3月18日
マーケット全体の展望「原油と白金とゴムの買いも一考か」
16日のNYダウが1987年以降で最大の下げ幅となる2997ドル安(12.93%安)となりましたが、翌17日は1048ドル高(5.2%高)となりました。米国政府が政策対応を強化したことを受けて「株高&債券安」が進みました。ドル円は、昨日15:15比で1円10銭の円安です。
FRBは、15日に政策金利の1%の利下げを発表し、債券買い入れを開始しました。そして、17日にはコマーシャル・ペーパー(CP)を導入することで流動性プログラムを復活させることを表明しました。そして、トランプ政権が最大1兆2000億ドル(約129兆円)規模の景気刺激策を検討していることが明らかかとなりました。トランプ政権は国民に支援金を2週間以内に直接支給する計画を進めているそうです。こうした米国政府の経済対策が好感されたようです。
今週16日の米国市場でシカゴVIX指数(恐怖指数)が80ポイント台まで上昇し、引け値ベースで「リーマンショック時の最大値」を超えるほど投資家の不安心理が高まりました。しかし、米国での緩和政策の強化や欧米諸国での新型ウイルスの感染拡大阻止への動きが強化されたことなどを受けて、投資家の不安心理が少し低下しました。シカゴVIX指数は、16日は一時83.56ポイントまで上昇し、82.69ポイントで取引を終えました。翌17日は、一時84.83ポイントまで上昇し、75.91ポイントで取引を終えました。それでもまだ75.91ポイントとかなりの高水準を保っているので、投資家の不安心理はまだ「極めて高い水準」といえます。
シカゴVIX指数が過去最高を記録したのは、2008年10月24日の89.53ポイントです。リーマンショック時は、シカゴVIX指数が2008年10月24日から2日連続で80ポイント台を記録しましたが、その6営業日後には50ポイント台まで低下しました。そして、2008年11月20日から再び2日連続で80ポイント台を記録しましたが、その4営業日後には50ポイント台にまで低下しました。リーマンショックの時でもシカゴVIX指数が80ポイント台まで上昇すると、80ポイント台が2日間しか続かず、その後すぐに急低下しております。
今回のシカゴVIX指数は、今週16日と17日で80ポイントを記録しましたので、リーマンショック時の動きを参考にすれば、これから4~6営業日後にシカゴVIX指数が50ポイント台まで低下する可能性があります。それにより、今回の新柄ウイルス問題で大幅下落した東京白金や東京ドバイ原油、東京ゴムRSS3などへの強気な見方も一考かもしれません。