠のダボス会談」と称される経済フォーラムに対して、参加取りやめの動きが広がっており、こうしたところにもカショギ氏失踪事件の影響が感じられます。

フォード社のフォード会長やJPモルガン・チェースのダイモンCEOが出席を取りやめており、CNNやファイナンシャル・タイムズ、NYタイムズ、CNBC,ブルームバーグなどの米主要メディアも参加を取りやめました。

 トランプ大統領は、サウジアラビア側が殺害に関与した可能性があると述べた上で、「サウジアラビア当局によるカショギ氏殺害が事実なら厳しい処罰を加える」と述べました。そして、民主党の大統領候補者のひとりであったサンダース米上院議員は、「カショギ氏の命の方が兵器会社の利益よりも重要だ。」と述べました。共和党も民主党もカショギ氏失踪事件に関してサウジアラビアを批判しておりますが、これらは米中間選挙を意識した行動と考える必要もありそうです。

 しかし、トランプ大統領は、カショギ氏失踪事件に関してサウジアラビアへの武器売却の凍結は検討していないことを明らかとしました。トランプ大統領が5月にサウジアラビアを訪問した際に総額1100億ドルの武器売却で合意しており、それを凍結する気はないようです。もしこれを凍結すれば、米中間選挙で軍事産業票を失うことになりかねません。また、サウジアラビアに制裁を加えれば、米ガソリン価格の更なる高騰により米中間選挙においてトランプ政権が不利になります。そして、クロドー米国家経済会議委員長は14日、「ムニューシン米財務長官が砂漠のダボス会談と称される経済フォーラムに出席を依然として計画している。」と述べました。トランプ大統領は、建前上ではサウジアラビアを批判しても、サウジアラビアへの武器販売の凍結もせず、ムニューシン米財務長官が砂漠のダボス会議へ出席する予定なので、トランプ大統領がサウジアラビアに制裁を加える可能性はかなり低そうです。しかし、米主要メディアの多くが砂漠のダボス会談への不参加を表明しているので、米主要メディアとトランプ大統領との対立は更に強まりそうです。それにより11月6日の米中間選挙に向けた不透明感が更に強まり、米国株安を中心としたリスクオフの流れが続く可能性も高そうです。そうしたリスクオフの流れに原油価格が圧迫される可能性もあるだけに、原油市場はしばらく軟調地合いを続けるのかもしれません。

トウモロコシ市場

10月12日

トウモロコシ市場

 米農務省から昨夜発表された10月の需給報告を受けて昨夜のシカゴコーンとシカゴ大豆が上昇し、シカゴ小麦が下落しました。今年の米国産トウモロコシの単収見通しは1エーカーあたり180.7ブッシェルとなり、前月発表値(181.3ブッシェル)から少し引き下げられました。それにより生産高見通しが147億7800万ブッシェルとなり、前月発表値(148億7200万ブッシェル)から引き下げられました。しかし、期末在庫見通しが18億1300万ブッシェルとなり、前月発表値(19億1900万ブッシェル)から引き下げ更田ことを好感し、昨夜のシカゴコーンが上昇しました。一方、米国産大豆の単見通しは53.1ブッシェルとなり、前月発表値(52.8ブッシェル)から引き上げられ、期末在庫見通しも引き上げられました。

 今年の米国産トウモロコシの1エーカー当たりの維持コストを683.88ドルで計算すると、米国産トウモロコシの1ブッシェル当たりの生産コストは、683.88ドル÷180.7ブッシェル(今月の需給報告の発表値)=約378セントとなります。それに対して現在のシカゴコーンの電子取引が370セント付近で推移しておりますので、あと20~30セント程度上昇して生産コストを少し上回れば、生産農家の売りつなぎが急増することも考えられます。

 気象庁が昨日発表しましたエルニーニョ監視速報では、今年の秋にエルニーニョ現象が発生する確率を70%と指摘しており、先月発表値より発生確率が10%引き上げられました。気象庁によるエルニーニョ現象発生の定義は、「エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値(前年までの30年間の各月の平均値)との差の5か月移動平均値が+0.5℃以上となった場合」です。「5か月移動平均値が+0.5℃以上」という条件があるので、ペルー沖のエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より一時的に1~2℃上昇しても、「5か月移動平均値が+0.5℃以上」という条件が満たされなければ、気象庁はエルニーニョ現象の発生は宣言しません。このあたりの発生条件は、その国の気象庁によって微妙に違います。日本の気象庁よりオーストラリアの気象庁の方が早めにエルニーニョ現象の発生を宣言することも何度かありました。そして、今月中に監視海域の海面温度が基準値を0.7℃ほど上回る見通しですので、エルニーニョ現象特有の気候変動がこれから作付けを始めるブラジルやペルーなど南半球の農産物生産に悪影響を与える可能性もあり、今後の農産物銘柄の取引で注意する必要があります。

トウモロコシ市場

10月2日

トウモロコシ市場 

 先週末のシカゴコーンとシカゴ大豆は、四半期在庫の発表を受けて下落しました。しかし、昨夜のシカゴコーンとシカゴ大豆は、NAFTA再交渉妥結を受けて上昇しました。それにより、昨夜のシカゴコーンとシカゴ大豆は、先週の高値水準付近まで戻しました。また、米中西部の降雨予想で収穫が遅れるとの観測も支援材料となったようです。

米農務省が昨夜発表した週間作柄・育成進展状況では、優と良の占める割合が米国産トウモロコシと米国産大豆で共に「前週と変わらず」となりました。収穫率は、米国産トウモロコシで26%(過去5年平均は17%)、米国産大豆で23%(過去5年平均は20%)となりました。

現在のシカゴコーンの電子取引が364ドル付近で推移しておりますが、今年の米国産トウモロコシの1ブッシェル当たりの生産コストが377セント付近ですので、生産コストを少し上回る水準で生産農家からの現物を市場に呼び寄せる必要があるのかもしれません。米国産トウモロコシが5年連続の豊作となる見通ですが、昨年まで4年間続いた「秋高の現物呼び出し相場」を意識した値動きとなるのかもしれません。

トウモロコシ市場

10月1日

トウモロコシ市場

 先週末のシカゴコーンとシカゴ大豆は、四半期在庫発表を嫌気して下落しました。シカゴコーンは、9月14日頃からジリ高基調を続けておりましたが、先週末の急落で前日までのじり高基調が変化したようです。

 米農務省から先週末に発表された9月1日時点での米国産トウモロコシの四半期在庫は、市場予想を6%下回る21億4000万ブッシェルとなりました。トレーダーによると、6~8月のトウモロコシの飼料用需要が予想を下回ったことが原因となったようです。米農務省から先週末に発表された9月1日時点での米国産大豆の四半期在庫は、市場予想を0.5%上回る44億3800万ブッシェルとなりました。それにより先週末のシカゴ大豆の下げ幅も限定的でした。

今年の米国産トウモロコシの1エーカー当たりの維持コストを683.88ドルで計算すると、米国産トウモロコシの1ブッシェル当たりの生産コストは、683.88ドル÷181.3ブッシェル(今月の需給報告の発表値)=約377セントとなります。それに対して先週末のシカゴコーンが一時366セントまで上昇しておりましたので、農家のヘッジ売り圧力も気になる水準となっていたのかもしれません。今年の米国産トウモロコシが過去最高の単収見通しとなっており、現在のシカゴコーンが生産コストを少し下回る水準となっているので、「値ごろ買いへの魅力は小さく、値ごろ売りへの魅力も小さい水準」といえるのかもしれません。

トウモロコシ市場

下記のコメントは、先週25日にメール情報会員に配信しました過去記事です。参考にどうぞ。


9月25日

トウモロコシ市場

 米農務省が昨夜発表しました中間作柄・育成進展では、米国産トウモロコシの優と良の占める割合は、1%上昇の69%となり、前年同期を8%上回りました。収穫率は、前週比8%上昇の18%となり、過去5年平均の11%を上回りました。米国産大豆の優と良の占める割合は、前週比1%上昇の68%となり、前年同期を8%上回りました。収穫率は、前週比8%上昇の14%となり、過去5年平均の8%を上回りました。

 この時期になると、「ハーベスト・プレッシャー(収穫による荷余り)」などのコメントも目立つ時期となります。しかし、意外に知られていないことですが、豊作の年は、ハーベスト・プレッシャーで秋安相場となることはほとんどありません。昨年まで4年連続で豊作となりましたが、4年連続で「秋高の現物呼び出し相場」となりました。豊作の年は、8月下旬~9月上旬頃までに豊作を織り込んだ価格形成が行われるので、8月下旬~9月上旬頃は生産コストを大幅に割り込んだ価格形成が行われることも多いようです。それにより、収穫を終えた農家の多くは、生産コストを大幅に下回ったことを嫌気して現物の売り渋りを強めるので、市場では方策に反して現物が「有りがすれ状態」となり、秋高の現物呼び出し相場に発展することが多いようです。

 その反面、不作となった年は、ハーベスト・プレッシャーにより高確率で9 ̄10月に急落します。米国産トウモロコシが2008年と2011年、2012年が不作となり、8月下旬~9月上旬頃にシカゴコーンが8ドル台にまで高騰しました。しかし、それらの年は、9~10月頃に暴落しております。不作となった2008年と2011年、2012年は、8月下旬~9月上旬頃にシカゴコーンが8ドル台まで高騰し、生産コストを3ドルほど上回りました。それにより収穫を終えた農家が現物を売り急ぎ、不作に関わらず現物市場が一時的に荷余りを起こしてハーベスト・プレッシャーが強まりました。

 豊作の年は、9~10月頃にハーベスト・プレッシャーが強まることはほとんどなく、不作となった年ほど9~10月頃にハーベスト・プレッシャーが強まる傾向は、意外と知らない方も多いかと思われます。しかし、豊作の年は、秋高の現物呼び出し相場により農家の売りつなぎが十分行われると、その後はハーベスト・プレッシャーが強まってシカゴコーンが安値追いする傾向もあります。

 今年の米国産トウモロコシの1エーカー当たりの維持コストを683.88ドルで計算すると、米国産トウモロコシの1ブッシェル当たりの生産コストは、683.88ドル÷181.3ブッシェル(今月の需給報告の発表値)=約377セントとなります。それに対して現在のシカゴコーンが358ドル付近で推移しておりますので、380セント付近を上回ると、生産農家の売りつなぎが急増することも考えられます。今年の米国産トウモロコシは過去最高の単収見通しですから、生産コストも例年よりかなり安くなります。それにより今年の「秋高の現物呼び出し相場」は、過去4年間の「秋高の現物呼び出し相場」よりスケールがかなり小さくなることも予想されます。


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