松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

穀物

トウモロコシ市場の総括

メール情報会員に先週末に日配信しました週間レポートの一部をご紹介します。参考にどうぞ。


トウモロコシ市場の総括

 昨夜のNYダウとS&P500種株価指数は、共に今週になって2回目のサーキットブレーカーが発動し、過去最大の下げ幅も記録しました。新型ウイルスの感染拡大を受けてリスクオフの流れが強まり、工業品銘柄全体が先月より大幅下落となりました。NY原油は、リーマンショック時の安値を割り込んだほどです。しかも、新型ウイルスの感染拡大がいつまで続くかも不透明であり、それを受けて工業品銘柄の見通しも難しくなってきました。しかも、11年間続いた米国株の強気相場が終了したので、商品先物市場の工業品銘柄や株式市場に対する不透明感も高まってきました。

 その反面、新型ウイルスの世界的な感染拡大を受けて、トウモロコシの世界的な消費量が減少する訳でもありません。それより、新型ウイルスの世界的な感染拡大を受けて、備蓄食料を積み増しする欧米人が急増しているほどです。11年間続いた米国株の強気相場が終了したことで、商品先物市場の工業品銘柄や株式市場への投機人気が低下することが予想される反面、シカゴコーンやシカゴ大豆などシカゴ穀物市場に対して来月あたりから投機人気が高まる時期を迎えます。米国産トウモロコシの作付けが4月下旬から開始されるので、4月になれば「作付け開始時期の天候」などが注目されることになります。4月下旬の天候が「多雨」や「低温」などで作付け遅れとなる可能性もあります。また、発芽直後の作物が天候悪化の被害を最も受けやすいので、天候相場の序盤では、投機人気が高まります。

シカゴコーンが年初来高値を記録した月は、2015年が7月、2016年が6月、2017年が7月、2018年が4月、2019年が6月となっており、豊作の年は6~7月頃に高値を記録する傾向があります。一方、不作となってシカゴコーンが8ドル台を付けた時の高値は、2008年が8月、2012年が6月、2012年が8月となっており、不作の年は8月頃に高値を記録する傾向もあります。9月の米農務省による需給発表で不作が発表されると、弱材料織り込み済みとなって下落に転じる傾向もあります。

 シカゴコーンは、豊作の年は6~7月頃に高値を付ける傾向があり、不作の年は8月頃に高値を付ける傾向があるので、天候相場がまだ始まっていない春先の安い水準で、「天候相場に向けた東京トウモロコシの買い」を仕込むことも一考かもしれません。






トウモロコシ市場パート2

2月26日

トウモロコシ市場パート2

インド洋ダイポールモード現象によるインド西側のソマリア沖海面温度の上昇を受けて昨年5月にサイクロン「メクヌ」が発生し、アラビア半島南部の広大なルブアルハリ砂漠に雨を降らせ、砂丘の間に多くの一時的な湖を出現させたことで、サバクトビバッタが大量発生しました。その後、昨年10月には、サイクロン「ルバン」がイエメンとオマーンで大雨を降らせ、それを受けてサバクトビバッタが大量発生しました。更に、昨年12月に季節外れのサイクロンがソマリアに上陸し、その時の降雨の影響を受けてサバクトビバッタが大量発生しました。インド洋ダイポールモード現象の影響でインド西側のソマリア沖海面温度が上昇したことを受けてサイクロンが多発し、それにより降水量が増加し、サバクトビバッタが過去最大級という大量発生となりました。その後は、バッタの大群が偏西風に乗ってサウジアラビアやイラン、パキスタン、インドを通過し、中国ウルグル自治区の国境付近にまで迫りました。偏西風の流れに従ってサバクトビバッタが今後の東に進むことが予想されるだけに、バッタの大群が中国国内に進む可能性も高まってきました。

ローコック国連事務次長は2月10日、「3カ国で1300万人が深刻な食糧不足に直面している。これは異常気象がもたらす新たな側面だ。緊急対策をしなければ、春以降の耕作期を経て被害はより一層甚大になる。」と指摘しております。今回の蝗害は、ケニアが「過去70年間で最悪」と伝えており、エチオピアとソマリアが「過去25年間で最悪」と伝えております。サバクトビバッタは、孵化後6週間で生体となり、「3カ月後には20倍、6カ月後には400倍、9カ月後には8000倍」になるとされております。すでに4000億匹にまで増加しており、幅40㎞、長さ60㎞に及ぶバッタの大群となって、偏西風に乗って東に進んでおります。中国では、アヒル10万羽でバッタの進行を食い止める計画ですが、飛べないアヒル10万匹が、飛べるサバクトビバッタ4000億匹の進行を止められるとは思えません。

昨年5月から始まった「サバクトビバッタの大量発生」ですが、バクトビバッタは、大規模な群れを作ると、群れは10~16世代にわたって増加を続けるとされております。前回のサバクトビバッタによる蝗害は、2003年10月から1年8カ月続きました。しかし、今回は、昨年5月から蝗害が始まり、まだ10カ月しか経過していないので、「あと1年間ほど蝗害が続く」と考えるべきかもしれません。サバクトビバッタの大群が中国国内に進めば、非常事態に備えて中国政府がトウモロコシや大豆、小麦の政府備蓄の積み上げを大量に開始することが予想されます。それに伴ってシカゴ穀物市場が大きく上昇することも予想されるので、今のうちに東京トウモロコシに対して安値拾いも一考かもしれません。

トウモロコシ市場「過去最大規模の蝗害に注目」

2月26日

トウモロコシ市場「過去最大規模の蝗害に注目」

インド西部のソマリア沖海面温度が上昇するインド洋ダイポールモード現象が昨年より発生しております。それによりソマリア周辺地域の温度と湿度が上昇し、それを受けてサバクトビバッタが大量発生しました。そして、2回のサイクロンによりもたらされた大雨がオマーンの砂漠でサバクトビバッタを更に大量に発生させました。そのバッタの群れが大きくなって「飛蝗」へと変化し、偏西風に乗って東へと進んで20カ国に被害をもたらしました。サバクトビバッタが集団化すると、仲間を呼ぶ独特のホルモンを分泌して更に集団が大きくなり、そのホルモンの影響で羽が長くなり、頭が大きくなり、体色が緑から茶色に変化し、「飛蝗」の容姿へと変化します。

国連食糧農業機関(FAO)は、「中国のウルグル自治区に近くバッタの大群が到達する。」と警告しております。更に、「この先数週間ほど多くの降水量が予想され、それによりサバクトビバッタの繁殖が進み、6月頃までに現在の500倍に膨れ上がる可能性がある。」と指摘しております。

推定4000億匹という幅40㎞、長さ60㎞に及ぶバッタの大群が西部・新疆ウイグル自治区の国境付近にまで到達しました。パキスタン政府は、「現時点ですでに国全体の40%の作物を失った。」と報告しているほどです。インドでは、今回の蝗害を受けて、パキスタンとの国境警部にあたっているラジャスタン州から70万人の兵士を撤退させたほどです。中国では、国境付近に10万羽ものアヒルが集められてバッタ対策がとられています。アヒル10万羽で4000億匹ものバッタを食べるためには、アヒル1羽が400万匹のバッタを食べなければいけない計算になりますので、「アヒル10万作戦」もあまり効果は期待できません。しかも、アヒルは飛べませんが、サバクトビバッタは飛べます。

サバクトビバッタは、2003年10月から2005年5月にかけて西アフリカで猛威を振るい、20ヶ国以上で25億ドルもの農業被害をもたらしました。サバクトビバッタは、大規模な群れを作ると、群れは10~16世代にわたって増加を続けるとされております。今回のサバクトビバッタは、ソマリア周辺地域より偏西風にのって東に進んでおりますので、このまま東に進んで中国国内で蝗害が拡大することは避けられないと考えるべきかもしれません。サバクトビバッタの分布は、北はスペインやロシア、南はナイジェリアやケニア、東はインドや西南アジアにまで達するほど広範囲なので、中国国内でサバクトビバッタの被害が拡大する可能性は十分考えられます。

 中国における2017年の作付面積は、トウモロコシ3812万ha、大豆887万ha、小麦2414万haです。中国の穀物が蝗害の影響を大きく受けることになれば、中国内で大豆や小麦より作付面積の大きなトウモロコシに対して強気な見方も一考かもしれません。それにより、東京トウモロコシに対して、これから「夏の天候相場本番に向けた強気な見方」も一考かもしれません。

トウモロコシ市場

12月3日

トウモロコシ市場

 米農務省が昨夜発表した週間作柄・育成進展では、トウモロコシの収穫率が前週比5%上昇の89%となり、平年の98%を下回りました。大豆の収穫率は、前週比2%上昇の96%となり、平年の99%を下回りました。トウモロコシは、米中西部穀倉地帯の北部での吹雪で収穫作業が遅れており、一部で収穫が出来なくて単収が低下する可能性も高まってきました。それに反応してシカゴコーンが今週になって上昇に転じております。ミシガン州のトウモロコシの収穫率が12月1日時点で66%に留まっており、平年の89%を大きく下回っております。

 シカゴコーンは、10月14日に402.5セントまで上昇しましたが、その後はじり安基調を続けておりました。昨夜までの2日続伸を受けてトレンドが反転する可能性が高まってきました。しかし、この時期のシカゴコーンは、天候相場も終了して比較的値動きが小さくなる時期なだけに、大きな上昇は期待できないのかもしれません。

トウモロコシ市場

10月31日

トウモロコシ市場

 アイオア州の本日の最低気温がマイナス4℃、明日がマイナス6℃となる見通しであり、本日は降雪予報となっております。イリノイ州では、明日の最低気温がマイナス3℃となり、降雪予報です。ネブラスカ州は、本日の最低気温がマイナス5℃となり、降雪予報となっております。ミネソタ州では、11月1日が降雪予報となっております。米国のトウモロコシ生産量の1位がアイオア州、2日がイリノイ州、3位がネブラスカ州、4位がミネソタ州です。ここにきての米穀倉地帯中部での降雪予報は気になります。

  米農務省は10月16日、「ミネソタ州とサウスダコタ州で雪が降ったことを受けて、それら2州のトウモロコシと大豆の収穫面積に関する追加情報をまとめる。」と発表しました。その後も米穀倉地帯北部で降雪がありました。そして、ここにきて米穀倉地帯中心部でも降雪が確認されることになりました。今月になって北極振動が活発化しており、それに伴って北極圏から米国に向けて南下する寒波が増えております。それにより、米農務省が来週末8日に発表する「11月の需給統計」では、米国産トウモロコシの収穫面積見通しや生産高見通し、単収などが下方修正される可能性も高まってきました。それによりシカゴコーンや東京トウモロコシは、来週末の「11月の需給報告」の発表に向けて堅調地合いを続けることも予想されます。

トウモロコシ市場

10月30日

トウモロコシ市場

 ACCUウエザーの天気予報では、アイオア州の最低気温が31日時点でマイナス6℃となり、30日と31日が降雪予報です。イリノイ州では、31日の最低気温がマイナス3度となり、31日が降雪の予報です。ネブラスカ州では、30日の最低気温がマイナス5℃となり、30日が降雪の予報です。ミネソタ州では、30日の最低気温がマイナス6℃となる見通しですが、降雪は予想されておりません。米国産トウモロコシの州別生産量は、 2017年時点で1位がアイオワ州、2位がイリノイ州、3位がネブラスカ州、4位がミネソタ州です。ここにきて米穀倉地帯中心部での降雪予報は注意が必要です。しかも、今年の米国産トウモロコシや米国産大豆の収穫作業がかなり遅れているだけに、なおさら注意が必要でしょう。

 米農務省は10月16日、「ミネソタ州とサウスダコタ州で雪が降ったことを受けて、それら2州のトウモロコシと大豆の収穫面積に関する追加情報をまとめる。」と発表しました。その後も米穀倉地帯北部で降雪が観測されましたが、ここにきて米穀倉地帯中心部での降雪予報が発表されました。米農務省が今年の米国産トウモロコシの収穫面積見通しの再調査を行っているので、11月8日に発表される「10月の需給報告」では、収穫面積見通しが下方修正されて生産高見通しも下方修正となる可能性が出てきました。

トウモロコシ市場

10月29日

トウモロコシ市場

 米農務省が昨夜発表した週間作柄・育成進展状況は、10月27日時点での米国産トウモロコシの優と良の占める割合は、前週比2ポイント上昇の58ポイントとなり、昨年同日の68%を下回りました。成熟は、前週比7%上昇の99%となりました。収穫率は、先週比11%上昇の41%となり、過去5年平均の61%を下回りました。ミネソタ州の収穫率は22%となり、過去5年平均の56%を大きく下回りました。

米国産大豆の収穫率は、前週比16%上昇の62%となり、過去5年平均の78%を下回りました。ミネソタ州の収穫率は62%となり、過去5年平均の99%を大きく下回りました。 

低温警戒が続いている米穀倉地帯北部での収穫遅れが気になります。ACCUによるミネソタ州の最低気温は、29~30日がマイナス6℃、31日がマイナス3℃であり、寒波が到来しております。そして、来週7~11日の最低気温がマイナス5~6℃の予報であり、再び寒波が到来する見通しです。しかも、11月14日、15日、17日、19日が降雪予報となっております。

ACCUによるサウスダコタの最低気温予報は、29~30日がマイナス9℃であり、11月3日にマイナス1℃まで上昇するものの、11月6~10日は再びマイナス6~7℃にまで低下します。

ミネソタ州は全米トウモロコシ生産第4位であり、アイオア州は全米トウモロコシ生産第1位です。そして、ミネソタ州とアイオア州は隣接しております。米農務省は10月16日、「ミネソタ州とサウスダコタ州で雪が降ったことを受けて、それら2州のトウモロコシと大豆の収穫面積に関する追加情報をまとめる。」と発表しておりました。その後も米穀倉地帯北部での低温警戒が続いたので、米農務省から来週8日に発表される「10月の需給報告」では、収穫面積見通しの下方修正は避けられないのかもしれません。また、来月中旬の米中首脳会談で「米中通商協議の部分合意」が調印されれば、中国が米国産農産物の購入拡大に動く可能性も高まります。

トウモロコシ市場パート2

10月23日

トウモロコシ市場パート2

トウモロコシの2016年時点での輸出国割合は、米国が38%、ブラジル&アルゼンチンが32%です。一方、大豆の輸出国割合は、米国が43%、ブラジル&アルゼンチンが45%です。北半球の米国が収穫期を迎えている反面、南半球のブラジルやアルゼンチンが作付け時期を迎えております。それにより、南米の穀物の作付面積がこれから注目されることになります。

ブラジル農業調査会社のアグルーラルは10月7日、2019~2020年度の現時点での大豆の作付け進捗率が3.1%となり、干ばつの影響で前年同期の9.5%を大幅に下回っていることを報告しており、「6年ぶりの作付け遅れ」と指摘しております。ルーラル・クライマの気象学者は、「パラナ州は最も乾燥している。州内ではすでに作付けをやり直したところもある。」と指摘しております。ブラジル大豆戦略委員会は、「早い段階で作付けした農家がほぼやり直すことになるだろう。」と指摘しております。更に、リフィニティブは、「パラナ州の一部は過去15日間で最も強い干ばつに見舞われている。」と指摘しております。

北半球である米穀倉地帯が春先の長雨と洪水により大豆やトウモロコシの作付け遅れとなりました。今度は、南半球であるブラジルが干ばつによる作付け遅れとなってきました。しかも、現在の米穀倉地帯北部で深刻な低温警戒が続いている反面、ブラジルでは深刻なホット&ドライが続いております。しばらくは、南米の天候プレミアムが高まり、シカゴコーンやシカゴ大豆が堅調地合いを続けることも考えられます。

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

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