4月1日
金市場パート2
世界の金需要は、2017年時点で宝飾品が2152トン、産業用が369トン、公的購入が381トン、個人投資が1030トンでした。
宝飾品需要の約75%が中国とインドです。今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、金の宝飾品需要が減少する可能性もかなり高まっております。そして、世界の中銀がこれから「新型コロナウイルスの経済への影響」を緩和するための経済対策を投入する資金源として、保有金の売却に動く可能性は高そうです。金の産業用需要は、新型コロナウイルスの影響で減少する事が予想されます。一方、金の個人消費に関しては、「新型コロナウイルスに関するリスクヘッジの手段」として金購入を増やすことも考えられる反面、新型コロナウイルスによる家計への悪影響を受けて、金の換金売りが増加することも考えられます。
ゴールドマン・サックスの昨日のレポートでは、「型コロナウイルスのパンデミックが企業に打撃を与え大量の失業を引き起こし、米経済は4~6月期にこれまでの想定よりもはるかに深く落ち込むだろう。」と指摘しており、4~6月期の米国経済成長率がマイナス34%となり、米失業率が15%に達するという見通しを発表しました。そして、7~9月期の米国経済成長率はプラス19%となり、従来予想(プラス9%)より引き上げました。それに対して「目先の経済縮小の半分余りが年末までに取り返されることが予想される。」と指摘しております。一方、米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は昨夜、「新型コロナウイルス感染拡大抑制策を受け、多くの人が職を失ったり自宅待機したりしていることを踏まえると、米経済はすでにリセッション(景気後退)に陥っている。」と述べております。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界経済がこれからさらに悪化することも予想されるだけに、「金の宝飾品需要」や「金の産業用需要」などが大幅減少する可能性は高そうです。