松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

金市場「金相場の豆知識」

 米政策金利は、2004年前半は1%で推移しておりましたが、2004年6月から上昇基調に転じ、2006年5月時点で5.25%まで上昇しました。その間のNY金は、390ドル付近から600ドル付近まで上昇基調を続けました。米政策金利が2年間も上昇基調を続けましたが、それでもNY金が上昇基調を続けた要因は、金ETFの台頭でした。世界で初めて金ETFが生み出され、それが金相場を一変させました。

2002年のロンドンのゴルフ場にて、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の最高経営責任者(CEO)のバートン氏とワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のトンプソン会長がゴルフをしておりました。トンプソン会長は、バートンCEOに対して1ホール目から「金ETF構想」の説明を行いながらプレーを続けました。そして、雨降る17番ホールでバートンCEOとトンプソン会長がある事を賭けてマッチプレーを始めることになりました。その結果、17番ホールのマッチプレーでトンプソン会長が勝利しました。それによりトンプソン会長は、バートンCEOに対してある提案を受け入れさせました。その「ある提案」とは、「金の延べ棒をニューヨーク証券取引所で取引できる証券に分割する事」であり、それが「金ETF」の始まりとなりました。それまでの金相場は「20年間の長期下落トレンド」を形成し、東京金は1グラム=1000円台を割り込む場面もありました。17番ホールで負けたカルパースのバートンCEOは、WGCトンプソン会長の提案を受け入れ、その後、この2人がリーダーシップをとり、WGCが設定した信託は金に裏付けされた上場投資信託(ETF)として米証券取引委員会(SEC)に承認されたといういきさつがあります。その後の金ETFの急拡大が、金価格を8年間で5~6倍にまで上昇させた主要因となりました。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)とは、世界の主要金鉱山会社によって構成される非営利団体であり、その当時の新会長のトンプソン氏が、それまで20年間も長期ダウントレンドを続けていた事の打開策の為にカルパースのバートン氏を、ロンドンのゴルフ場まで呼び出し、雨の17番ホールでバートン氏とのマッチプレーにて大きな「賭け」をもちかけたのです。こうして生まれた金ETFですが、世界の10大ETFの金保有量がピーク時で2000トン強となり、米国やドイツ、イタリア、フランスを除くどの国の金準備保有量よりも多くなりました。2002年のロンドンのゴルフ場における「雨の17番ホールでのマッチプレー」の結果が、8年間で金価格を4~5倍にまで高騰させる主原因となったことを知る投資家は少ないのかもしれません。

世界最大の金保有量であるSPDRゴールドシェアの金保有量は、2013年1~2月に1600トン強にまで膨れ上がり、NY金も1700ドル付近まで上昇しました。しかし、金保有量が2013年7月ごろから1000トンを割り込み、それに伴いNY金も1700ドル付近から1200ドル付近まで下落しました。

著名投資家のジョージ・ソロス氏などが金ETFを買い進んだことが有名となり、SPDRゴールドシェアの金保有量が昨年3月ごろから7月ごろにかけて、800トン付近から1000トン付近まで膨れ上がりました。それと共にNY金も1050ドル付近から1350ドル付近まで上昇しました。しかし、金保有量が昨年11月ごろから今年の1月ごろにかけて、960トン付近から780トン付近まで減少すると、NY金も1300ドル付近から1150ドル付近まで下落しました。

現在の保有量は860トン付近で推移しており、6月6日~8日で計16トンも急増しましたが、6月9日時点で増加ペースが止まりました。まだ金ETF保有量の増加基調は本調子でもないようです。
米政策金利とNY金
金ETF保有量

金市場

 ドル円は、昨日24時ごろに1ドル=109.2円付近まで下落しましたが、コミー氏が本日の上院特別情報委員会で行う証言内容が公開されると1ドル=109.8ドル付近まで上昇しました。内容は予想の範囲内であり、それほど深刻な内容もなかったことから、リスクオフの流れが弱まり、金売りの流れが強まりました。NY金の電子取引は、昨日24時ごろに1298ドル付近まで上昇しましたが、現在は1288ドル付近まで下落しております。

 8日に実施される英総選挙やECB政策会合、コミー氏の議会証言などのビックイベントを前にリスクオフの流れが強まり、NY金が上昇を続けてきました。しかし、コミー氏の議会証言に対する不透明感が昨夜から薄らぎました。これで、本日実施される英総選挙やECB政策会合でも特に変わったことが無ければ、リスクオフの流れが更に弱まり、NY金が下値追いを強める可能性もあります。

原油市場パート3&金市場パート2「イスラエルの米大使館移転問題」

 トランプ大統領の中東諸国への外遊が終了しました。そして、「イスラエルの米大使館のエルサレム移転案」に対してオバマ前大統領が最後に署名した「半年間の凍結案の大統領令」が今月末で効力を失います。それに対して、トランプ大統領が今月末までに「半年間の凍結案の大統領令」に署名するかどうかに注目が集まっております。

 トランプ大統領の娘のイバンカ氏は、結婚してイスラム教に改教しており、その夫のクシュナー氏は、正当イスラム教徒です。そしてイバンカ夫妻は、昨年の米大統領選でユダヤ票を多く集めた時の公約の1つが、「イスラエルの米大使館のエルサレム移転」でした。そして、イバンカ氏は、僅差で大統領選を制した功労者とされております。更に、シュクナー氏は大統領上級顧問であり、イバンカ氏は大統領補佐官です。

 トランプ大統領は、今回の中東外遊で「中東平和」と何度も述べておりましたが、イスラエルとパレスチナの訪問では、かなり態度が違ったようです。トランプ大統領は、イスラエルでの演説で、「私の政権は常にイスラエルの側に立つ」と述べ、ネタニヤフ首相や聴衆の喝采を浴びました。一方、パレスチナ訪問では、パレスチナ側の最も関心が深い「2国共存」と「ヨルダン川西岸のユダヤ人入植問題」に付言しませんでした。

トランプ大統領は、2月のイスラエルとの首脳会談で「イスラエルとパレスチナの2国共存にこだわらない。」と述べました。歴代米大統領で初めて「2国共存にこだわらない」と述べたことにより、「イスラエルの米大使館のエルサレム移転」の可能性が高まりました。トランプ大統領は、今回の中東外遊で、中東平和を求める発言を多用しているものの、イスラエルとパレスチナの訪問では、かなり温度差が大きかったようです。トランプ大統領が、「イスラエルの米大使館のエルサレム移転案」に対する「半年間の凍結案の大統領令」に今月中に署名しなければ、テルアビブにある米大使館のエルサレム移転の作業が始まります。そうなれば、中東の地政学的リスクが高まり、原油や金が上昇する可能性も高まります。これからの中東の地政学的リスクに注目して原油相場や金相場を考えることも一考かもしれません。

金市場

 東京金は、5月8日に60円幅ほど急落する場面もありましたが、それ以外は小動きを続けており、方向性があまり感じられません。ドル高に反応してNY金が下落すれば円安が相殺し、ドル安に反応してNY金が上昇すれば円高が相殺するパターンが続いており、NY金に比べて東京金の値動きが小さくなる傾向も続いております。

 世界最大の金ETFであるSPADゴールド・トラストの金保有量は、8営業日連続で全く変化しておらず、4月下旬ごろからあまり変化しておりません。こうした金保有量の増減がほとんどないことからも、金投資に関心を示す投資家が少ないようです。米国株が幾度となく高値更新していることを考えると、こうした環境で「リスクヘッジ銘柄」に注目することは難しそうです。

 NY金におけるファンドの買い越し枚数は、この1か月間で20万枚付近から15万枚付近まで減少しました。米国株を中心としたリスクオンの流れが強まっていることから、金投資を減らすファンドの動きが続いております。しかし、先月からNY金が下落基調を続けているものの、先月からの円安基調が相殺するかたちとなり、東京金は小動きを続けております。しばらくは、値動きの大きな銘柄に注目した方がいいのかもしれません。

今後、米国株が大きく下落してリスクオフの流れが強まると、NY金が上昇する可能性も高まりますが、その反面、円高が進む可能性も高まります。そのあたりが円建て銘柄となる東京金の分析の難しいところでしょうか。

 NY金のファンドポジション
金現物保有量

後場市況1&金市場パート2

 NYダウの電子取引は、37ドル安付近で推移しており、少しリスクオフの流れとなっております。ドル円は、今朝から小動きです。NY原油の電子取引は、9時頃から46.8ドル付近で小動きを続けておりましたが、この1時間で50セントほど下落しました。NY金の電子取引は、10時ごろから小動きです。日経平均株価は、450円高の1万9895円で取引を終え、2万円の大台まであと105円幅に迫りました。

 東京金は、3月上旬からじり高基調を続け、2か月間で100円幅ほど上昇しました。しかし、本日の日中取引で62円安となり、2か月半間の上げ幅の6割ほどをたった1日で失うことになりました。このテクニカルの変化は、大きなシグナルとなりそうです。6月のFOMCで利上げが実施されるとの見方が高まってきたことから、金相場は、6月のFOMCに向けて軟調地合いを続ける可能性もあります。


東京金の日足
東京金の日足

 

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金市場

 NY金は、5営業日で合計42ドルほど下落しました。先週発表されたFOMC声明や米雇用統計発表により、米国の利上げ観測が高まったことを受けてドル高が進み、NY金が大きく下落しました。大手投資銀行のゴールドマン・サックスは5日、FRBによる6月利上げ確率をこれまでの70%から90%に引き上げることを発表しました。そして、「米雇用統計は堅調な内容で、失業率が4.4%へ一段と改善した。これは前回の景気サイクルの最低水準と並び、FRB当局者らが構造的失業率と推計する4.7%を0.3%下回っている。」と指摘しております。

NY金は、4月中旬に1294ドルまで上昇しましたが、先週末に1224ドルまで下落しました。NY金がこの3週間で70ドルほど下落したことにより、綺麗なダウントレンドが形成されております。そして。。。。。。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。
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NY金の日足
NY金の日足

 

 

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金市場

 NY金は、4月17日に1294ドルまで上昇しましたが、その後は下落基調を続けております。東京金は、NY金の下落と円安が相殺する流れが続き、小動きを続けております。

ゴードルマン・サックスは、金相場の3か月見通しを1200ドル、12カ月見通しを1250ドルとしました。そして、「金相場は、短期的に圧迫される。米税制改革への期待の高まりや米国&世界経済の成長加速を背景に、より大幅な米国の利上げを織り込む動きや、QE縮小ペースの加速が見込まれることが短期的な金相場の弱気見通しの要因となる。」と指摘しております。中期的な見通しとしては、「見込まれる調整局面が買い場となる。」と指摘しております。

 NYダウが2連騰となって3月1日に記録した最高値(2万1169ドル)まであと173ドル幅に迫っただけに、米国株への高値警戒を高める必要もありそうです。トランプ大統領に対する大統領就任後100日間のハネムーン期間が今週29日で終了することから、トランプ大統領から本日発表される「税制改革の骨格」により米国株が更に上昇すれば、今週後半で米国株に対する利益確定の動きが加速することも考えられます。しかし、今週後半から米国株が下落に転じればNY金が上昇に転じる可能性が高まるものの、リスクヘッジの円買いが進むことも考えられます。それにより、米国株が急落したとしても、円建て銘柄である東京金にとっては、「NY金高&円高」となって小動きを続けることが考えられます。その反対に、米国株が更に上昇しても、「NY金安&円安」となって、東京金は小動きを続ける可能性があります。

NY金の日足
NY金の日足
東京金の日足
東京金の日足
 

 

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金市場

 中東や北朝鮮に対する地政学的リスクの高まりを受けて、昨日15:15比でNY原油の電子取引が80セントほど上昇した反面、NY金の電子取引は同水準で推移しております。しかも、ドル円が昨日15:15比で70銭ほど円高&ドル安に進んだことにもNY金の電子取引はほとんど反応しておりません。NY金は、強材料に反応できないほど地合いが悪化してきたと考えるべきかもしれません。

NY金は、先月中旬から50ドルほど上昇しましたが、この2週間ほどは横ばいを続けております。先週からの地政学的リスクの上昇にもほとんど反応しておらず、上げ渋りの状況を続けております。世界最大の金ETFであるSPDRゴールド・シェアの金現物保有量は、この5週間で845トン付近から838トン付近まで7トンほど減少しており、金投機熱が冷めているようにも感じられます。

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

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