松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

経済全体

モルガン・スタンレーの年央見通し

5月14日

モルガン・スタンレーの年央見通し

 大手投資銀行のモルガン・スタンレーは13日、「エンド・オブ・イージー(たやすさの終わり)」という題名の年央見通しを発表しました。それによると、「ここ9年間に見られた市場への多重の追い風が弱まりつつあり、政策引き締めは今や逆風が吹いていることを意味する。今や世界の株式は今後1年間の上昇余地が限定的なため、ウエートを従来の4%から2%に減らしてイコールウエートとする一方で、新興国の外貨建て債券や現金の比率を上げるべきだ。成長の勢いやインフレ、バランスシートの規模、利益見通しの修正、株式と債券の相関関係、米政策金利はいずれも過渡期にある。市場にとってこれは2018年1月にクレジット、2018年夏に利回り、2018年7~9月期に株式が相次いで天井打ちすることを意味する。」と指摘しております。そして、「欧州株および世界のエネルギー株はオーバーウエートに。日本円は2019年7~9月期までに1ドル=95円を付ける。米10年国債利回りは低下して2018年を終え、利回り曲線はフラット化。南アフリカ・ランドとブラジル・レアルの今後1年は力強い上昇に。」と指摘しております。

 上記のモルガン・スタンレーの年央見通しは、興味深い内容となっております。米国株が7~9月期に天井形成するのであれば、6月頃まではリスクオン志向の銘柄に注目し、7月頃から徐々に新興国通貨やリスクヘッジ銘柄となる金相場などに注目することも一考かもしれません。

米国株が2018年7~9月期に天井形成し、日本円が2019年7~9月期までに1ドル=95円を付けるのであれば、米国株が下落トレンドに突入したあたりから円高基調が始まる可能性もあります。それにより、2018年7~9月期あたりから円高基調への対応を取る必要もありそうです。

今回の米国企業の1~3月期決算は、近年最高の企業利益となりましたが、それでもNYダウが少ししか反応しておりません。4~6月期決算も良好な決算内容が予想されているだけに、それでもNYダウが今回と同様にあまり上昇出来ないようでは、米国株が天井形成する可能性もあります。まずは、米国企業の4~6月期決算が本格化する7月中旬~下旬辺りで米国株が天井形成する可能性に注目かもしれません。

1~3月期決算発表シーズンの山場を迎えて

4月26日

1~3月期決算発表シーズンの山場を迎えて

 昨夜のNYダウは14ドル高でした。NYダウは、4月18日からの5営業日で700ドルほど下落しております。米国企業の1~3月期決算発表が山場を迎えておりますが、それでもNYダウの軟調地合いが続いております。

 NYダウは、4月17日の上昇により、1月中旬から続く右肩下がりの上値抵抗線を少し上回り、年初から続く三角合いから上放れとなったように思われました、しかし、翌18日から5営業日で700ドルほど下落したことを受けて、再び三角保合いに戻りました。

これまでの四半期決算発表シーズン中の米国株は、良好な決算内容を好感して上昇する向がありました。特に今回の1~3月期決算では、S&P500種採用企業の企業利益がリーマンショック後で最高となる見通しです。それでも米国株の上昇力が示されないことに対して警戒が必要となりそうです。

今回の米国企業の決算内容は、事前予想通りに良好な内容が多いようですが、米10年債利回りが3%を上回り、株式市場への警戒が高まっております。2月下旬にも米10年債利回りが2.95%付近まで上昇し、株式市場への警戒が強まる場面もありました。そして、ここにきて再び米10年債利回りが上昇し始めたので、「良好な決算内容より長期金利の上昇に警戒」となっているようです。

今週1週間で280社ほどの米国企業の決算発表が行われ、今回の1~3月期決算発表シーズンの山場となります。それでも米国株が上昇出来ないようであれば、失望売りが加速する可能性があります。現在のNYダウは2万4083ドルですが、現水準から800ドルほど下落して2万3300ドル付近の年初から続く下値抵抗線を割り込むことになれば、「三角保合いからの下放れ」となります。米10年債利回りが昨日夕方から3%付近で推移しておりますが、現在の「3%付近での攻防戦」から上放れとなることになれば、NYダウが三角保合いから下放れとなる可能性も高まりそうです。
NYダウの日足

 

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米中貿易摩擦の見通し

4月3日

トランプ米大統領は3月8日、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を正式決定しました。それにより、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を3月23日から課すことになりました。それに対して中国政府は3月23日、総額30億ドル規模となる128の米国製品に最大25%の追加関税を導入する計画を発表しました。そして、中国政府は4月1日、正式に128の米国製品に最大25%の追加関税を導入することを決定しました。これを受けて米中貿易摩擦の高まりが懸念されました。

 トランプ大統領は3月22日、知的財産権侵害を理由に中国からの輸入品600億ドル相当への追加関税や中国企業による米国内の投資を制限する制裁を発表しました。それに対して中国の催駐米大使館は、「米国が中国の知的財産権侵害を理由にした対中貿易制裁を決定した場合、同じ規模の報復を行う。中国は、確実に同じ比率、同じ規模、同じ強さで反撃する。」と述べております。そして、米通商代表部(USTR)は4月3日、中国からの輸入品に対する25%の追加関税について、対象が約1300品目に上り、年間500億ドル程度に相当することを明らかにしました。そして、米通商代表部(USTR)は、品目リストの公表によって意見公募と協議を開始し、2か月後に最終決定を下すことを明らかとしました。

 今回の米通商代表部(USTR)による約1300品目への追加関税は、「中国製造2025」の恩恵を受けるとみられる製品が主な対象となっております。「中国製造2025」とは、先進情報技術(IT)やロボット、航空機、新エネルギー車、医薬品、発電設備、先端材料、農業機械、造船・船舶工学、高度な鉄道設備の10分野において、輸入品を中国製品に入れ替えることを目指している政策です。

 米通商代表部(USTR)による中国の約1300品目に及ぶ製品への追加関税の最終決定は2か月後ですから、今から米中貿易摩擦への警戒を強める必要もないのかもしれません。それよりも、あと1週間ほどすると本格化する「米国企業の1~3月期決算発表シーズン」に向けた対策の方が重要かもしれません。

後場市況1

3月7日

後場市況1

日経平均株価は、9時半ごろに215円安となり、11時ごろには68円高まで上昇する場面もありましたが、13:15時点で160円安です。上海総合株価指数は0.1%高で前場を終えました。NYダウ先物は、9時半ごろに440ドル安付近まで下落し、13:15時点で370ドル元安です。

 中国では、5日から全国人民代表大会(全人代)が2週間ほどの日程で開幕しました。今回の全人代では、省や地方自治体の代表が中国全土から3000人近く集まります。全人代は毎年3月に開催されますが、今回開催される全人代は第13期全人代となり、5年ごとに開催される特別な全人代であり、中国政府中枢の人事が一新されます。今回の全人代で2期限定とされる国家主席の任期が撤廃される予定であり、習近平氏が3期目も国家主席を続ける見通しです。注目は、国家副主席の人事となっているようです。そして、中国の重要な経済政策の方針も話し合われます。中国市場としては、「最近のトランプ大統領権発言より、全人代の行方に注目」」というところでしょうか。

 今回の全人代が終了すると政権人事が一新され、新人事体制に対する期待先行で中国市場全体が堅調地合いに転じる可能性もあります。そうした意味でも今後の中国関連柄は注目かもしれません。

後場市況2

3月7日

後場市況2

朝方は、コーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けてリスクオフの流れが強まりましたが、時間経過と共にリスクオフの流れが少し沈静化し始めてきたように感じられます。上海総合株価指数は0.1%高、韓国総合株価指数は0.1%安で前場を終えました。米国の中国からの輸入国割合は、鉄鋼で2.2%、アルミで9.1%です。そして、韓国からの輸入国割合は、鉄鋼で9.8%です。それでも本日前場の上海総合株価指数と韓国総合株価指数がほとんど下落していないことは注目でしょう。

米国の2017年の輸入量は、鉄鋼で3461万トン、アルミで699万トンでした(米商務省発表値)。トランプ大統領は、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を示しましたが、それが実施されたところで、それほど深刻な貿易戦争にはならないとの見方もあります。モルガン・スタンレーの試算では、鉄鋼とアルミ、洗濯機、太陽電池モジュールの合計は米輸入額の4.1%にすぎず、世界貿易額においてはわずか0.6%に留まると指摘しております。家電などのほとんどに鉄やアルミが使用されているので、トランプ大統領の関税案があたかも世界経済に深刻な影響を与えるように感じられますが、それらが「世界貿易額においてはわずか0.6%」なのであれば、最近のアナリストコメントの多くが、過敏に反応し過ぎているだけかもしれません。

前場市況3

3月7日

前場市況3

 NYダウ先物は、9時半ごろに440ドル安付近まで下落しましたが、11時時点で280ドル安付近まで戻しております。ドル円も9時半ごろに105.5円付近まで円高に進みましたが、11時時点で105.8円です。朝方は、コーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けてリスクオフの流れが強まりましたが、時間経過と共にそうしたリスクオフの流れも沈静化し始めているようです。米国の鉄鋼とアルミの輸入国割合を考えると、トランプ大統領が鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を示したことは、今回の第7回NAFTA再交渉でカナダがあまり歩み寄りを示さなかったことを受けて、カナダへの米国との貿易交渉に歩み寄りを促進する「政治的駆け引き」ということかもしれません。
鉄鋼の輸入国割合
アルミの輸入国割合

前場市況2

3月7日

前場市況2

トランプ大統領の鉄鋼やアルミに対して高率関税を課す方針に反対していたトランプ米大統領の経済顧問トップであるコーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けて、マーケットに動揺が走りました。それにより、トランプ大統領の鉄鋼やアルミに対に対して高率関税を課す本気度が感じられました。

米国の2017年の輸入量は、鉄鋼で3461万トン、アルミで699万トンでした(米商務省発表値)。それに対する鉄鋼輸入国割合は、カナダ16.6%、EU14.3%、ブラジル13.5%、韓国9.8%、メキシコ9.3%、ロシア8.3%、トルコ5.7%、日本5%です。アルミ輸入国割合は、カナダ43.3%、ロシア10.6%、UAE9.4%、中国9.1%、EU4.2%です。

 米国が鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課せば、最も影響を受けるのがカナダです。次いでEU,ブラジル、ロシアなどが影響を受けます。カナダからの輸入割合は、鉄鋼で16.6%、アルミで43.3%です。EUからの輸入割合は、鉄鋼で14.3%、アルミで9.4%です。中国からの輸入割合は、鉄鋼で2.2%、アルミで9.1%です。こうした輸入割合を考えると、トランプ大統領の方針に対してEUが対抗措置の検討を始めたことも納得で来ます。意外だったのは、中国からの鉄鋼輸入割合の低さであり、これであれば、中国が報復措置を講じる事はなさそうです。ちなみに、10:15時での上海アルミと上海鉄筋は、共に小幅高です。

こうした米国の輸入国割合を考えれば、トランプ大統領が鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を示したターゲットは、「カナダ」と考えるべきかもしれません。5日に終了した第7回NAFTA再交渉では、相変わらず平行線となり、合意に至りませんでした。メキシコの大統領選挙や米国の中間選挙の日程を考えれば、今月末までにNAFTA再交渉を合意に導かなければ、次の再交渉が来年回しになると見られております。それだけに、トランプ大統領がカナダに強い圧力をかけているようです。コーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けてリスクオンの流れが強まりましたが、これもトランプ大統領による「政治的駆け引き」と考えて、米国経済への影響にあまり悲観的になる必要もないのかもしれません。

前場市況1

3月7日

前場市況1

昨日の日経平均株価が375円高となり、その後の日経225先物も670円高まで上昇したことでリスクオンの流れが強まりました。その後、昨夜のNYダウが9ドル高で取引を終え、今朝からのNYダウの電子取引が350ドル安付近まで急落しております。トランプ大統領の鉄鋼やアルミに対して高率関税を課す方針に反対していたトランプ米大統領の経済顧問トップであるコーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けて、リスクオフの流れが一気に強まりました。

トランプ大統領が1日に鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を述べ、それに圧迫されて1日のNYダウが大きく下落しました。その後、コーン米国家経済会議委員長がそれに反対を表明したことにより、リスクオフの流れも沈静化し、3月5日のNYダウが大幅高となりました。しかし、コーン米国家経済会議委員長が突然の辞任を表明したことにより、「トランプ大統領による鉄鋼やアルミへの高率関税を課す政策は止められない」との観測も広がり、今朝からのNYダウ先物が大きく下落し、ドル円も今朝から60銭ほど円高に進みました。コーン米国家経済会議委員長は、ゴールドマン・サックスの元最高執行責任者(COO)であり、トランプ大統領が指名した金融業界出身の高官の1人です。

トランプ大統領は、ツイッターへの昨夜の書き込みで、「ホワイトハウスが大混乱しているというのがフェイクニュースの最新ネタだが、大違いだ。人の出入りはあるだろうし、私は最終決定をする前には、徹底した話し合いを望んでいる。何人か交替させたい人もいる。いつも完璧を求めているからな。それは混乱ではない。単にエネルギー全開というのさ。」とコメントしております。

コーン米国家経済会議委員長とバノン元首席戦略官とコーン氏が辞任し、今後の米国経済のかじ取りに対してムニューシン財務長官とロス商務長官の影響力がより大きくなりました。ここでコーン米国家経済会議委員長が辞任したことを考えると、「トランプ大統領は、本気で鉄鋼とアルミに対する高率関税を課す可能性が高い」と考えるべきかもしれません。

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